現場にいると、どんどんアイディアが湧いてくる
――舘さんは『免許返納⁉︎』の企画発案から関わり、現場でも多くのアイディアを出したと伺いました。
僕はコメディがやりたくて、本作はエンタメの王道的な作品にしたかった。基本に笑いがあり、そこにつながる仕掛けを考えました。映画の冒頭に南条の古希(70歳)のパーティシーンがあり、彼は紫色のちゃんちゃんこと帽子をかぶって登壇します。アクションスターのイメージとは真逆の装いは、これだけでも笑いを誘いますよね。
さらに南条は俳優仲間にバカにされ、控え室に戻ったところで帽子を床に叩きつけて蹴っ飛ばす。しかし、空振りして転んでしまうのです。台本にはそこまで書いていなかったのですが、ここでかっこ悪くひっくり返らないとコメディであることがお客さんに伝わらない。自分で言い出したものの、転び方が難しくて、一生懸命やりました。

僕のアイディアは、ほかにもたくさんあって、南条が投げ捨てた高齢者マークが、意外な車についてしまうこともそうですね。現場にいるとアイディアがどんどん湧いてくる。それを皆で話し合いながら実現していきました。
台本と大きく変わったのは、マネージャー・川奈(西野七瀬)のアクションシーンです。クライマックス近くに、南条は反社会勢力の男たちに囲まれ、居合わせた川奈は大奮闘します。元の台本は、川奈は呆然と立ちすくむのみだったのですが、それでは彼女の熱い部分も、南条への敬愛の念も伝わらない。
アクションシーンに変えるとなったとき、西野君に「投げ飛ばされても平気?」と聞いたら「頑張ります」とすぐに答えてくれた。そして、あの迫力のシーンが完成したのです。
――スクリーンからも熱さが伝わってきました。
熱いですよね。『免許返納⁉︎』はコメディでもありますが、たくさんの縁がつながり、生きていく強さを描いた物語です。プロ同士、夫婦、親子、きょうだい、友人同士……映画が伝えるのは、人の愛そのものだと思うのです。この愛と笑いに溢れた作品を、ぜひ劇場で楽しんでいただければ、嬉しいです。
『免許返納!?』 6月19日(金)公開

南条弘70歳、職業・俳優。古希を迎えて人生最大の窮地に陥る。事の発端は俳優仲間が起こしたバイク事故へのちょっとしたコメントが一人歩きしたこと。世間は「さすがスター俳優、南条弘!」「南条最高!」と持ち上げ、一人歩きした論調はいつしかマネージャーや家族をも巻き込み、南条の意図とは全く異なる形で拡大解釈されてしまう。本人の意思とは関係ないのに、「で、南条さんはいつ“免許返納”するんですか?」と聞かれる日々。人生最大のこのピンチをどう切り抜けるのだろうか。
監督:河合勇人
出演:舘ひろし ⻄野七瀬 黒川想⽮
南野陽⼦ ⼋嶋智⼈ MEGUMI 真⽮ミキ
⼤地真央 吉⽥鋼太郎 宇崎⻯童
公式サイト:https://menkyohenno-movie.com
(C)2026「免許返納!?」製作委員会
取材・文/前川亜紀 撮影/古谷俊幸











