人はなぜ「飾る」のでしょうか。「装飾」、それは数万年以上前から、人類・人間が、明日への「希望と祈りの美」を創造する営みとして伝えられてきました。

青森県立美術館で開催の「装飾する魂 ユーロ=アジア世界をつなぐ文様の宇宙―縄文、ケルトから、ねぶたまで」 展は、ヨーロッパの「ケルト」装飾写本から日本の「ねぶた」まで、珠玉の「装飾/文様の宇宙」を展観します。(7月11日~9月27日)

「ケルズの書」800年頃
※画像プロジェクションとファクシミリ版の展示
(C)The Board of Trinity College Dublin

本展の見どころを、青森県立美術館の学芸員、高橋しげみさんにうかがいました。

「世界の「装飾」文化に深い考察を巡らせてきた、多摩美術大学名誉教授で芸術人類学者の鶴岡真弓氏を監修に迎えて企画された本展は、青森を中心とする装飾文化をユーロ=アジア世界の広がりの中に位置付け、人類芸術に生き続ける「装飾する魂」を発見する試みです。

国宝・中空土偶 函館市著保内野遺跡出土
縄文時代後期 函館市蔵(7/11-8/30複製展示)

縄文時代の装飾の傑作として出品されるのは函館市所蔵の国宝「中空土偶」。全身に施された繊細な文様は、縄文人の「生命循環への祈り」を今に伝えています。

また、棟方志功の代表作、ロシアやサハリンの北方民族の衣装や工芸品、北の交易文化を象徴する「蝦夷錦」も展示。異なる地域や時代をつなぐ文様から、普遍的な精神世界が浮かび上がります。

棟方志功《飛神の柵》1968年
棟方志功記念館蔵
北方民族ナナイの花嫁用刺繍付衣服
北海道立北方民族博物館蔵
蝦夷錦・蟒袍[もうほう]
市立函館博物館蔵

さらに本展のために、第七代ねぶた名人・竹浪比呂央が制作する新作ねぶた《NEBUTA 将門》も登場。高さ約4.5メートル、幅約6メートルにおよぶ圧倒的なスケールで、青森が育んできた「装飾する魂」の現在形を示します。

縄文、ケルト、ねぶた――。時空を超えて響き合う「文様の宇宙」を通して、人類が太古から抱き続けてきた創造の力と生命への祈りを体感できる展示となるでしょう」

第七代ねぶた名人・竹浪比呂央

地球上の広範な世界を装飾という行為がつなぐ、宇宙の一体感を感じる会場にぜひ足をお運びください。

【開催要項】
青森県立美術館開館20周年「装飾する魂 ユーロ=アジア世界をつなぐ文様の宇宙―縄文、ケルトから、ねぶたまで」 展
会期:2026年7月11日(土)~9月27日(日)
会場:青森県立美術館
住所:青森市安田字近野185
電話:017・783・3000
公式サイト:https://www.aomori-museum.jp
開館時間:9時30分~17時(展示室への入場は16時30分まで)
※7月18日(土)、8月15日(土)、9月19日(土)はナイトミュージアムにつき~20時(入館は19時30分まで)
休館日:7月27日(月)、8月17日(月)、8月31日(月)、9月14日(月)
料金:公式サイト参照
アクセス:公式サイト参照

取材・文/池田充枝

 

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