連続テレビ小説『あんぱん』の舞台にもなっている高知県の物部川流域は、やなせたかしの故郷、高知県香美市のほか、南国市、香南市を含むのどかな地域。やなせたかし記念館を起点に、故郷を愛してやまなかった、やなせさんゆかりの物部川流域を巡る旅をしてみた。
急ぐことなく、ゆっくり歩きたい
豊かな自然の中、滋味深い地元料理も楽しめるのが、高知観光の醍醐味だ。やなせたかし記念館のすぐ近くにある大川上美良布(おおかわかみびらふ)神社。記念館の竣工式で宮司さんとやなせさんが出会ったことから、神社のために描きおろした絵馬が奉納された。社殿と社務所をつなぐ廊下に巨大絵馬が飾られている。
大川上美良布神社

香美市香北町韮生野243 問い合わせ:香北支所 電話:0887・59・2311、大川上美良布神社社務所 電話:0887・59・2878
地図(い)
近くでランチをとるならおすすめなのが『おすそわけ食堂まど』。鳥取県出身ながら大学で高知に来て以来、そのまま高知で生活している陶山智美さんが、フードロスを減らしながら、地域の食生活を応援したいと始めたお店。ランチ時間は地元の人たちが次々に訪れ、地域に欠かせない店になっている。
おすそわけ食堂まど

香美市香北町韮生野338 電話:070・8472・4470
営業時間:昼11時~14時(土・日曜・祝日11時~15時)、夜17時30分~ 20 時(木・金・土曜) 定休日:月曜(臨時休業あり)
地図(あ)
記念館から車で5分のところにあるのがやなせさんと妻、暢(のぶ)さんが眠る、やなせたかし朴ノ木(ほおのき)公園。周りを山に囲まれたとてものどかな場所だ。やなせさんの詩が刻まれた墓碑の両隣にはアンパンマンとばいきんまんの石像が立ち、2体の視線はアンパンマンミュージアムに向いているという。
やなせたかし朴ノ木(ほおのき)公園

香美市香北町朴ノ木405 電話:0887・59・2300
地図(う)
趣の異なる魅力が点在
やなせさんは、アンパンマン以外にも多くのキャラクターを残している。そんななかでも見ておきたいのが、土佐くろしお鉄道ごめん・なはり線の各駅のキャラクターたちだ。最も近い後免(ごめん)駅に向かう途中、立ち寄りたいのが『Royal Niboshi coffee stand(ロイヤルニボシコーヒースタンド)』。メニューも外観も内装も限りなく削ぎ落とされたスマートなお店で、シンプルに無理のない営業スタイル。ただただ美味しい珈琲を届けたいという当たり前の姿勢にこの地域ならではのおおらかさを思う。
ロイヤルニボシコーヒースタンド

香美市土佐山田町西本町3-1-24
営業時間:9時30分~18時 定休日:木曜
Instagram @royalniboshicoffeestand
地図(お)

後免駅に到着。入場券を買って駅のホームにいくと「ごめん えきお君」が立っている。隣の後免町駅には、赤い制服を着た「ごめん まちこさん」のほか、「ごめん生姜地蔵」という可愛いお地蔵さんもいて、さらに後免町から車で20分のあかおか駅では、全駅のキャラクター人形を見られる。
後免駅

地図(か)
海に近い香南市赤岡町は、おどろおどろしい芝居絵屛風で知られる絵師金蔵(きんぞう)の作品を展示する絵金蔵や、銘酒「豊能梅」の高木酒造など見所たくさんの街。
あかおか駅

高木酒造

香南市赤岡町443 電話:0887・55・1800
営業時間:8時~17時 定休日:土、日曜、祝祭日(※但し、休日も酒の販売はほぼ対応)
地図(き)

再び南国市に戻って、大人気の『雨風食堂』へ。目の前に田園風景が広がる最高なロケーションのなかで食べるスイーツの美味しさは格別だ。魚と野菜が中心のお昼ごはんが人気ながら、デザートメニューも豊富。やなせさんの故郷に対する愛を感じながら、お腹までしっかり満たされる旅になった。
食事と図書 雨風食堂

南国市比江343-4 電話:088・862・3344(当面は予約制で営業)
営業時間:11時〜15時(売り切れ次第終了)、時折カフェの営業あり 定休日:土、日曜、祝日(不定休あり)
Instagram @ame_kaze
地図(く)

問い合わせ先/どっぷり高知旅キャンペーン推進委員会(高知県庁観光政策課内)電話:088・823・9606
