夫の過去の浮気がどうしても許せない

直子さんは15年前の浮気を一切許していない。

「夫は“僕を軽蔑するあなたより、部下と一緒にいたい”と言ったんです。それで離婚しようと決意を固めたら、義母が“それはやめて。家族じゃない。離れ離れになってはダメよ”と土下座してきたんです。義母は、部下と同棲している夫の家に行き、2人をきつく叱ったそう。あの美しく威厳がある義母に叱られたことで、2人ともびっくりしたんでしょうね。そして現実に戻り、同棲を解消。私と娘たちのところに帰ってきました」

これを機に、直子さんは今の仕事を始めた。

「働きたかったというのもありますが、夫と家にいたくなかった。土日はフルで仕事を入れて、夫と合わないようにしていました」

それ以降、夫は女性も作らず、おとなしくしているという。

「夫は総合商社に勤務していますが、悪いことができないように、義母の口添えでお小遣い制に変えました。家事のノルマを増やし、二度と女性と浮気に走れないようにしたのです」

ところが最近、直子さんが勤務に出ている土日に、よく外に出るようになったという。

「コロナ禍以降、娘が実家に住むようになりました。それまで、土日は家で家事をしたり、ジムに行ってせいぜい数時間で帰宅することが多かったのに、毎週のように土曜日に数時間以上出かけていることがわかったのです。娘が“ママ、またパパは浮気をしているのかな、キモいね”という。先日、本人に聞いたのですが、“散歩だよ”としか言わないんです」

直子さんは、仕事をしながら施設に入っている義父の見舞いや、お墓の管理、膨大な荷物がある義母の自宅の整理も手伝っている。

「介護の手伝いや、自宅の整理などは、ぼんやりしているウチの夫ではできないから、私が面倒をみてやっているのに。ホントに浮気していたらムカつきます。浮気できるお金も渡していないから、義母が援助しているに決まっている。あいつらは絶対に結託している。義母はお腹の中を人に見せないところがあります。信用できないんですよ。もし浮気をしていたり、元部下と会っていたりしたら、その証拠を持って離婚してやりますよ」

直子さんは、一度あることは二度・三度とあると強く思っている。

「とにかく一度はっきりさせて、今後のことを考えたいのです。娘の話から、土日の2日間どこかに行っているのは間違いない。行動調査をしてください。パートでがむしゃらに働くうちに、正社員さんよりも稼ぐようになり、かなりまとまった貯金もできました。子供たちも成人して私の味方だし。なんとかヤツのしっぽをつかんでください」

【夫は義母と合流し、怪しい建物に入って行った……~その2~に続きます】

探偵・山村佳子
夫婦カウンセラー、探偵。JADP認定メンタル心理アドバイザー、JADP認定夫婦カウンセラー。神奈川県出身。フェリス女学院大学卒業。大学在学中に、憧れの気持ちから探偵社でアルバイトを始め、調査のイロハを学ぶ。大学卒業後、10年間化粧品メーカーに勤務し、法人営業を担当。地元横浜での調査会社設立に向け、5年間の探偵修業ののち、2013年、リッツ横浜探偵社設立。依頼者様の心に寄り添うカウンセリングと、浮気調査での一歩踏み込んだ証拠撮影で、夫婦問題・恋愛トラブルの解決実績3,000件を突破。リッツ横浜探偵社 http://www.ritztantei.com/

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