【家族の秘密】「息子の嫁が孫を学費のかかる小学校に転校させていた…」息子を“ダメ男”に変えた、ハズレ嫁の浪費生活～その２～

妻に支配されてしまった息子

ビルの中から話す声が聞こえてきました。言葉がはっきりと聞こえるわけでもなく、専門用語も多いので完全には理解できませんでした。ただ、息子さんは人生の一発逆転を狙い、どうやら合法すれすれの事業に投資をしようとしているような内容でした。かなりの熱意で話していることから、その意気込みがわかります。

これは急いだほうがいいような内容の話なので、私達は調査の途中でしたが玄一郎さんに連絡しました。すると、タクシーを飛ばして1時間もしないで玄一郎さんはやって来ます。

しばらく待つと、ビルから出てくる息子さんを捕まえて、個室がある喫茶店に入って行きます。私たちも同席してほしいとのことで、見守ることにしました。

玄一郎さんは、変わり果てた息子にショックを受けているようでした。愛情と厳しさあふれるまなざしで、息子さんを見つめる。

その沈黙と、父親の堂々とした態度に耐えられなくなり、息子さんは「お父さん、申し訳ございませんでした」と深々と頭を下げました。

なんでも、妻がお金を欲しがり、生活費も異常にかかるようになり、切羽詰まっていたとのこと。腕や腹には妻から受けた暴力の跡があり、完全に支配されていることがわかったのです。

息子さんの話では「僕が妻の思い通りにしないと、子供たちが危ない」とのことで、弁護士さんを呼び、私たち探偵2名は、弁護士さんのクルマに乗り、玄一郎さんと息子さんはタクシーに乗り5人で自宅に向かいます。

息子さんと私たちが外で待っていると、2人の孫を連れた玄一郎さんが出てきました。

玄一郎さんは、息子さんと 2人の孫を弁護士さんが運転するクルマに乗せ、実家に戻りました。

その後、玄一郎さんから連絡がありました。

「息子と嫁は離婚する方向で話を進めています。嫁は見栄っ張りというか、いわゆる“銭ゲバ”だったんですね。最初はかわいい子だと思ったのですが、だんだん本性を現してきて、息子を支配していったようです」

息子さんに、玄一郎さんに恨みを持つようにたきつけ、合法すれすれの仕事を始めるように仕向けたのも妻だったとのこと。

「嫁は離婚したくないと言い、多額の慰謝料を吹っ掛けてきた。息子が働かないから、自分が働いて生活を支えていたと言っているそうです。子供たちの親権も手放したくないと言っている。しかし、子供たちが母親に会いたがらず……というか怯えている。体にも打撲の跡などもあり、心に深い傷が残っていることがわかるんです」

そう、深々とため息をついていました。

嫁から離れて暮らしてみると、1か月くらいで息子さん親子は元気を取り戻し、専門家のプログラムを受けながら、復帰しているとのことでした。

「子供たちは私の妻の食事を食べ、いとこたちと遊び、みるみる元気になっていきました。でも、何かの物音がするとビクッと反応したり、妻が頭を掻こうと手を上に上げると、“ごめんなさい”と泣き出す。ぶたれると思ったんでしょうね、可哀そうに」

今後については、「とにかく私は今まで通り良い仕事をしていくだけです。いずれ息子も会社に戻し、地方の工場の現場から始めてもらいます」と語っていました。

探偵・山村佳子
夫婦カウンセラー、探偵。JADP認定メンタル心理アドバイザー、JADP認定夫婦カウンセラー。神奈川県出身。フェリス女学院大学卒業。大学在学中に、憧れの気持ちから探偵社でアルバイトを始め、調査のイロハを学ぶ。大学卒業後、10年間化粧品メーカーに勤務し、法人営業を担当。地元横浜での調査会社設立に向け、5年間の探偵修業ののち、2013年、リッツ横浜探偵社設立。依頼者様の心に寄り添うカウンセリングと、浮気調査での一歩踏み込んだ証拠撮影で、夫婦問題・恋愛トラブルの解決実績3,000件を突破。リッツ横浜探偵社　http://www.ritztantei.com/