もふもふした大きな耳、つぶらな瞳、ゆったりした寝姿……コアラって見ているだけで癒されますよね。でも、どうしてオーストラリアにしかいないのか、なぜユーカリしか食べないのか、知っている人は少ないのではないでしょうか。
そんな知ってるようで知らなかったコアラの世界にどっぷり浸かれるのが『おいでよ! コアラ沼への招待状』(世界文化社)。監修者の早川卓志さんは、コアラは視野を広げてくれる特別な存在だと言います。生きものへの興味はもちろん、地球環境や動物園の意義や使命について考えるきっかけとなっているからです。
コアラの奥深い魅力を知ることで、地球の、動物の、そして私たち自身のこれからを考えてみてはいかがでしょうか。
今回は『おいでよ! コアラ沼への招待状』から、コアラを飼育している「淡路ファームパーク イングランドの丘」をご紹介します。国内ではここだけというからだの大きな南方系コアラに出会えます。
監修/早川卓志
ここでしか会えない命がある。淡路島の小さなイングランド

淡路島にある、イングランドの湖水地方をテーマにした農業公園。ウサギやヒツジなどの展示や、果物や野菜の収穫体験、ゴーカートなどのアトラクションも充実した場所です。「コアラの鼻くそ」や「コアラのクッキー」など、限定のお土産も人気です。のぞみ(南方系)、だいち(南方系)、ナギ、ウミ、ノゾム、ピーターの6頭を飼育中! 2026年2月現在。
ここがすごい! 国内ではここだけ! 南方系コアラに会える
南方系コアラは、北方系コアラよりからだが大きく、毛の色が濃いのが特徴。飼育員さんは「今いる南方系コアラたちは高齢なので、ぜひ実際に会いに来て、その記憶を心に刻んでほしい。インターネット上の印象とはちがう、生で見るからこそ感じられる特別な感覚がきっとあるはずです」と語ります。飼育の工夫として、南方系コアラが特に好むユーカリ「ゴニオカリクス」を与えているのもポイント。園の裏山の畑で、ほかのユーカリともあわせて、スタッフで栽培・収穫をしています。
ここがすごい! 注目! 愛とユーモアにあふれた展示!
子どもたちから寄せられる素朴な質問に、飼育員がユーモアを交えながら真摯に答える名物企画が大人気。『飼育員さんのすごいこたえ』シリーズ(ワニブックス)として書籍化もされているほどです。さらに、学生と共同で「動物を体感できる洋服」を考案したり、スタッフの手作り工作物を展示したりと、創意工夫にあふれた取り組みも魅力のひとつ。「動物にもっと興味をもってほしい」という飼育員さんたちの熱い気持ちが、園内のあちこちから伝わってきます。
園長が思い描く夢
「昭和62年に当園にはじめてオーストラリアから南方系コアラがやってきてから、これまでに12頭のコアラが来園、3頭の赤ちゃんが誕生して今日もその愛らしい姿を私たちに届けてくれています。しかし月日が流れ、日本にいる南方系コアラは当園にいる高齢の2頭のみとなりました。『10年後、20年後も南方系コアラを日本で見てもらいたい』『でも国内に繁殖のお相手がいない』『命を繋ぐ方法が見つからない』と悩む日が続きました。しかし、目の前で穏やかに過ごす2頭を見つめたとき、ここにいる2頭の『今』が大切であることに気づきました。現在は、繁殖に向けて海外協力を模索しながら、この子たちが、当園にいたお姉さんコアラ『みどり』のギネス長寿記録を更新するくらい、一日でも長く健やかに過ごしてほしいと願っています。そして一人でも多くの方に彼らの魅力を伝えられるよう、スタッフ一丸となって飼育方法や展示方法を日々磨いています」(大田康之園長)

【淡路ファームパーク イングランドの丘】
住所 兵庫県南あわじ市八木養宜上1401
電話 0799-43-2626
休園日 基本火曜日、年末年始、冬季メンテナンス期間
入園料 一般1,500円 ※そのほかの場合は公式サイトをご覧ください。
おすすめの時間帯 11時30分ごろ(お食事タイム)
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『おいでよ! コアラ沼への招待状』
監修/早川卓志
世界文化社 1760円(税込)

早川卓志
北海道大学 大学院地球環境科学研究院 助教。
アフリカ、オーストラリア、ブラジルなどと日本を結び、さまざまな野生動物の研究を牽引する注目の若手研究者。
ゲノムの視点から野生動物を研究する、新しい研究スタイルの確立を目指している。











