気を使う必要はなし？敬老の日は「何もいらない」シニアが過半数

今年の敬老の日は、９月17日。祝日法で敬老の日は９月の第３月曜日、多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う日としている。特に対象年齢などを定めているわけではないが、孫から祖父母へ、または子から親に、日ごろの感謝を伝えたり、長寿をお祝いしたりする方もいるかもしれない。しかし、一方で月曜日に固定したことで、ただの祝日となり、特別感がなくなったとの声もあるようだ。そんな「敬老の日」に関する調査を、オンライン総合旅行サービス「エアトリ」が行なった。その結果を基に、「敬老の日」に対して、どのような考えを持っているかや、実際、贈るなら何が喜ばれるのかを紹介していく。

昨年の敬老の日に贈ったものは？

祖父・祖母、父・母がいる人に対し、昨年の敬老の日に何か贈り物をしたかを聞いた。すると、過半数が「何もしなかった（54.6％）」と回答。以降「外食（14.8％）」、「ファッションアイテム（7.6％）」が続く結果に。敬老の日は特別何かしようと考える人は少数派のようだ。

敬老の日にもらいたいものは？

次いで、子ども・孫がいる人に対し、敬老の日に何をもらいたいか聞いたところ「何もいらない（52.7％）」が最も多かった。前問の昨年の敬老の日に何か贈り物をしたか聞いた質問でも「何もしなかった（54.6％）」が1位となっており、もらう側が何も求めない為「何もしない」人が多いのかもしれない。

一方で、昨年の敬老の日に贈った物で7番目に多かった「旅行」が、もらいたい物では2位（16.4％）に選ばれた。何もいらないが、もらうなら物より思い出・記憶に残るものというのが本音といったところか。

64歳以下に聞いた。理想の老後の過ごし方とは？

アンケートでは、敬老の日関連以外に、理想の老後の過ごし方も聞いている。

64歳以下の人にどんな老後の過ごし方が理想か聞いたところ、男女ともに「旅行に行く（男性：53.4％、女性：62.9％）」が最も多い回答となった。2位も男女で同じ回答となり「仕事をする（男性：14.2％、女性：8.0％）」が選ばれた。

「その他」の意見の中には、「趣味用の家を用意して没頭する。（50代男性）」「のんびり過ごす（50代女性）」「海外移住（40代女性）」などがあった。

65歳以上に聞いた。今、最も楽しいことは？

65歳以上の人には、今最も楽しいことを聞いている。理想の老後の過ごし方と同様に男女とも、「旅行に行く（男性：55.8％、女性：69.4％）」が1位だった。男性の2位以下は「スポーツをする（13.9％）」「仕事をする（7.3％）」「自己啓発をする（6.1％）」となり、女性の2位以下は「仕事をする（5.6％）」「自己啓発をする（5.6％）」「ボランティアをする（5.6％）」が並ぶ結果となった。

「その他」では、「ネットサーフィン（70代男性）」「パソコン（70代男性）」「いろいろな国の人と交流（70代男性）」など。

「敬老の日」は年配者の事を考えるきっかけにも！

最後に、「敬老の日」についてどのような考えがあるか聞いている。以下、集まった意見から抜粋して紹介する。

・月曜日に固定したせいか、ただの祝日として形骸化しているような気がする。（40代女性）
・存在感が薄いから、忘れそうになる。（20代男性）
・最近は敬老の日を特別に過ごすという感覚がないように思います。（60代男性）
・年配者を敬う気持ちを忘れることがないようにする社会でありたい。大切な祝日だと思う。（40代男性）
・自分の祖父母に連絡をしたりする良いきっかけになると思います。（30代女性）
・年齢を重ねると、欲が特になくなってくるように思います。なので、あえて日常とは違った旅行など刺激あるプレゼントをしたくなります。そのためには受け入れ先の施設や移動手段が高齢者に特化した環境・設備・サービス等あればとても嬉しいです。（40代女性）

「敬老の日」に対する意識が薄まり、ただの祝日と感じるという人がいる一方で、年配者の事を考える良いきっかけとして考えている人もいるようだ。

今回の調査では、“敬老の日は何もいらない”と思っている人も多かったが、そこには、年寄り扱いされたくない、気を使ってもらわなくてもいい、という考えがあるのかもしれない。いずれにしても「敬老の日」に限らず、人生の先輩方を敬う気持ちは、いつも持ち合わせていたい。

文／鳥居優美