京都には名高い神社仏閣、手入れの行き届いた庭園、美しい街並みがある。美的感性の高い街で今、美術館の新規開館、リニューアルオープンが続き、活況を帯びているのをご存知だろうか。京都だからこそ味わえるアートをテーマにした1泊2日の旅をご提案しよう。

■「京都らしさ」で出迎えてくれる旅の起点、「ホテル ヴィアイン京都駅八条口」へ

ゆったりとした寛ぎの時間を過ごせるロビー。

京都に宿泊するなら、京都駅からアクセスのいいホテルが旅の拠点としておすすめだ。中でも、「サライ.jp」は京都駅八条口から徒歩約2分と好アクセスの「ホテル ヴィアイン京都駅八条口」を推薦する。一般的なビジネスホテルとは一線を画すクオリティでありながら、懐に優しい宿泊費で、落ちついた空間と静かな時間が享受できる。

JR・近鉄・地下鉄・空港リムジンバスの発着が近く、好立地。駅正面のバスターミナルからは、人気観光スポットへの路線バスも運行している。

ホテルの入り口を抜けると、天然木の並ぶ落ち着いたロビーが広がり、フロントスタッフが旅人をあたたかく出迎えてくれる。

広々としたロビーの奥には京の町絵師・冬竒(ふゆき)氏による「四神の水墨画」が飾られており、早速京都の現代美術に触れることができる。碁盤の目に例えられる京都の街の四方を守る意味を込めて、青龍・朱雀・白虎・玄武が描かれている。

石壁には桜の彫刻が。間近で見ると、花弁の濃淡まで繊細に表現されている。反対側の壁には紅葉の彫刻もあり、京都らしい情趣に富む。

重い荷物を預けたら、京都・美術館の旅へいざ出かけよう。

■日本文化の新たな発信拠点、福田美術館

大堰川(おおいがわ)を臨む伝統的な京町家の意匠を取り入れた建物の設計は、東京工業大学大学院教授の安田幸一氏によるもの。

京都市街地の西南部、京都屈指の景勝地・嵐山に2019年秋に誕生したばかりの、福田美術館へ。江戸時代から近代にかけての日本絵画を中心に約1500点のコレクションがある。円山応挙、与謝蕪村、伊藤若冲ら江戸時代の絵師たちの作品をはじめ、近代京都画壇の巨匠・竹内栖鳳(たけうちせいほう)など、錚々たる名品が揃っている。

竹内栖鳳の「金獅子図」

竹久夢二の「切支丹波天連渡来之図(きりしたんばてんれんとらいのず)」

総面積約400㎡の3つの展示室では年4回の企画展が行われ、訪れる人の感性を常に刺激する。また、展示ケースのガラスは透過率がとても高く、ケースの壁面は最短30cmととても近いため、画家の筆致を間際で確かめることができる。
一部の作品を除いて展示品の撮影が可能なので、京都で触れた美を家まで思い出として持ち帰ることができるのもうれしい。
3月20日(金)からは「若冲誕生〜葛藤の向こうがわ〜」が開催される予定だ。

福田美術館の他にも3月21日(土)には、京都市街地北東部の岡崎に位置する「京都市京セラ美術館」がリニューアルオープンを控えている。京都の美術散策には持ってこいだろう。

■眠りの瞬間まで、京都の伝統工芸に触れる

美術館巡りを楽しんだ後は、ホテルの部屋に戻り、ゆっくりとベッドに横たわりながら京都美術の余韻に浸るのも贅沢だ。「ホテル ヴィアイン京都駅八条口」の客室はまるで自宅にいるかのような安らぎと京の心が味わえる部屋として評判が高い。

写真はデラックスツインルーム。靴を脱いで上がるフローリングタイプの部屋だ。洗い場付きバスルームになっているのもポイントが高い。

客室内でも京都美術を愛でることができるのでご紹介しよう。京の名工による金彩アート「絹ガラス」だ。ベッドヘッドボードのアクセントパネルとして施されている。合わせガラスに絹地の薄物が封入されているのだが、絹織物はあえて太細のある節糸を織り込んだ「霞絹」が選ばれ、天然素材の存在感を示している。きものと同様に、刷毛で手染めする引き染め技法で、墨色に染めた後、金や銀などの箔·金属粉をあしらう金彩工芸で檜扇(ひおうぎ)等が描かれている。

「扇流し図」と呼ばれる水面に扇を漂わせたものをモチーフに、京都のうつろいがダイナミックに表現されている。

部屋のタイプによって絹ガラスのデザインは異なる。こちらは平安時代の上流貴族が楽しんだ香遊びを表現した「源氏香」。すべて職人の手仕事による一点物だ。

伝統の手技が眠りにつくまで間近に感じられる。アート旅にふさわしい夜を過ごすことができるだろう。

■京野菜におばんざい、“京都”をたっぷりいただく朝食を

一夜を過ごした後は、1階のレストランでブッフェスタイルの朝食をいただこう。暖簾をくぐると、朝食のやさしい香りに包まれ、あたたかな雰囲気に自然と食欲もそそられてくる。京野菜を始め、地元の提携農家から仕入れた新鮮な野菜に、素材本来の味が引き立つおばんざい、京都の郷土料理や名物料理など約80種類もある品目が所狭しと並ぶ。

目の前で揚げてくれる京野菜の天ぷらが一番人気。旬の野菜の揚げたてを最高の状態でいただける。

京都料理を一挙に楽しむことができる、至福の時間を過ごせることだろう。

***

旬味でお腹が満たされたら、2日目も「ホテル ヴィアイン京都駅八条口」を起点に京都美術巡りへ。フロントに荷物を預けておけば、帰りの新幹線の時間まで身軽に古都散策を楽しむことができる。これも京都駅の近くに宿泊しているからこそのメリットだろう。
時間の許す限り、心ゆくまで京都を堪能してほしい。

■ホテル ヴィアイン京都駅八条口
【住所】京都市南区室町通針小路東入ル東九条上殿田町44-1
【Tel】 075−662−5489
【チェックイン】15:00
【チェックアウト】10:00
【宿泊料金】<シングル>8,000円~
<ダブル・ツイン>12,000円~(グレードにより異なります)
※京都市条例により宿泊税別途ございます。
【URL】www.viainn.com/lp/kyoto-h/
WEBより無料のメンバーズクラブに登録をしておけば、正午までチェックアウト時間が延びるなど、様々な特典がある。詳しくはこちら

■福田美術館
【住所】京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町3-16
【Tel】 075-863-0606
【開館時間】10:00~17:00 ※ご入館は16:30まで
【休館日】火曜日(祝日の場合は翌日)、展示替え期間、年末年始
【入館料】1,300円(一般)
【URL】https://fukuda-art-museum.jp

撮影/小林禎弘
取材・文/末原美裕

 

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