外出自粛で人々の生活リズムはどう変わったか｜ライフログデータ解析から見えたリアルな生活変化

最近、「体内時計」という言葉を耳にすることが多くなりましたが、それは体にどのように影響しているのでしょうか？
「体内時計」は、人の体の中にもともと備わっているもので、一定のリズムを刻んで、食事や睡眠などの１日の行動パターンに合わせて神経や内臓が働いたり休息したりできるように調節しています。
しかし、体内時計は、睡眠などの生活リズムや食事のタイミングが不規則になると乱れてしまいます。近年、この体内時計に関する研究が進み、「体内時計の乱れ」が肥満のリスクを高めたり、生活習慣病の発症や悪化などにも関わっているのではないかとも言われています。

そこで、株式会社おいしい健康では、食事タイミングなど生活リズムを記録するスマートフォンアプリを開発して、食生活習慣と心身の健康度を調査する研究を2018年から行っています。

そんな中、新型コロナウイルスの感染拡大をうけ、全国的に外出自粛が要請されました。
外出が制限されていた期間、人々の生活リズムはどのような変化があったのでしょうか。アプリに記録されたデータの解析から、外出自粛期間中の生活変化が見えてきましたので、今回はその調査結果をご紹介します。

起床時間が遅くなり、平均睡眠時間は約30分増加

2020年1月から4月までの平均起床時間は、昨年の同じ時期と比較して平均31分遅くなり、特に4月以降では1時間ほど遅くなっていました。平均就寝時間は、昨年と今年であまり変化がなく、就寝時間が変わらずに起床時間が遅くなっている影響からか、平均睡眠時間は2019年の7時間から、2020年では7時間26分へと増加していました。

夕食をとる時間が25分、早まる

食事のタイミングの変化でもっとも顕著だったのが夕食のタイミングです。夕食のタイミングは、昨年の同時期に比べて25分ほど早くなっていました。夕食のタイミングが早まったのは、在宅勤務などで通勤時間がなくなり、より早い時間に夕食を摂ることができるようになったからではないかと考えられます。
また、管理栄養士監修のレシピを提供するサービス「おいしい健康」の利用者が、この期間で2倍に増加したことから、夕食のタイミングが早まっただけでなく、自宅で料理をする機会も増えたことも想像できます。

男性の間食回数が増加。就寝前に間食してしまう傾向も

2020年では、2019年の同時期に比べ、1日あたりの間食の回数が平均14％増加しました。性別での内訳を見ると、男性では196％にまで増加した一方、女性では112％と若干の増加でした。男性の間食タイミングを調べたところ、21〜23時ごろに間食が増えている様子が伺えました。
夕食の時間が早まった一方で、就寝時間にはほとんど変化が見られなかったため、その間を過ごす際に起こる口寂しさや空腹などから「寝る前の間食」が増えてしまったと考えられます。

いかがでしたでしょうか？外出自粛が生活リズムや食事のリズムに変化をもたらしたことがわかりました。新しい生活様式での生活リズムの変化に合わせて食生活を見直すなど、より良い生活を健康的に過ごすためのきっかけにできればいいですね。

「ライフログ解析による、外出自粛後の生活変化」
【調査概要】
株式会社おいしい健康が提供するスマートフォンアプリ「食べリズム」より、2019年1月〜4月（460名）、2020年1月〜4月（654名）のデータ集計・比較した
【ユーザー属性】
・女性：80.5%、男性：19.5%
・20代：56.3%、30代：20.6%、40代：14.4%、50代以上：8.7%
【調査主体】
株式会社おいしい健康
【報告資料】
https://corp.oishi-kenko.com/news/20200602.html

編集／おいしい健康編集部
監修／おいしい健康管理栄養士

株式会社おいしい健康
「誰もがいつまでも、おいしく食べられるように」という理念のもと、ITを活用したヘルスケア事業や生活メディア事業を展開しています。主なサービスとして、病気の予防・管理、ダイエットなどを目的とした管理栄養士監修のレシピ検索・献立作成サービス「おいしい健康」を運営。社内には、サービスの監修や向上にあたる管理栄養士が複数在籍しており、食や健康に関する情報をエビデンスに基づき正確にわかりやすく発信しています。

おいしい健康：https://oishi-kenko.com/