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痩せにくくなった、腰や膝の痛みが消えない、転びやすくなったなど、年齢を重ねるとともにからだの衰えを感じることは多いと思います。「もう年だから仕方ない」と思っていませんか。

「諦めるのはまだ早い! 筋肉は何歳からでも鍛えることができます」と教えてくれたのは、体幹トレーニングの第一人者で、トップアスリートからの信頼も厚い木場克己さん。からだを支える根幹である体幹を整えるだけで、からだそのものが変わると言います。

今回は木場さんの著書『長生きの秘訣は体幹にありました』(宝島社)から、日常生活に取り入れやすいちょっとした運動をご紹介します。「塵も積もれば山となる」――習慣化することで体幹を刺激しましょう。

文/木場克己

チリツモを習慣にしていくコツ

トレーニング初心者さんにおすすめなのは簡単なエクササイズを日々の習慣と合わせて日常に取り入れること。体幹は刺激し続けることでスイッチが入ります。できそうなものから、チリツモトレーニングしていきましょう。

運動を始めようと思って、3日坊主で挫折する人多いですよね。継続や習慣にするというのは私たちにとってハードルが高く、日常の暮らしに根付くには3か月の継続が必要といわれています。では、どうやって習慣にしていくか、そのポイントをご紹介します。

すでにある習慣と結びつける
習慣化させたいことは、今ある習慣に結びつけるのが一番効率よい方法です。歯磨きのついでに、お風呂の中でなど、毎日の行動とセットにして行うのがおすすめです。

Bプランを決めておく
決めたことを実践できないと落ち込んで、諦めにつながります。それを防ぐためにBプランを決めておきましょう。朝できなかったら夜やるなどバックアップのプランがあると継続しやすくなります。

朝のチリツモ習慣

朝起きたら、顔を洗って歯を磨いて朝ごはんを食べて……朝はやることが大体決まっていますよね。ということは、ここにチリツモトレーニングを差し込むとぐっと習慣になりやすくなります。朝から体を動かすことで活動しやすい体にもなって、一石二鳥です。

朝、トイレのあと外の空気を吸いながら「腰グルグル」

腰周りを刺激して胃腸の働きも促進
寝ている間は体が凝り固まっている状態。目覚めたら最初に簡単に体を刺激したいところ。そこでおすすめなのが腰回しです。起床後、トイレを済ませたら窓を開けて新鮮な空気を吸いながら、腰を回しましょう。腰周りの筋肉がゆるむと、胃腸の働きもよくなります。食後などにもおすすめです。

【エクササイズのやり方】
腰骨に手を当てて、できるだけ大きく腰を回す。左回り、右回りどちらも行おう。お腹は凹ませながら行なうと、効果がアップします。

おでかけ中のチリツモ習慣

外出しているときも、実は体幹トレーニングはできます。歩く、階段を上る、坂を下るなど、家にいるときとは違う動きをするので、体幹を意識することで、効率よく体幹トレーニングができます。

体幹を鍛えられる「ウオーキング」

おでかけ中は歩き方を意識して体幹力を上げよう
健康のために日頃から歩くことを意識している人は多いはず。ただ歩くだけではなく、歩き方を変えると筋肉の鍛えられ方が変わります。ぜひ正しいウオーキングの仕方を身につけましょう。

【エクササイズのやり方】
正しいウォーキングは、1本の線の上を歩くイメージで、お腹にしっかり力を入れて歩きます。歩幅は自分の足が1〜1.5個分入るくらいのやや大股です。ちょこちょこ歩きは姿勢を崩す原因になるので注意しましょう。

家で過ごすときのチリツモ習慣

外出から帰ってから、1日家でくつろぐときなど、家の中には体幹トレーニングできる習慣がたくさんあります。特別に時間をもうけなくても、できることから取り入れていきましょう。

お湯を沸かしている間に「片脚ブラブラ&グルグル」

キッチンの待ち時間は絶好の体幹アップタイム
台所に立っていて、お湯を沸かしたり煮物の様子を見ていたりするときには、お尻の体幹を鍛えるトレーニングを。壁や台などに手をついて脚を動かすだけの簡単なやり方ですが、お尻の筋肉は体幹と連動しているので、刺激することで全身の体幹力がアップします。

【エクササイズのやり方】
・片脚ブラブラ
壁や台に片手をついて立ち、自然に呼吸をしながら反対側の脚を3秒間で横に上げ、3秒間で下ろす。左右5回ずつ。

・片脚グルグル
壁や台に片手をついて立ち、自然に呼吸しながら、反対側の脚を3秒間で外回しを3回、内回しを3回。反対の足も行いましょう。

入浴中のチリツモ習慣

入浴で体を温めることは筋肉の血行をよくして、鍛えやすい体になります。1日体を使って凝った部分をゆるめながらトレーニングしましょう。リラックスも大事なので頑張りすぎないように!

湯船につかりながら「首ほぐし」

首を上下左右に動かして
1日の疲れをとる10kg近い頭を1日支え続けてくれた首をいたわるように、首をほぐしてあげましょう。首の凝りを溜めない習慣が、よい姿勢・体幹づくりには欠かせません。

【エクササイズのやり方】
顔を正面に向けた状態で、頭に手を当てて、首を手のほうに自然な重みで傾けて首を伸ばす。反対側も同様に。次に、首をまっすぐな上体から前に倒して、そこから後ろにも傾けて伸ばします。このときにに両肩をギュッと上げて肩の筋肉を一緒にほぐしましょう。

寝る前のチリツモ習慣

寝る前は、激しい運動をすると逆に眠れなくなるので、疲れた体をほぐしたり、伸ばしたりしてリラックスさせるように意識しましょう。筋肉が疲れすぎていると寝つきが悪くなりますから、よく体を動かした日や、疲れている日ほど寝る前に簡単なストレッチをするのがおすすめです。

寝る前には全身の疲れをとる「背中伸ばし」

重力に戦い続けた背中をいたわり腰痛の改善にもなる!
立っている間に体は、常に重力と戦っています。首や肩、背中は頭を支えて姿勢を維持するために、とても働いてくれている場所。寝る前には、詰まった部分をしっかりほぐしてあげましょう。背中がゆるむとよく眠れて、次の日に疲れが出にくくなります。

【エクササイズのやり方】
仰向けに寝た状態で、同じほうの片膝と片腕をあげる。その状態で、背中から腰を寝床に押し付けるようにしてそこから腕と脚を上下にしっかり伸ばす。反対側も同様に。左右各5回ずつを目安に。

* * *

『長生きの秘訣は体幹にありました』(木場克己 著)
宝島社

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木場克己(こば・かつみ)
1965年生まれ。鹿児島県出身。一般社団法人JAPAN体幹バランス指導者協会会長。柔道整復師・鍼灸師・健康運動指導士・日本体育協会アスレティックトレーナー。体幹トレーニング第一人者としてKOBA☆トレを確立する。サッカー、水泳、陸上など、あらゆる競技の名だたるトップアスリートのトレーナーほか、有名アーティストのサポートも務める。多くのテレビ出演、雑誌メディアでも活躍。企業での健康講演会、教育現場での体育指導など幅広い分野で健康を広める活動を行っている。また、体幹トレーニング関連書籍は子ども向け、アスリート向け、女性の美BODYづくり、健康年齢についてほか、あらゆる年齢層に向けた分野で監修。その数は50冊以上、累計発行部数は230万部を突破。

 

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