痩せにくくなった、腰や膝の痛みが消えない、転びやすくなったなど、年齢を重ねるとともにからだの衰えを感じることは多いと思います。「もう年だから仕方ない」と思っていませんか。
「諦めるのはまだ早い! 筋肉は何歳からでも鍛えることができます」と教えてくれるのは、体幹トレーニングの第一人者で、トップアスリートからの信頼も厚い木場克己さん。からだを支える根幹である体幹を整えるだけで、からだそのものが変わると木場さんは言います。
今回は木場さんの著書『長生きの秘訣は体幹にありました』(宝島社)から、体幹が弱いことで起こりがちな不調についてご紹介します。年のせいにしていた体の不調が、体幹を鍛えれば解消されるかもしれません。
文/木場克己
腰痛になりやすい
体幹が弱いと正しい姿勢を維持できずに、自分はラクだと思っていても体にはかなり負担がかかっている体勢をとっています。その結果、腰痛を招くことも。腰が痛いということは日常生活においてかなり不便です。長年の患いになる可能性も。
何もないところでつまずく
よく転ぶ、何もない平坦な道で何かにつまずいたようにつんのめることがある。これは、体幹が弱くなって足がきちんと上げられない、動かせないことに原因があることがあります。特に年齢を重ねていくと、骨も弱くなっていてちょっとした転倒から骨折して寝たきりになってしまう場合もあります。
便秘になる
体幹の筋肉が弱く緊張で凝り固まった状態では、血流やリンパの流れが滞り、その中におさまっている内臓が正しく働けない状態に。便秘で悩んでいる人にも、実は体幹が弱い人が多いのです。
すぐ疲れる
体幹は、私たちが生きていくうえでさまざまな動作をサポートしてくれています。体幹が弱いと、座る、立つといった日常的な動作でさえも、負荷が大きくなり、疲れやすい体になってしまいます。
お腹が出る
太っているわけではないのに、お腹がぽっこり出ている人がいますよね。これも体幹力低下が原因です。お腹には腹圧というのがあり、それはお腹の内部に圧力をかけて支えているガードルのような存在。体幹が弱まると腹圧も弱くなって、抑えきれなくなり、お腹がぽっこりと出てしまうのです。
ケガをしやすくなる
体幹が弱いということは、体のバランスが悪いということ。くしゃみやつまずきもそうですが、突発的な動きをしなければいけないときに体をうまく支えられない、使えない状態になって、ケガをしやすくなってしまいます。
くしゃみや咳で体が痛い
くしゃみをすると背中や腰に痛みが走るという人も、体幹力の低下が原因。くしゃみは、横隔膜が収縮します。横隔膜を守るのが肋骨(ろっこつ)ですが、これが猫背になっていると横隔膜や肋骨の動きを阻害するために、くしゃみの衝撃を吸収できずに痛みを起こします。
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『長生きの秘訣は体幹にありました』(木場克己 著)
宝島社
木場克己(こば・かつみ)
1965年生まれ。鹿児島県出身。一般社団法人JAPAN体幹バランス指導者協会会長。柔道整復師・鍼灸師・健康運動指導士・日本体育協会アスレティックトレーナー。体幹トレーニング第一人者としてKOBA☆トレを確立する。サッカー、水泳、陸上など、あらゆる競技の名だたるトップアスリートのトレーナーほか、有名アーティストのサポートも務める。多くのテレビ出演、雑誌メディアでも活躍。企業での健康講演会、教育現場での体育指導など幅広い分野で健康を広める活動を行っている。また、体幹トレーニング関連書籍は子ども向け、アスリート向け、女性の美BODYづくり、健康年齢についてほか、あらゆる年齢層に向けた分野で監修。その数は50冊以上、累計発行部数は230万部を突破。