とくに理由があるわけでもないのに、なんだか疲れる、やる気が起きない。そうした、病気というほどではない「からだや心の不調」を自分で整えられたら、もっと毎日が過ごしやすくなると思いませんか。
そこで、久保奈穂実さんの著書『1日ひとつ、疲れが消える おいしい漢方365』より、日々のちょっとした不調におすすめの、セルフケアや養生レシピをご紹介します。SNSでも大人気の漢方アドバイザー、久保奈穂実さんは子供のころは胃腸が弱く、アトピー性皮膚炎で悩まされていたそうです。そんな自身の過去の体験や、年間約2000人という漢方相談を受けた知見をもとに、「これならできそう」と思えるような優しい養生法をまとめています。
11月は、滞りやすい血の巡りをよくするアイデアをご紹介します。小さなことからはじめる“おおらか漢方生活”。お花に水をあげるように、自分のからだや心を少し労わってみませんか。
文/久保奈穂実
卵とえのきでうるツヤ髪に
空気の乾燥とともに髪のパサつきが気になる時期。今から潤しておかないと、マフラーの季節になったら静電気でさらに大変なことに。「卵とえのきのウルウル炒め」を食べて予防しましょう。
卵とえのきは、血と潤いを補う組み合わせ。髪を内側から潤し、抜け毛予防にもよい組み合わせです。ごはんにのせて、「えの卵丼」にしてもおいしいですよ。しっかり食べて、冬もうるツヤ髪をキープしましょう。
卵とえのきのウルウル炒め
1.フライパンに油を熱し、えのき半束を半分に切って入れ、しんなりするまで炒めて一度取り出す。
2.もう一度フライパンに油を熱し、溶き卵2〜3個を入れ、少し固まってきたら(1)を加えてサッと混ぜ、オイスターソースとごま油を加え、和えたらすぐ器に盛る。手早くサッと調理して、卵が固まり過ぎないようにするのがポイント。
小豆(あずき)カイロで血流改善
寒さで血が滞り、体が力んで肩こりや生理痛の悪化に悩んでいませんか。
お助けアイテムに「小豆カイロ」が役立ちます。市販の小豆カイロを肩やお腹にのせておくだけ。ジワーッと蒸気が出て優しく温まり、血流が改善し、こりや痛みの緩和につながります。
私は朝メイクをするときにお腹にのせています。お腹がポカポカしてくると顔色もよくなり、化粧のりがよくなります。余裕があればフェイスラインも温めましょう。美容に効果的な天容(てんよう)というツボがあるので、たるみがキュッと引き締まります。
爪がもろくなったら「小松菜とツナのレモン醤油和え」
爪がパキパキと割れやすくて伸ばせない。二枚爪にもなりやすく、常に縦線がくっきり。こんな爪のもろさは、中医学的には血虚(けっきょ)のサイン。
補血効果のあるツナと、小松菜を組み合わせた「小松菜とツナのレモン醤油和え」で養生しましょう。レモンの酸味で肝(かん)に血が蓄えられ、効果がアップ。爪が丈夫になり、巻き爪やささくれの改善にもつながります。
ネイルは、爪をどんどん弱らせてしまうので、しばらくお休みに。まずは内側からケアをしてツヤツヤな指先をとり戻しましょう。
小松菜とツナのレモン醤油和え
1.小松菜をサッと塩ゆでして食べやすい長さに切る。
2.(1)の水気を絞ってボウルに入れ、ツナと塩昆布を加え、レモン汁と醤油で和える。ノンオイルのツナがおすすめです。
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『1日ひとつ、疲れが消える おいしい漢方365』
著/久保奈穂実
世界文化社 1760円(税込)
久保奈穂実(くぼ・なおみ)
国際中医薬膳管理師。漢方アドバイザー。成城漢方たまりで年間約2000人の漢方相談・薬膳講師を行う。女子美術大学造形科卒業。芸能・音楽活動を行い、ハードな生活で身体のバランスを崩す。漢方薬に助けられた経験から興味を持ち、イスクラ中医薬研修塾にて中医学を学ぶ。SNSにて発信するやさしい養生知識や、カンタン薬膳レシピが大人気。総フォロワー約9万人。