今なお世界的に活躍するファッションデザイナー、コシノジュンコは、高校時代に画家をめざしますが、その後服飾を学ぶため文化服装学院に進みます。同期には高田賢三や松田光弘、金子功ら後のファッション界をリードする人たちがおり、彼らと切磋琢磨し世界に飛び出します。
また、NHKの連続ドラマ「カーネーション」(2011~2012年放映)では、日本のファッションデザイナーの草分けといわれる母の綾子、姉のヒロコ、妹のミチコとともに物語のモデルにもなりました。コシノの活躍は今や誰もが知るところです。
あべのハルカス美術館の「コシノジュンコ 原点から現点」は、コシノジュンコの全貌を紹介する展覧会です。(11月23日~2024年1月21日)
本展の見どころを、あべのハルカス美術館の学芸員、 横山志野さんにうかがいました。
「大阪・岸和田に生まれ、今もなお新たな創造に挑み続ける世界的ファッションデザイナー、 コシノジュンコの活動の全貌を紹介する過去最大規模の展覧会です。
コシノは1960年、新人デザイナーの登竜門といわれる「装苑賞」を史上最年少で受賞。ファッションデザイナーとしての一歩を踏み出してから、瞬く間にその活躍を日本だけでなく世界へと広げていきました。本展は、衣装やデザイン画、写真パネルや映像演出など約200点をとおしてコシノの「原点から現点」を辿ります。
今回は造作にもこだわりました。会場をランウェイやステージに見立て約100着の衣装を一堂に展観します。当時のショーの映像とともに、コシノの世界を体感いただけるのも見どころの一つです。作品から放たれる力強さや躍動感は、観る者を鼓舞するだけでなく、コシノの創造の世界が「原点から現点」、そして「未来」へ続いていくことを実感いただけると思います。
「人との出会いがクリエイティブの原点です」とコシノは言います。彼女の集大成となる本展をご覧になった皆さまの中にも、新たな出会いや創造の世界が広がっていくことを願っています」
今もアグレッシブに創造する情熱を感じることのできる展覧会です。ぜひ会場にお運びください。
【開催要項】
コシノジュンコ 原点から現点
会期:2023年11月23日(木・祝)~2024年1月21日(日)
会場:あべのハルカス美術館
住所:大阪府大阪市阿倍野区阿倍野筋1-1-43 あべのハルカス16階
電話:06・4399・9050
美術館公式サイト:https://www.aham.jp/
開館時間:火~金曜日10時~20時、月・土・日・祝は~18時(いずれも入館は閉館30分前まで)
休館日:11月27日(月)、12月31日(日)、2024年1月1日(月・祝)
料金:公式サイト参照
アクセス:公式サイト参照
取材・文/池田充枝