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書は人なりと言います。書いた文字には、その人の性格や人柄が表れるということでしょう。

森鷗外、夏目漱石、芥川龍之介、太宰治など文学史に名を残した文豪たちはどんな文字を書いていたのでしょうか。

また、そこから見ることができる人柄とか事柄は、どんなものでしょうか。

山梨県立文学館開催の「特別展示 文豪の筆跡―館蔵の名品から―」は、文豪の筆跡を一堂に会し、解説する展覧会です。(5月1日~6月11日)

森鷗外「灰燼」第1回原稿(「三田文学」第2巻第10号 1911(明治44)年10月掲載)(部分)
山梨県立文学館蔵

本展の見どころを、山梨県立文学館の学芸主幹、高室有子さんにうかがいました。

「山梨県立文学館は、日本有数の規模を誇る芥川龍之介のコレクションを始め、樋口一葉、太宰治など、近代文学史にその名を刻む文豪たちの資料を多数収蔵しています。特別展示「文豪の筆跡」では、選りすぐりの逸品を紹介します。

芥川龍之介「諸君は何の為に文章を作るや」書 山梨県立文学館蔵
太宰治「井伏鱒二宛書簡」1936(昭和11)年9月15日消印 (部分)
山梨県立文学館蔵

芥川龍之介の「諸君は何の為に文章を作るや」の書は、芥川らしい端正なたたずまいを感じさせます。対して、太宰治が井伏鱒二に送った巻紙の書簡は、気持ちのほとばしるままに書いた疾走感に溢れています。

夏目漱石「白仁三郎宛書簡」 1907(明治40)年3月11日 末尾部分と封筒 山梨県立文学館蔵

夏目漱石が教師の職を辞し、朝日新聞の専属作家になるにあたって書いた白仁三郎宛書簡では、創作はすべて朝日新聞に掲載すると約束する一方、分量や回数は任せて欲しいこと、月給の他に盆暮の賞与もつけることなど、現実的な注文をこまかく記しています。筆一本で立つという漱石の覚悟がうかがわれます。

正岡子規「財布賛」軸装 1902(明治35)年1月 寄託資料 山梨県立文学館蔵

この他、正岡子規最晩年の書や森鷗外の鉛筆書きの原稿、田山花袋の雑誌の立案書などを展示します。個性豊かな作家の筆跡とその背景のドラマを味わっていただければと存じます」

書簡や原稿から文豪の諸事情もうかがえ興味は増します!! ぜひ会場でご堪能ください。

【開催要項】
特別展示「文豪の筆跡―館蔵の名品から―」
会期:2023年5月1日(月)~6月11日(日)
会場:山梨県立文学館 展示室C
住所:山梨県甲府市貢川1-5-35
電話:055・235・8080
公式サイト:https://www.bungakukan.pref.yamanashi.jp
開館時間:展示室9時から17時まで(入室は16時30分まで)
     閲覧室9時から19時まで(土・日・祝日は18時まで)
休館日:月曜日(5月1日は開館)
料金:公式サイト参照
アクセス:公式サイト参照

取材・文/池田充枝

 

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