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健康志向の女性たちに関心の深いアロマテラピーは、植物から抽出した精油など、芳香性物質を利用してストレスを軽減して心身の健康をはかる療法です。アロマ(aroma)とは「芳香、香り」「(芸術品などの)風格、気品、趣」(ジーニアス英和辞典)とあります。アロマが風格、気品、趣を意味するというのは興味深いところです。

人々の生活の場や日常にあふれる香りですが、日本では古来より清めや教養の場で重要な役割を担ってきました。日本人と香りの文化に焦点をあてた展覧会が開かれています(2023年3月26日まで)。

輪蝶祇園守紋蒔絵婚礼調度 香道具 江戸時代 林原美術館蔵

本展の見どころを、林原美術館学芸員の槌田祐枝さんにうかがいました。

「日本における香りの文化はいつから始まるのか、そのルーツはおよそ1400年前の仏教伝来にあると考えられています。香りの利用は時代の変遷とともに多様化していき、邪気を払い心身を清めるお守りや病魔を払う香薬のほか、衣服の芳香・防虫香として、さらには品格をあらわす教養・嗜みとして重視されるなど、用途にあわせた「香」が求められるようになります。

都卒内院浄土図 江戸時代 林原美術館蔵
浜千鳥蒔絵阿古陀形香炉 江戸時代 林原美術館蔵

本展は、「祈りの香」「防虫と芳香」「香の教養」「文学と香」「芸術と香」の5つのテーマを軸に館蔵資料を紹介する企画展です。

岡山藩主池田家に伝わる仏教関連の香道具をはじめ、防虫や残り香を楽しむために香木片や匂い袋を忍ばせた書画や甲冑のほか、源氏物語、枕草子の香りにまつわる資料など、日本の豊かな美意識によって育まれた“薫香のたしなみ”を展観します。

匂袋(藤袴、富士の若松) 江戸時代 ※立涌文威二枚胴具足の附属品 林原美術館蔵

また、本展特別企画として、限定個数ですが香りに関する記念品をプレゼントいたします。詳しくは林原美術館HPよりご覧ください」

諫鼓鳥香炉 正阿弥勝義作 明治40年(1907) 林原美術館蔵

香りの歴史を知ることで日本人の美意識にも触れることができます。ぜひ会場に足をお運びください。

【開催要項】
企画展 薫香のたしなみ
会期:2023年1月14日(土)~3月26日(日)
会場:林原美術館
住所:岡山県岡山市北区丸の内2-7-15
電話:086・223・1733
公式サイト:https://www.hayashibara-museumofart.jp
開館時間:10時~17時(入館は16時30分まで)
休館日:月曜日
料金:公式サイト参照
アクセス:公式サイト参照

取材・文/池田充枝

 

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