ミリオンセラーの『どうぞのいす』(ひさかたチャイルド)や、1971年から小学校の国語の教科書に掲載されている「くじらぐも」(光村図書出版)の絵などで広く親しまれている絵本作家・柿本幸造(1915-1998)。
![](https://serai.jp/wp-content/uploads/2023/11/d1c66fdb228c2c1b6b1ca2f01660d4a0-640x523.jpg)
広島県出身の柿本は、上京後広告関係の会社に勤め、1954年から月刊絵本の挿絵を手掛けるようになります。
ひろしま美術館で開催の「ひだまりの絵本作家 柿本幸造展」は、柿本の原点であるデザイナーの仕事から、代表作に至るまで、多彩な原画でその幅広い創作世界を紹介する展覧会です。(11月11日~2024年1月14日)
![](https://serai.jp/wp-content/uploads/2023/11/5cd3c227c36bc39ca6ae784e639879a3.jpg)
本展の見どころを、ひろしま美術館の学芸員、森静花さんにうかがいました。
「柿本幸造は、広島県安芸高田市吉田町出身の絵本画家です。『どうぞのいす』や「くじらぐも」などの有名な物語の挿絵を手掛けたことで知られています。
![](https://serai.jp/wp-content/uploads/2023/11/52a51b2767f5232f3ba699a6ae6591d9-640x478.jpg)
しかし彼の画業はそれだけにとどまらず、生涯に膨大な量の仕事を手掛けてきました。そのひとつひとつが、じっくりと絵具を重ねることで生み出され、そのあたたかい世界観が、多くの人々を惹き付けてやみません。
特に、彼の描きだす秋の風景は、編集者の間で「柿色」と称されており、出品作の「まいごの おうちは どこかしら」には、赤々と色づく秋の山の風景が、優しく描きだされています。
![](https://serai.jp/wp-content/uploads/2023/11/751d853d637a38d53bb593f912aa6e31-640x404.jpg)
本展は、ひろしま美術館が企画したオリジナルの展覧会です。広島に関係する参考資料も展示されるほか、故郷を思わせる風景を多数描いた『にじのひろば』の表紙絵の展示も見どころのひとつです。
![](https://serai.jp/wp-content/uploads/2023/11/59ca509254a44f4e05bfa26b307ef875-640x685.jpg)
この時期に、この会場でしか見ることのできない柿本幸造の作品の素晴らしさを、ぜひ多くの方に知っていただきたいと思っています」
ひだまりが恋しい季節にふさわしい心温まる作品が並びます。ぜひ会場に足をお運びください。
![](https://serai.jp/wp-content/uploads/2023/11/2dd77f60c321c64f01513a4d66cf975d-1-640x323.jpg)
【開催要項】
ひだまりの絵本作家 柿本幸造展
会期:2023年11月11日(土)~2024年1月14日(日)
会場:ひろしま美術館
住所:広島県広島市中区基町3-2
電話:082・223・2530
公式サイト:https://www.hiroshima-museum.jp
開館時間:9時~17時(入館は16時30分まで)
休館日:年末年始(12月29日~1月2日)
料金:公式サイト参照
アクセス:公式サイト参照
取材・文/池田充枝