暮らしを豊かに、私らしく

文・写真/小島瑞生(海外書き人クラブ/スイス在住ライター)

自然が多く、牧歌的風景も多いスイスといえば、アルプスの牧場に咲き乱れる色とりどりの野花を思い浮かべる人もいるかもしれません。実際この国でも花や木々に囲まれて暮らすのを好む人は多く、春先のガーデニングシーズンになれば、どこのホームセンターも大賑わいとなります。

その一方で、ガーデニングができる広さの庭やベランダ、テラスがない人、そして花は好きだけど世話をするのは苦手、という人もいます。

いつでも誰でも利用できる、「セルフサービス」の花屋

実は私自身、花が好きなのに花を育てるのはお世辞にも得意とはいえず、何でも枯らせてしまうタイプ。そこでそんな私が時々利用しているのが「セルフサービス」の花屋です。

花畑に立つ「花 セルフカット」と書かれた看板。

これは花畑に植えられた様々な種類の花から、自分が欲しい分だけ切って買って帰ることができる花屋で、「セルフカット花屋」と呼ばれることもあります。スイスのちょっと鄙びた地域に行くと、こういった花屋をちょくちょく見かけます。

どうやって花を買う?

私が気に入っている「セルフサービス」の花屋は2つあり、たまたまそばを通りかかった時や、その時の気分によってどちらで花を買うか決めています。販売方法も花屋によって微妙に異なり、同じ種類の花の列ごとに花の名前と1本当たりの値段が書かれた札が立っている場所もあれば、料金を払う箱のところに花の値段表を貼ってある所もあります。

ここはグラジオラスの値段が1本1.20スイスフラン(約197円)、10本以上で1本1スイスフラン(約164円)※レートは2023年9月現在。

そして客は選んだ花の種類、本数に応じて設置された箱にお金を入れる、というシステム。切り花用のハサミやカッター、不要な茎・葉などを処分するためのゴミ箱、さらに花を包む古新聞などを備えている所もあり、かなりの気配りぶりです。

花用の作業台、そしてドラム缶の上にはお金を入れる容器が。

「セルフサービス」の花屋の利点

どんな花がどれだけ咲いているか、花畑を見て歩くのも楽しい。

「セルフサービス」花屋の利点といえば、何と言っても町の花屋で購入するより鮮度が高いことでしょう。物価の高いスイスで値段もお手頃ですし、エコでサステナブル。それに広い花畑の中を歩き回って自分のお目当ての花を探していると、何だか自分の庭の花を摘んでいるような気分になれます。

特に春から夏の終わりはシーズンとなるため、週末になると多くの人がハサミを片手に花畑へやってきます。一家総出で訪れる人たちや、一人でぱぱっと花を選んで買っていく人など様々。

先日訪れた「セルフサービス」花屋では、70代ぐらいの男性が一人でたくさんのダリアの花を選んで素敵な花束にしていましたし、また別の日には60代ぐらいの女性が、つぼみの多いヒマワリを何本か切っているのを見かけました。

色鮮やかにダリアや百日草が咲く「セルフサービス」の花屋。
ヒマワリを買って帰る女性。

花のシーズンが終わった後は

しかし花の季節が終わる晩秋以降になったらどうなるのでしょうか。

秋の深まる頃、いつもの花畑の前を通りかかったら、色とりどりのカボチャが目に入りました。この時期からはカボチャを販売する「セルフサービス」花屋も出てきます。

あらゆる種類のカボチャが大集合。

さすがに花のように“セルフカット”とはいきませんが、様々な種類のカボチャが所狭しと置かれているのを見ると、季節の移り変わりを直接感じることができ、さらに今度は新鮮なカボチャを買うこともできるとあって、週末は相変わらず多くの人でにぎわうのでした。

文・写真/小島瑞生(スイス在住ライター)
1998年~2009年までアイルランドで暮らした後、2009年からスイス在住。スイスなど欧州の国々のさまざまな興味深い情報を雑誌やウェブサイト、ラジオ等のメディアにて発信中。世界100ヵ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ(https://www.kaigaikakibito.com/)」会員。

 

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