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ご存じでしたか? 和食に和風だしがあるように洋食には洋食に合うだし「洋風だし」があることを。だしを使うと、シンプルな料理も深みのある味わいになるのは和食でも洋食でも同じです。

神奈川県小田原のイタリアン「イルマーレ」は地元・小田原産の魚介類と野菜をいかしたオリジナリティあふれる料理が人気。オーナーシェフ・依田隆さんは、最近ではJR東日本が運行する周遊型寝台列車「TRAIN SUITE 四季島」の料理人としても活躍されています。

そんな依田隆さんが開発した秘伝の「洋風黄金だし」を使えば、いつもの食材が「絶品料理」に生まれ変わるそうです。そこで今回は依田さんの著書『ちょっとていねい、すごくおいしい 洋風だしレシピ』(あさ出版)から、「あさりだし」の取り方と、そのあさりだしを使った茶碗蒸しの作り方をご紹介します。

世界のトップシェフたちも使いこなすという「だし」。ちょっと手間はかかりますが、きっと、思った以上の美味しさに出会えるはずです。

文/依田隆

あさりだしをとる

step1.あさりだしの材料と道具を用意する

【材料】
あさり(殻付き)…1kg
※小さめサイズでOK。
水…あさりがしっかりと浸る分量で(2〜3L程度)
※鍋の大きさによって増減します。加減して調整を。
塩(砂抜き用/水500mlに対し塩大さじ1程度)

【道具】
バット

ふた
レードル(お玉)
アルミホイルまたは新聞紙
ザル
ボウル
キッチンペーパー

[保管・保存のために]
ファスナー付密閉袋、密閉容器

step2.あさりの砂を抜く

1.殻の表面の汚れを取り除くため、あさりを両手ではさみ、こすり合わせて水洗いをする。
※スーパーで入手したものはそれほど汚れていないので、さっと水洗いするだけでOK。

2.バットにあさりを並べ入れる。それぞれが重ならないよう、平たく並べ、「3パーセント濃度の塩水」に浸す。
※500mlの水に対し、塩大さじ1程度を加えると海水と同じ3パーセントの塩水になる。

3.アルミホイルや新聞紙などをふたのようにかぶせて、室温で1時間ほどおき砂を抜く。

4.砂抜きしたあさりは、水を捨ててザルにあげ、さらに30分ほどおく。

「だし」をとったあとに、身を佃煮にするため、砂抜きは丁寧に!

step3 【あさりだし】をとる

1.鍋に、砂抜きしたあさりを入れ、水を注ぎ、強火にかける。

2.沸騰し、アク(写真の白い泡)が出てきたら、レードルなどでていねいに取り除き、ふたをして、弱火にかける。あさりの口が開いてきたら火を止める。

3.ボウルにザルをおき、汁ごと流し入れ、あさりと汁とに分ける。

4.大きめのボウルに、容器をセットしてキッチンペーパーをおき、そこに3で取り分けた汁を注ぎ、ゆっくりとこす(これが【あさりだし】になる)。

5.容器の外側に氷を敷き詰めて、【あさりだし】を急冷する。少しの隙間を開けてアルミホイルをかぶせるとよい。

6.粗熱が取れたら、保存用の容器に移す。

完成した【あさりだし】を保存する場合は、ファスナー付密閉袋がオススメ。袋に【あさりだし】を入れたら、ボウルに張った水に浸して空気を抜き、バットにのせて冷凍庫に入れる。

【だし】は空気に触れると劣化の原因に。なるべく真空に近い状態で保存しよう。

保存のコツ
水を溜めたボウルに、8割方口を閉じた密閉袋を入れると水圧で中の空気が抜ける。

あさりだしの保存
冷蔵:保存容器に入れて3~4日程度
冷凍:ファスナー付密閉袋に入れて約1か月程度

依田流 黄金洋風茶碗蒸し

【材料】(4個分)
あさりだし…150ml
たまご…1個
白ワイン…20ml
バター…10g
塩…ひとつまみ
蟹の身…32g(1個につき8g程度)
※蟹の身は缶詰でもよい。その際は塩の分量を調整して。
いくら(醤油漬け)…12g(1個につき3g程度)

【つくり方】

1.ボウルにたまごを割り入れ、溶きほぐしたら【あさりだし】と塩を加えて混ぜる。

【あさりだし】はゆっくりすこしずつ注ぎながら、たまごと混ぜる。

2.フライパンにバターと白ワインを入れて熱して、溶かしバターをつくり、1と合わせてよく混ぜる。

3.2をザルでこし、器に注ぎ入れる。

卵液の中に泡があると、蒸し上がるときに「す」が立つ原因に。ザルで静かにこして、ひとつの泡もないように。

4.蒸し器で、2〜4分蒸し、蟹の身といくらをトッピングする。

なめらかな口当たりにするため、蒸し時間は2〜4分と短め。

* * *

ちょっとていねい、すごくおいしい 洋風だしレシピ(依田隆 著)
あさ出版

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依田隆(よだ・たかし)
イルマーレ オーナーシェフ
1970年、埼玉県生まれ。海のない県で育ちながらも現在は”魚介類しか出さないレストラン”のオーナーシェフ。26歳で料理の道に入り、国内で修業ののちイタリアへ。帰国後、イタリア料理店で研鑽を積み、神奈川県小田原市に移住。2006年、小田原・早川漁港(小田原漁港)の目の前に自身のレストラン「イルマーレ」をオープン。小田原ならではの魚介類と野菜をいかしたオリジナリティあふれる料理を提案している。昨今はJR東日本が運行する周遊型寝台列車「TRAIN SUITE 四季島」の料理人としても活躍。著書多数。

 

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