暮らしを豊かに、私らしく

臆せず、ひるまず、ためらわず。丁寧な裏漉しが滑らかさにつながる

手順は多いが的確に進めば、この愛らしく、懐かしい佇まいのモンブランが完成する。

サライ流モンブラン成功の二か条

■「マロンクリーム」は、甘露煮を裏漉しして作る。
■「スポンジケーキ」は、アルミ型で焼く。 *市販の「ロールケーキ」を代用してもよい。

「モンブランを作りたい」「紐状のマロンクリームを優美に絞りたい」「でも難しいのは嫌」──そんな要望に応え、サライ読者のためにとっておきのレシピを考案してくれたのは『パティスリー ラ・ローズ・ジャポネ』店主の五十嵐宏シェフ。

まずはモンブランの構造を理解したい。土台+マロンクリーム+生クリームの3要素からモンブランは成り立つ。土台はメレンゲのことが多いが、今回はスポンジケーキに。マロンクリームも一から作るのは根気がいる。ならば「栗の甘露煮」を。そして、乳脂肪分が高く、濃厚なのに軽く仕上がる生クリームがあれば材料は完璧だ。

「モンブランの決め手はマロンクリーム。肝はひたすら栗を丁寧に裏漉しすること」と五十嵐シェフ。

成功の秘訣は裏漉しにあり

フードプロセッサーでシロップとともにペースト状にした甘露煮を裏漉しするが、漉し器の網目を見極めるのもポイントとなる。

「網目の方向を見て、交差する位置から少し斜めにずらして漉す。無駄な力を抜き、奥から手前へ少しずつ裏漉しすると、きれいで滑らかなペースト状になります」

この作業によりマロンクリームは格段に質が高まり、家庭でも本格的なモンブランを実現できる。

指導 五十嵐 宏さん(パティスリー ラ・ローズ・ジャポネ店主 50歳)

パティシエの技術を競う国際コンクールで優勝の実績があり、平成24年に自身の店を開店。4年前に亀有香取神社の境内に移転し、昨年は世界最高峰の大会で日本チームを準優勝に導いた。

パティスリー ラ・ローズ・ジャポネ

モンブランは2種。左は栗の産地で、仏・アルデショワ地方の栗による「モン アレキサンドル」(658円)。右は仏産のマロングラッセとマロンペースト使った「モンブラン」(496円)。

東京都葛飾区亀有3-42-24 亀有香取神社境内
電話:03・5876・9759
営業時間:11時〜18時(カフェは12時〜・最終注文17時)
定休日:火曜(水曜不定休)

道具

(1)ボウル(湯煎用、冷却用)、(2)ボウル(攪拌用)、(3)泡立て器、(4)ゴムベラ(クリーム類の攪拌や伸ばすため)、(5)ハケ(シロップを塗るため)、(6)茶漉し、(7)耐熱のアルミ型(直径約7cmのもの。使い捨てできるタイプが便利)
(8)フードプロセッサー(ないしはハンドミキサーを。なければ包丁で細かなみじん切りに)、(9)漉し器(甘露煮の裏漉し用)、(10)硬めのヘラ(裏漉し用)、(11)口金と絞り袋。ほかに計量スプーン、計量はかりなど。

1.土台(スポンジケーキ)を作る

スポンジケーキは、クリーム類をのせやすくするため、弾力があるように仕上げたい。市販のロールケーキを使う場合は、3㎝厚程度の輪切りを土台にする。

焼き上がりの状態。多少膨らんでいるが、粗熱が取れれば収まる。このスポンジケーキのレシピはほかのケーキにも応用できる。

材料(3個分)

たまご(全卵) ・・・・・・・・1個(60g)
グラニュー糖 ・・・・・・56g
牛乳 ・・・・・・・・・・・・・・・20g
バター(無塩) ・・・・10g
薄力粉 ・・・・・・・・・・・・48g

作り方

1.ボウルにたまごを割り入れ、グラニュー糖を加えたら、泡立て器で混ぜ合わせる。

ポイント:あらかた混ざったら、湯煎(40℃前後)しながら混ぜると、空気を含みやすく、たまごの気泡が均一になる。

2.別のボウルに牛乳とバターを入れ、湯煎(40℃前後)しながらバターを溶かす。

3.1がこの程度の状態に、とろりとしてきたら、薄力粉を少量ずつ加えて混ぜる。

ポイント:ダマにならないように、薄力粉の粒子ひとつひとつに卵液をまとわせるよう、あせらずゴムベラでじっくりと混ぜる。

4.3が、写真のようにやや固めにドロッとしたら2の溶かしバターを加えて、さらに混ぜる。

ポイント:ボウルを回転させながら、テンポよく混ぜるとよい。

5.アルミ型へ、それぞれ均等になるように4を流し入れる。

6.180℃に予熱したオーブンで10分焼く。

7.焼き上がったら、型のまま10cm程度の高さから落として空気を抜き、粗熱を取る。

2.マロンクリームを作る

モンブランの要「マロンクリーム」は、裏漉しを面倒くさがらず、きちんと行なうことで、口当たりも格段によくなり、専門店の味に近づけることができる。

柔らかくしたバターに栗ペーストを少しずつ混ぜるのがポイント。ダマにならずしっとりとしたマロンクリームに仕上がる。

材料(作りやすい分量)

栗の甘露煮・・・・・・・・・・・・・230g
甘露煮のシロップ・・・・・40g
バター(無塩)・・・・・・・・60g

作り方

1.フードプロセッサーで栗の甘露煮を細かく刻む。

ポイント:この程度の大きさが目安。

2.甘露煮のシロップを加えてさらに細かく刻む。
  ※滑らかなクリームに仕上げるため2回に分けて入れる。

3.ボウルに移し、ゴムベラで滑らかに伸ばす。

4.漉し器でさらに伸ばしながら、硬めのヘラで裏漉しする。テコの原理を生かして、奥から手前へとヘラを動かす。

5.バターを電子レンジで20秒温めてポマード状にする。

6.4の栗ペーストと5の溶かしバターをゴムベラでしっかりと練り混ぜる。

ポイント:一気に練り合わせるのではなく、バターに4分の1量程度の栗ペーストを加えて少しずつ馴染ませるように合わせると、しっとり滑らかに仕上がる。

3.ホイップクリームを作る

上手にホイップする(泡立てる)には混ぜるのではなく、振動させる感覚で。氷水で冷やして行なうとキメが細かくなり、分離しにくい。濃厚で軽いホイップにするには素材選びも大切。

生クリームは泡立て加減で固さが変わる。今回は、固すぎぬよう8分立て程度で。

材料(つくりやすい分量)

五十嵐シェフが推奨するのは「中沢フレッシュクリーム45%」。無添加で脂肪含量が多く、脂肪球が均一なので、ボソボソにならず、軽い口当たりでおいしく仕上がる。

生クリーム・・・・・・・200mL
グラニュー糖・・・・・16g

作り方

1.生クリームとグラニュー糖を入れたボウルを氷水で冷やす。

2.1のボウルを回転させながら、生クリームを泡立たせる。混ぜるというよりも振動させる感覚で。

4.組み立てる

土台(スポンジケーキ)、マロンクリーム、ホイップクリームを組み立てる。クリームの完成量は、充分に余るレシピなので、残りは冷凍保存するとよい。

仕上げの材料(3個分)

土台(スポンジケーキ)・・・・3個
マロンクリーム・・・・・・・・・約50g
ホイップクリーム・・・・・・・約30g

<シロップ>
  甘露煮のシロップ・・・・・・・・・・20g
  リキュール(ソミュールがおすすめ)・・・・5g

シロップと混ぜるリキュールは「ソミュールトリプルセック」を。マイルドながらもビターオレンジの風味が効いている。

粉糖・・・・・・・・・・・・・・・・適量
甘露煮・・・・・・・・・・・・・・・3個

作り方

1.スポンジケーキの表面にシロップ(材料を混ぜておく)をハケで塗る。

2.絞り袋に口金をセットし、ホイップクリームを詰めて1の上に時計回りにクリームを絞る。
※口金を垂直にして、3回転ほど絞りながら、徐々に“山”を作る。

3.マロンクリームも同様に絞り袋に詰める。

ポイント:左はマロンクリーム用。右のホイップクリーム用と比べると複数の小さな穴が開いている。

4.“山”にしたホイップクリームを覆うようにマロンクリームを絞る。絞り袋を上下に交互に動かしながら絞り、“山肌”を作る。

ポイント:一定の力で絞り袋を握りながら、一定のスピードで絞る。

5.全体に粉糖をまぶしたら、モンブランの上部を指で少し凹ませて甘露煮をのせる。

【完成】

モンブラン=白い山ゆえ仕上げに粉糖(砂糖を粉末状にしたもの)をまぶす。甘露煮をひと粒のせると見た目も華やかに。

●五十嵐シェフのアレンジ

甘露煮の代わりに、楕円状に固めたホイップクリームとミントをのせて、皿にはアングレーズソース(カスタードのソース)を敷く。板状のホワイトチョコ、エディブルフラワー(食用花)のほかベリーやナッツを散らす。

取材・文/別役ちひろ 撮影/寺澤太郎
※この記事は『サライ』2022年10月号より転載しました。

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