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種まきデビューにおすすめの葉野菜 

立春を過ぎると、売られている苗ものは、寒さに立ち向かって……という植物よりも、「日当たりと春風が好きです!」と言っている様なものが多く流通してきます。草丈が高く、花茎がひょろっと長い草花や、花色が増えたりなど、急に華やかさが溢れ、冬から植えていた草花の葉色も、みずみずしくなってきます。

気温と日当たりが確保できるこの時期は、若草色を愛でながら、やわらかい葉を収穫できるタイミングなので、種まきデビューをしてみてはいいかがでしょうか。寒さが戻る日もありますが、これからは葉野菜の種まきができる季節になります。葉野菜は、簡単で美味しく栽培できるので種まきビギナーさんにおすすめです。

調味料の瓶が大活躍! 自宅のキッチン用品を使った葉野菜栽培

育てる容器は直径約15~18センチのものを選ぶ

調味料の瓶と、鉢と……種まきに必要なものたち。

チンゲンサイでもミズナでも良いですが、私がおすすめしたいのはレタスの仲間。サンチュやリーフレタスの類は簡単で、見た目の葉色も良い野菜です。種まきから始めるガーデニングは、ハードルが高そうですがコツがわかればあとは簡単。基本の道具を揃えて、コンパクトに楽しめるのが面白いところ。

まずは、育てる容器を選びます。直径15センチぐらいから18センチぐらいのものを。なぜこの大きさかというと、シャワーキャップを被せるのにちょうど良いのです。なぜシャワーキャップ? かは後ほど……。

種を蒔く前に水やりをする

鉢を選んで種まき用土を入れたら、ジョウロの先にハス口をつけて、土に水圧による穴ができない様に水をかけます。ポイントは、種まき前に水やりをすること。植木鉢の底からたっぷり余分な水が出てくる程度が水量の目安です。種まき後に水を撒くと、種が流れる可能性もあるので、種まき前に水をかけましょう。

そして種まきですが、紫色の色素が入っている葉野菜も取り入れると、育った時にカラーリーフのように見えますし、アントシアニンが含まれているので、身体が酸化しにくくなるメリットも! 数種類の葉野菜の種を少しずつ混ぜて種まきをするのがおすすめです。

ジョウロの先につけるハス口。シャワー状に水をかけるための道具。

葉野菜の種を数種類混ぜて使う

ここでの注意は、1度に全部の種を使わないこと! 種の絵袋を開けると、中に種が入っています。少ないと感じても、その1粒づつが育つので、結構な株数ができることが理解できると思います。なので、1種類につき蒔く量は、1袋に入っている全体量の1/4を目安に数種類ピックアップします。

これぞ裏技! 調味料の瓶を使ってタネを蒔く

選んだ種は用意した川砂と一緒に、調味料の瓶に入れるのが裏技! 調味料の瓶は調味料が均等に出る様に作られているので、種を均等に蒔くことができます。川砂と一緒に種を瓶に入れることで、種の表面に傷をつけながら蒔くことができ芽が出やすくなります。また、瓶の中をカサ増しできるので土の表面積全体に均等に蒔くことができます。もちろん、粒の大きい種の時は、普通に穴をあけて蒔けば良いのですが、粒が小さな種の葉野菜はこのやり方がおすすめです。

土が濡れたあと。数種類の種を選んで瓶に入れて、川砂と一緒に。

新聞紙とシャワーキャップで温室効果

ここまできたらあとは覆土といって、保水と暗さをキープして発芽しやすくさせるために上から土をうっすらとかけます。覆土の量については適当で大丈夫。終わったら覆土に新聞紙をかぶせ、上から霧吹きで新聞紙を濡らします。ここで、シャワーキャップの出番です。濡らした新聞紙の上にさらにシャワーキャップをかぶせ、2週間待ちます。こうすることで、新聞紙は保水、そしてシャワーキャップは簡易温室のような役目を果たします。

覆土はこんな感じ。
シャワーキャップがない時は、ビニールの袋でOKですが、透明なほど良いです。

日中、温まった土の中の水分が水蒸気になってシャワーキャップの内側に集まり、午後から気温が下がると水になって土に戻ります。その時の水滴で小さな葉野菜の芽を痛めないように、濡れた新聞紙が水滴をキャッチ。湿度がある空間で小さな種たちは、安心して双葉を出します。

こんな感じで双葉がでたら、2、3日後に新聞紙を外します。
長く新聞紙を入れて暗くしていると、もやしになっちゃいますよ!

サラダやサンドウィッチの具材にも。葉の成長段階でさまざまな楽しみ方を

環境にもよりますが、10日から2週間ほどで小さな芽が出始めたら、新聞紙を外してシャワーキャップのみで覆い数日管理。明るさに慣れさせたらキャップを外し、風や気温に慣れさせ、独り立ちさせます。この時にすごく薄くした液体の肥料を施すと、骨太な感じで育ち始めます。この段階まで土に水をかけることがないので不安になりますが、赤ちゃんの葉っぱたちは根っこが小さいので、お水をたくさん飲み切れません。状況を見ながら、手を差し出すように育てていきます。間引きのタイミングで収穫が始まると、スプラウトのサラダやベビーリーフのサラダとして使えます。立派なサイズに育てれば、外側の葉から収穫し、サンドウィッチに使うなど出番が多くなってきます。

木製のサラダボウルの底に穴をあけ、培養土で数株植栽。
産直サラダで、手巻き寿司ならぬ、手摘みサンドウィッチを。

5月のゴールデンウィーク近くになると、花が咲き始めます。花が咲く頃になったら収穫は終了です。葉野菜は高温多湿に弱い植物ですから、夏野菜に衣替えのタイミングになります。

一石二鳥な欲張りガーデニング「デリシャスガーデン」

「少しあったら良いんだけどな〜」という時にあると便利なうえに、畑と違って完成を待たなくても、栽培しながら収穫できる面白さがあるのが、食べられる植物を育てるガーデニング「デリシャスガーデン」の面白いところ。

「種から育てるなんて面倒……」という人には、色々な葉野菜の苗も流通しているので、栽培に使う容器を変えてみるのをおすすめします。種まきの器を底穴を開けた木製のサラダボウルに栽培すれば、産直サラダバーで楽しむこともできますし、採れたてのみずみずしさは栽培した人の特権です。また、使わなくなったパスタの湯切りは、深さもあるので栽培にぴったり。湯切りの内側に換気扇周りで使う不織布をぐるりと巻いて土がこぼれないようにしたら、草花用の培養土で植え付けます。キッチン道具に葉野菜を植えて、まさしくキッチンガーデンの出来上がり。

「エッグバスケット」
エッグバスケットの中に、土がこぼれないように不織布とラッピング材のヤシの繊維を入れて、レタスを植えただけ。鶏がつまんでいるような面白い景色で、栽培可能。
「ミズナの湯切りバスケット」
ミズナは収穫したい時だけ、キッチンバサミで収穫。あとは、葉数が増えるように栽培。
ネームプレートは、近頃珍しくない木製のカトラリー。お弁当についてくるフォークの持ち手に名前をかきます。アイスの棒に書くよりなんだか美味しそう。

種からでも容器からでも自分のスタンスに合わせた遊びができつつ、美味しいなんて……まさに一石二鳥な欲張りガーデニング。栽培期間が限られている植物。だからこそ、余すことなく付き合い切って美味しい記憶で美しくまとめたい……そんな春の景色です。

撮影協力/花のワルツ

杉井 志織(すぎい・しおり)
1972年生まれ、埼玉県出身。建築の専門学校を卒業後、フラワースクールで植物の生態やアレンジメント、花屋運営のノウハウなどを学ぶ。現在は、ガーデニングや花壇ボランティア運営の指導、イベント装飾、執筆活動の他、NHK『趣味の園芸』へ出演する等、各メディアで幅広く活動中。上海花卉博覧会(10th CHINA FLOWER EXPO)海外招待ガーデナー・最優秀設計賞受賞。

杉井志織さんのインタビュー記事はこちら

 

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