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「お気楽ガーデニング」へのはじめの一歩

秋風が冷たく感じるようになったら、ガーデニングシーズンの到来です!

本格的な寒さが来るまでに、いろいろな春の準備が始まります。……なんて書くと、ガーデニングのハードルが上がりそうですが……。そんなことはまったくなく、この時期は肩の力を抜いて、楽しむ「お気楽ガーデニング」へのはじめの一歩を踏み出す良いタイミングなので、ぜひ、この「お気楽ガーデニング」について、これから少しお付き合いください。

今の季節は、秋植え球根が出回る時期です。園芸店などで、チューリップやヒアシンスや、何かの干物のような形の球根たちに出会うと思います。花を見れば、「あ〜あれか!」と気づく人も多いはず。売られているのはドライ球根といって、土に植える前の状態で販売が始まります。球根を選ぶ際は、いろいろな情報を集めて、選び方のポイントを熟読する方法もありますが、まずは気にいった花色(はないろ)や花形(はながた)で花を選んでみるのがオススメ。秋植え球根の良いところは、誰が植えても、誰が育てても、きちんと花が咲くことです。もちろん、“最低限のルールを守った上で”ですが、むずかしい土選びや、良い球根の選び方などは気にせず、好きになった植物を手元に引き寄せてみてください。

例えば、チューリップ。花びらの先端がギザギザしているものや、絵に描いたような形のもの、鮮やかな発色や、バラの花のように花びらが多いものなど、開花の様子がわかる写真を頼りに、いろいろイメージしながら選ぶと良いでしょう。ですが、いろいろ見続けていると、ベビーピンクとブラックのコンビネーションや、オレンジと赤にしようかな? などイメージがまとまらなくなることも……。そんな時は、頭の中では大きな花束を描きながら、咲いた時の場所を想像して花色選びを考えるとイメージを絞りやすくなります。また、春のイメージカラーを決めておくのも手です。デザインされた仕上がりになるので、ワンランクアップした景色を味わうことができます。色がコントロールされていると、インテリアとのコーディネートも楽しめますので、洗練されたガーデニングを楽しめるのではないでしょうか。

■チューリップ「アラジン」

切り花で人気のチューリップだって、花壇で花束感覚が楽しめます!

ヒアシンスは、小学生の頃に学校の授業で育成にチャレンジしたことがある方も多いかもしれません。ヒアシンスは、花屋さんでは見られないほど大きく咲きますし、花の香りも楽しめる、良いとこどりの植物です。春の早い段階で咲くスイセン、ブドウの房を逆さまにした形のムスカリなど、秋に植える球根植物は草丈も種類も豊富です。

最低限のルールは、「水やりを忘れないこと」と「しっかり寒さに充てること」

最低限のルールを守るのが必須になりますが、水やりを忘れないことと、しっかり寒さに充てること。実はこの二つを守っていれば、どんな土であっても、どんなに日当たりが悪くても、どんなに植物を枯らす癖がある人でも、球根植物は葉っぱを出して花を咲かせる努力をします。一つめのルール「水やり」は、土が乾いてからたっぷりかけることを忘れずに。土の中の古い空気や、虫、病気の菌などを洗い流すイメージで、新しい水を土の上から十分に与えます。そうしたら、土が再びカラカラに乾くまで水やりはしません。このタイミングで水やりを忘れずに行なえば、球根から根が出て、芽が出ます。

そして、もう一つのルールは寒さに充てること。つまり、雪が降っても冷たい雨で不安になっても外で球根の管理をします。秋植え球根は、寒さを経験すると、「冬が来た!」と認識します。そして、このままだとタネを残せなくなるので、「花を咲かせる準備をせねば!」とスイッチが入ります。つまり、球根植物は寒い冬を経験して暖かい春を感じるから花を咲かせる生き物で、根も芽もない球根は、休眠している状態なのです。

以上の二つのルールさえ守って管理をすれば、3か月後には、イメージした大きな花束のような景色を植木鉢でも花壇でも楽しむことができます。本格的な寒さが来る前に、球根をしっかり選び、コートを羽織る頃までには植え終わっているのが理想です。

植え方も簡単です。球根のとんがっている部分が少し土に隠れていれば大丈夫! お隣との間隔は、球根がくっつかない程度。このくらい密にして植えると、大きな花束のような見応えのある、春の景色が楽しめます。

■ムスカリ植え付け時

球根を植える深さに注目!球根ひとつ分の深さで大丈夫

■キンギョソウ「キャンディートップス」植え付け時

球根をどこに何を植えたか忘れないように、竹ヒゴなどを使ってマーキングをします。
枯れた庭の枝を使うと、もっとナチュラルなほっくりした雰囲気に。
竹ヒゴを円錐形に組めば、草丈が高くなる球根の支柱がわりにもなるので、便利です。
くるみの殻は、霜除けと草取りが楽になるように+冬の地面の飾りに。

秋植え球根植物は、こちらが手をかけたことに対して確実に答えてくれるので、花が咲いた時はうれしくもあり、自信も持て、冬の間に小さな芽が見えるとガッツポーズをしたくなるほど安堵します。土に植えてから花が咲くまでは、3か月ぐらい。そして花が咲いて散るまでは1週間から10日ぐらい……。小さな芽が出て膨らんで、花がパッカーンと咲くまでのお付き合いです。ショートストーリーのような日々も、日々の変化に一喜一憂することも、いろいろな気持ちの引き出しを開けたり閉じたりできるのが、ガーデニングの面白いところです。完璧にはならないことが多いのですが、植物と自分の気持ちとの折り合いがついた時に見える景色は、ご褒美をもらったようなうれしさと、物言わぬ生き物と通じたような気持ちが味わえます。

■ムスカリ開花時

ブドウの房を逆さまにしたような愛らしい花が楽しめます。ひとつの球根から2回〜3回新しい花が咲きます。

キンギョソウ「キャンディートップス」開花時

竹ヒゴが見えなくなるほど成長。周りの草花もボリュームアップ!

これから少しづつ、植物との駆け引きを楽しみながら、季節の香りや色など、暮らしの中に彩りとして取り入れる面白さをお伝えできればと思います。まずは、気楽に。そして暮らしは楽しい方が良い。という感じで……よろしくご贔屓に。

■球根の贈り物

クリスマスにむけて、ささやかな親しい友人への贈り物に
球根を仕込んで送ってみては?
植木鉢の周りに飾りを接着剤で縁取って、
「お外で育ててね! 何が出てくるかは内緒」。

おまけの話。

球根遊びが面白くなると、水耕栽培で育てることができるようになります。ハクモクレンなどの切り枝を活用して、球根を栽培。
一足早い春の景色を室内でも楽しむことができます。チャレンジしてみて!

杉井 志織(すぎい・しおり)
1972年生まれ、埼玉県出身。建築の専門学校を卒業後、フラワースクールで植物の生態やアレンジメント、花屋運営のノウハウなどを学ぶ。現在は、ガーデニングや花壇ボランティア運営の指導、イベント装飾、執筆活動の他、NHK『趣味の園芸』へ出演する等、各メディアで幅広く活動中。上海花卉博覧会(10th CHINA FLOWER EXPO)海外招待ガーデナー・最優秀設計賞受賞。

杉井志織さんのインタビュー記事はこちら

撮影協力/花のワルツ

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