とくに理由があるわけでもないのに、なんだか疲れる、やる気が起きない。そうした、病気というほどではない「からだや心の不調」を自分で整えられたら、もっと毎日が過ごしやすくなると思いませんか。
そこで、今月から毎月1回、久保奈穂実さんの著書『1日ひとつ、疲れが消える おいしい漢方365』より、日々のちょっとした不調におすすめの、セルフケアや養生レシピをご紹介します。SNSでも大人気の漢方アドバイザー、久保奈穂実さんは子供のころは胃腸が弱く、アトピー性皮膚炎で悩まされていたそうです。そんな自身の過去の体験や、年間約2000人という漢方相談を受けた知見をもとに、「これならできそう」と思えるような優しい養生法をまとめています。
高温多湿な7月は、からだにたまった熱を逃がすアイデアをご紹介します。小さなことからはじめる“おおらか漢方生活”。お花に水をあげるように、自分のからだや心を少し労わってみませんか。
文/久保奈穂実
汗すっきり手作りバスソルト
夏のお風呂時間が楽しみになるバスソルトを手作りしてみませんか。1回分ずつお風呂に入れてかき混ぜてから入浴を。塩で発汗が促されますが、ペパーミントの効果で熱がほどよく冷まされ、汗をかき過ぎることなく入浴できます。ティートリーの抗菌効果で汗のニオイもスッキリ。
汗すっきりバスソルト
1.保存容器に天然塩を入れる(1回分大さじ1)。
2.ティートリーとペパーミントの精油を各1~5滴入れる。
3.容器の蓋を閉めてよく振れば完成。
※ 肌が弱い人は精油をホホバオイルなどで希釈してから加えましょう。
キウイで潤いケアと老化予防
本格的な暑さが来る前に、体を潤して冷ます炭酸ドリンク「シュワシュワキウイ」を飲んで備えましょう。キウイは体を潤して熱を冷ます効果があるフルーツ。はちみつと組み合わせて酸甘化陰(さんかんかいん=甘味と酸味が組み合わさると体に潤いが生まれる)の効果も得られます。また、キウイの黒い種には補腎作用があります。腎(じん)は生命活動の源なので、腎を補うと老化予防に。抗酸化作用が高いビタミンCも多く、UVケアにも◎。炭酸で、胃腸の働きも活発になります。夏バテも、夏の肌ダメージも防げるうれしいドリンクなのです。
シュワシュワキウイ
キウイを小さめのサイコロ状に切り、炭酸水とレモン汁、はちみつをお好みで加える。
※お腹がゆるいときは控えめに。
暑いときはアイスより寒天
暑い〜暑い〜って、アイスばっかり食べていませんか? アイスには体の熱を冷ます働きはなく、お腹は冷えるのに、体にこもった熱はそのままです。おまけに砂糖も乳脂肪もたっぷりなので、湿をため込み、体は重だるになる一方。代わりにおすすめしたいのが寒天です。寒天は海藻からできていて、体にこもった熱を、スーッと冷ましてくれます。ゼリーは湿をため込むけれど、寒天は排出してくれるのです。
おすすめレシピは、「ピングレ寒天」。ピンクグレープフルーツも寒性食材なので、常温で食べてもスッキリと熱を取ってくれます。
ピングレ寒天のつくり方
1.皮をむきひと口大にしたピンクグレープフルーツを型に入れる。
2.鍋に水500ccと粉寒天4gを入れて火にかけ、混ぜながら溶かす。沸騰したら弱火で2分煮る。
3.砂糖大さじ4、レモン果汁大さじ1を加え、1の型に流し入れ冷蔵庫で固める。(常温でも固まる。砂糖の代わりにはちみつでもOK)
※ 冷えているときやお腹がゆるいときは控えめに。
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『1日ひとつ、疲れが消える おいしい漢方365』(久保奈穂実 著)
世界文化社
久保奈穂実(くぼ・なおみ)
国際中医薬膳管理師。漢方アドバイザー。成城漢方たまりで年間約2000人の漢方相談・薬膳講師を行う。女子美術大学造形科卒業。芸能・音楽活動を行い、ハードな生活で身体のバランスを崩す。漢方薬に助けられた経験から興味を持ち、イスクラ中医薬研修塾にて中医学を学ぶ。SNSにて発信するやさしい養生知識や、カンタン薬膳レシピが大人気。総フォロワー約9万人。