指の第一関節や第二関節がズキズキと痛んだり、ペットボトルのフタが開けられない、指輪が抜けなくなった、そんな症状に悩まされていませんか?
じつはそれ、35歳以上の女性に多いと言われる「へバーデン結節(第一関節)・ブシャール結節(第二関節)」かもしれません。ほうっておくと指が曲がったまま戻らなくなったり、ひどい場合は手術が必要になることも。
「ヘバーデン結節・ブシャール結節」の専門医・高橋嗣明先生は多くの患者を診てきた中で痛みを緩和し、関節の変形の進行を食い止める方法を見つけ出しました。「へバーデン結節・ブシャール結節は食事で予防・改善できます」と力強いお言葉。今回は高橋先生の著書『指先の変形と痛みを食い止める』(宝島社)から、症状を悪化させる食品や、生活習慣についてご紹介します。
3割の人が発症すると言われる「へバーデン結節・ブシャール結節」。現在症状に悩まされている人はもちろん、今後の予防にぜひ活用してみてください。
監修/高橋嗣明
発症や悪化の原因に! 絶対に避けたいトランス脂肪酸
私たちの身の回りにあふれている「安価な油」
近ごろ、よく耳にするトランス脂肪酸という言葉。体に悪いものという認識はあるものの、どんなもので、なぜ体に悪いのか知っている人は少ないでしょう。
トランス脂肪酸とは?
「アラキドン酸よりも何よりも、もっとも悪いのがトランス脂肪酸です。トランス脂肪酸は、植物油などからマーガリンやショートニングなどを製造する際などに発生。また、液体の油脂を固めるために、水素を加えることでもできます」
加工された油は、体内でさまざまな悪さをするそう。
「人体は細胞の集まりで、ひとつひとつの細胞は膜に覆われています。細胞膜は壊れないように柔らかくしなやかであることが大切。例えば赤血球は、多彩に変形することで初めて毛細血管の中に入ることができます。こうした細胞のしなやかさを阻害するのが、トランス脂肪酸のやっかいなところです。もちろん炎症性サイトカインも増やすので、ヘバーデン結節やブシャール結節はてきめんに悪化します」
トランス脂肪酸は、アメリカでは多く使われていたものの、現在では製造も販売も禁止に。
「けれども、日本ではまだ普通に使われています。原材料に『ショートニング』と記載があれば、トランス脂肪酸が入っていると思ってください。まれに『植物油脂』と書いてあることもあります。とても安価な油なので、スナック菓子やファストフードに使われていることが多いようです」
トランス脂肪酸はどんなものに多く含まれている?
パン類
・チョコパンなどの菓子パン
・クロワッサン
・コロッケパン
など
ケーキ類
・ショートケーキ
・ドーナツ
・ホットケーキなどのミックス粉
など
菓子類
・アイスクリーム
・ビスケット
・スナック菓子
・チョコレート
など
ファストフード
・フライドポテト
・ナゲット類
・ハンバーガー
など
加工食品
・インスタントラーメン
・冷凍食品
・レトルト食品
など
その他
・市販のカレールウ
・マーガリン
・ショートニング
など
ケーキのクリームやアイスクリーム、クッキー、ドーナツ、菓子パンなどにも多く使われているので、必ず成分を確認してから食べましょう。
【こんな生活習慣が酸化ストレスを増やす活性酸素を増加させる 「NG 習慣」。次ページに続きます】