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今年の干支は「うさぎ」。卯年はまさに跳躍、飛躍の年です。

静嘉堂文庫美術館も昨年10月、展示ギャラリーを東京・丸の内の「明治生命館」(昭和9年竣工、平成9年重要文化財に指定)1階に移して新しい歩みをはじめました。

1月2日より、静嘉堂創設130周年・新美術館開館記念展IIとなる、めでたさ満載の展覧会が開かれます(2月4日まで)。

酒井抱一《絵手鑑》 全72図のうち「富士山」
江戸時代・19世紀
静嘉堂文庫美術館蔵

本展の見どころを、静嘉堂文庫美術館の広報ご担当、大森智子さんにうかがいました。

「一番の見どころは、総数58点におよぶ御所人形。創設130周年を迎える静嘉堂のコレクションを拡充した、1879年卯年生まれの岩﨑小彌太(三菱第4代社長)の還暦を祝い、夫人孝子が京都の人形司・丸平大木人形店の五世大木平藏に制作させました。

五世大木平藏《木彫彩色御所人形》のうち「宝船曳」
昭和14年(1939)
静嘉堂文庫美術館蔵

卯年に因んで兎の冠を戴く人形たちは、それぞれ小彌太と夫人の姿を写したともいわれる布袋と弁天など七福神を中心に、鯛車を曳き、あるいは楽器を奏で、寿ぎの宴をくりひろげます。

国宝《曜変天目》建窯
南宋時代・12~13世紀
静嘉堂文庫美術館蔵

小彌太の購入により静嘉堂の所蔵となった国宝、《曜変天目(稲葉天目)》も登場します。小彌太は「名器を私に用うべからず」と、生前一度もこの茶碗を使用することはありませんでした。

沈南蘋《梅花双兎図》
清時代・雍正9年(1731)
静嘉堂文庫美術館蔵

小彌太の還暦から7回りした卯年の令和5年、「静嘉堂@丸の内」は開館して初めての春を迎えます。他にも中国・日本の寿ぎの絵画、新春にふさわしい宴の器まで、めでた尽くしの作品を一挙公開。新たな人生の船出を祝う御所人形の行列と共に、東京丸の内で迎える初正月を祝います」

永楽和全《金襴手雲龍文銚子》
江戸~明治時代・19世紀
静嘉堂文庫美術館蔵

吉祥づくし、国宝もある展示に心が華やぎます。ぜひ会場に足をお運びください。

【開催要項】
静嘉堂創設130周年・新美術館開館記念展II 初春を祝う―七福うさぎがやってくる!
会期:2023年1月2日(月・振休)~2月4日(土)
会場:静嘉堂@丸の内
住所:東京都千代田区丸の内2-1-1 明治生命館1階
電話:050・5541・8600(ハローダイヤル)
公式サイト:https://www.seikado.or.jp
開館時間:10時~17時、金曜日は18時まで(入館は閉館30分前まで)
休館日:月曜日(ただし1月2日、9日は開館)、1月10日(火)
料金:公式サイト参照
アクセス:公式サイト参照

取材・文/池田充枝

 

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