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現代を代表する最も多忙なアーティストといわれるデイヴィッド・ホックニーは現在86歳。イングランド北部のブラッドフォードに生まれたホックニーは、同地の美術学校とロンドンの王立美術学校で学び、1964年にロサンゼルスに移住。60年余にわたり美術表現の可能性を探る試みを続け、現在はフランスのノルマンディーを拠点に精力的に新作を発表しています。

2017年の生誕80年を記念した回顧展は英・仏・米を巡回、そのうちのテート・ブリテンでは同館の記録となる約50万人が来場しました。

《ノルマンディーの12か月 2020-2021年》(部分)
2020-21年 作家蔵 
(C) David Hockney

東京都現代美術館の「デイヴィッド・ホックニー展」は、日本では27年ぶりとなる展覧会です。(7月15日~11月5日)

本展の見どころを、東京都現代美術館の学芸員、楠本 愛さんにうかがいました。

「現代で最も革新的な画家といわれるデイヴィッド・ホックニー(1937年)の、国内では27年ぶりとなる大規模な個展が開催されます。イギリス出身のホックニーは1964年にロサンゼルスに移り、アメリカ西海岸の陽光あふれる情景を描いた絵画で一躍脚光を浴びました。

《スプリンクラー》
1967年 東京都現代美術館
(C) David Hockney

ホックニーは60年以上にわたり、目の前の世界を「見ること」と「描くこと」という画家にとって根源的な問いと向き合ってきました。本展では、初期の作品から世界初公開となる新作まで120点余の作品を通して、創作の歩みをたどっていただけます。

《クラーク夫妻とパーシー》
1970-71年 テート
(C) David Hockney

本展の必見作のひとつが、〈春の到来 イースト・ヨークシャー、ウォルドゲート 2011年〉シリーズです。幅10メートルの油彩画とiPadで描いたドローイングで構成される本作は、イギリスのイースト・ヨークシャーの刻々と変化し続ける壮大な風景を、豊かな色彩感覚でとらえています。

《春の到来 イースト・ヨークシャー、ウォルドゲート 2011年》
2011年 ポンピドゥー・センター
(C) David Hockney Photo: Richard Schmidt

さらに、現在拠点とするフランスのノルマンディーで、新型コロナウイルスのロックダウン中に制作された全長90メートルの絵巻《ノルマンディーの12か月 2020-2021年》も見逃せません。本展を通じて、身のまわりの日常や自然の移ろいをひたむきに見つめてきたホックニーの世界を体感していただけるでしょう」

《ノルマンディーの12か月 2020-2021年》(部分)
2020-21年 作家蔵 
(C) David Hockney

ホックニーの「今」に出会える展覧会です。ぜひ会場に足をお運びください。

【開催要項】
デイヴィッド・ホックニー展
会期:2023年7月15日(土)~11月5日(日)
会場:東京都現代美術館 企画展示室1階/3階
住所:東京都江東区三好4-1-1
電話:050・5541・8600(ハローダイヤル)
展覧会公式サイト:https://www.mot-art-museum.jp/hockney/
開館時間:10時から18時まで(展示室入場は閉館の30分前まで)※サマーナイトミュージアムの日(7/21、28、8/4、11、18、25)は10:00-21:00まで開館延長
休館日:月曜日(ただし7月17日、9月18日、10月9日は開館)、7月18日(火)、9月19日(火)、10月10日(火)
料金:公式サイト参照
アクセス:公式サイト参照

取材・文/池田充枝

 

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