履き心地のよさとデザイン性を併せ持ち、足の悩みを持つ女性から高い支持を集めている『ミスキョウコ』の靴。デザイナー兼プロデューサーの木村恭子さんが、外反母趾に悩んでいた母に“おしゃれで快適に歩ける靴を贈りたい”という想いから誕生しました。1995年の創業以来、100万足以上の靴を販売し、2016年には東京・青山に旗艦店をオープン。母娘で訪れるファンも多いといいます。
そんな『ミスキョウコ』のブランドを創ってきた木村恭子さんの素顔を知りたくて、大阪のご自宅を訪問。仕事のことから、休日の過ごし方などプライベートなことまで、話を伺いました。
初回は、マザー・テレサにかけてもらった言葉を心の支えに、前を向いて仕事に取り組んできたことなどをご紹介しました。今回は、仕事で愛用しているアイテムや、仕事の息抜きの方法についてお聞きしました。
10年以上愛用のシステム手帳。家族の写真を常に入れて
――仕事をするときに気分が上がるファッションはありますか?
気分が上がるというか、好きなファッションは、窮屈でなく動きやすいもの、ちょっとしたフリルやリボンが付いて、大人かわいいものです。靴のデザインと同じですね。また、服を選ぶときは肌触りの良さも重視しています。
色は白が好きで、全身、白のコーディネートをすることもあります。ナチュラルな中にも、どこかかわいらしさがあることがポイントです。
あと、ネイルが好きです。ぱっと目につく指先をきれいにしていると、テンションが上がります。
――では、気分を上げてくれる小物はありますか?
10年以上、愛用しているエルメスのシステム手帳です。カバーの質感や色が好きで、毎年変わるリフィルのデザインも気に入っています。新しい年になって、リフィルを入れ替えると、『さぁ、今年もがんばろう!』と気分が上がります。
スマホでもスケジュール管理はしていますが、気づいたことをメモして見返すのは手帳のほうが便利で、チケットなども挟んで持ち歩けます。家族の写真も何枚か入れて、ときどき眺めているんですよ。
バーキンが似合う女性になった40歳で、憧れのバッグを購入
――仕事用のスタメンバッグはありますか?
よく使っているのは、エルメスのバーキンです。OLをしていた頃からの憧れのバッグで、初めてもらった給料から積み立てを始めました。3~4年で購入できる金額は溜まったのですが、実際に手にしたのは40歳のとき。バッグに見合うだけの大人になれたと思えたのが、その年齢でした。デザインはもちろん、見た目以上に物がたくさん入り、使いやすいのも気に入っています。
――仕事で遠方に移動することも多いと思います。旅の必需品はありますか?
コンパクトなお香セットです。仕事が終わって、ホテルの部屋に戻りお香を焚くと、気分が落ち着いてリラックスします。前に京都のお香をプレゼントされて、その香りがとても好きになり、いつも持ち歩いています。そのお店が東京にもあって、それが『ミスキョウコ』の青山店のすぐ近くなんですよ。ちょっとした縁を感じました(笑)。自宅でも、お客様が来たときは、必ずお香を焚いてもてなしています。
手作りをしてプレゼントすることが仕事の息抜きに
――仕事の気分転換はどのようにしていますか?
散歩をしたり、映画館で映画を観たりしています。家では読書やフラワーアレンジメント、手芸などモノ作りをしています。
フラワーアレンジメントやモノ作りは、どんなデザインにするか考えたり、手を動かすことに集中するので、仕事のことも忘れられます。手作りをすること自体、大好きなのですが、完成したものを人にプレゼントするのも好きなんです。ペンダントやブローチなどのアクセサリー、最近はポーセラーツ(※)の器や小物入れなどを作ってプレゼントをしています。
※ポーセラーツ…白磁にシールのような転写紙や磁器絵付け用の絵具で絵柄を付けて、高温で焼成して仕上げるハンドクラフト。
手作りの品に限らず、ちょっとした贈り物をして、もてなすことが好きなんでしょうね。そういうことも仕事の息抜きになっていると思います。
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次回は、木村恭子さんのライフスタイルについてご紹介します。
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木村 恭子(きむら・きょうこ)
1968年生まれ、兵庫県出身。貴金属の卸会社に勤務し、母の介護で離職。その後、インドでボランティア活動をする。2000年に『ミスキョウコ』ブランドを発足し、デザイナー、プロデューサー業に携わる。2016年に東京・青山に旗艦店をオープン。高島屋大阪店、あべのハルカス近鉄本店、京王百貨店 新宿店の常設店以外にも、全国の百貨店でポップアップイベントを開催。青山店では、ポーセラーツやフラワーアレンジメントなどのワークショップを開き、講師も務める。
取材・文/北野知美 撮影/奥田珠貴