暮らしを豊かに、私らしく

人間関係のオン、オフがわかっていないと、気遣いもできなくなる。

「どうせもうすぐ死ぬんだから、誰に何言われようと関係ない」みたいな態度をとる人がたまにいるでしょ。とくにジイサンたち(失礼!)。アタシは休みのときはあまり外出しないで、家の中でゆっくり過ごすことが多いのでよくは知らないんですけど、周りから聞くところによると、横柄な方々も多いそうですね。例えば昔、大きな会社にいた人とか、お行儀良くしていればいいのに、行きつけの図書館の若い係員さんにつまらない文句ばかり言ったりしてくるって……なんでそうなるのかしらねぇ。

アタシには経験ないからはっきりわからないけど、会社で働いていたときの上下関係をそのまま引きずっているんじゃないのかな。若い人を見ると自分の部下みたいに見えて思わずつまらないことでも文句を言ってしまう。これって最悪。テレビを見ていて後輩の芸能人が先輩の芸能人に乱暴な口をきいてドツいたりしていますけど、あれはまた別の世界だって思ったほうがいい。あの中では先輩後輩関係ないような態度ですけど、画面の裏は違います。そういう人に限って、お行儀が良くて、他人に対する気遣いができている。ちゃんとオンとオフを理解しているの。それすらもわからなくなって周りの人々に気遣いができなくなるなんて……今、「ハッ!」とした人は気をつけたほうがいいですよ。

「ふ~ん、そうなんだ~」「よくわからない」で、難しい場面を切り抜ける。

「文句を言いたくなりそうな仕事だと思ったら最初から引き受けない」。
これってあまり面倒なことを考えないアタシの、唯一のポリシーといってもいいかもしれない。アタシはただでさえ一言言いたくなるタイプだから、目の前でいじめられている人を見たりすると、つい物申してしまったり、仕事現場であとからガタガタ言ってくる人に嫌な気持ちになったりするの。だから、そういう仕事は初めからなるべく避けたいというのが正直なところ。しかしそうはいってもたまに断れないことも……これだけの大スターなんですから(笑)。

例えば出演者がたくさんいるTV番組に出演すると、いろんな人に会うわけですよ。アタシより目上の芸能界の先輩たちとかね(笑)。で、彼らもトシをとってきて、どうしてもいろんなことが言いたくなるわけ。「昔はこうだった、ああだった」だのといろいろ……そりゃアタシだって話しかけられたらきちんと耳を傾けなきゃいけない。とはいえ調子に乗ってペラペラしゃべっているとあとで何言われるかドキドキしちゃう。だからアタシはこういうときはなるべく口を開かずに、 「ふ~ん、そうなんだ~」と「よくわからない」をかわるがわる駆使しながら、ニコニコと頷くようにしています。これと似たような局面って、みなさまの日常生活の中でもあるんじゃないでしょうか。そんなときはこの「ふ~ん、そうなんだ~」と「よくわからない」の二刀流でサラッと済ませることをおすすめします。

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研ナオコ
1953年生まれ。静岡県出身。歌手、タレント、女優。
1971にシングル『大都会のやさぐれ女』で歌手デビュー。1975年には『愚図』でFNS歌謡祭・優秀歌謡音楽賞を受賞する。その後も、『あばよ』『かもめはかもめ』『夏をあきらめて』『泣かせて』『Tokyo見返り美人』など数々のヒット曲を世に送り出す。歌手活動以外にも、数多くのやバラエティー番組に出演するなど、幅広い分野で活躍。

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