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コロナ期間中、散歩を運動不足解消や趣味として楽しんでいた人も多いと思います。散歩中、「この木や花の名前はなんだろう?」と疑問に感じながらもそのままにしてしまいがち。でも、木や花の名前を知っていたら、もっと散歩や駅までの通勤時間も楽しくなるはずです。

植物観察家・鈴木純さんが主催する、予約が取れない人気植物観察会を漫画家・イラストレーターのカツヤマケイコさんが漫画で再現したのが、『まちなか植物観察のススメ』(小学館)です。植物だけ見ていてもなかなか覚えられませんが、図鑑と漫画のセットだと面白いほど頭に入ります。

植物にまったく興味がなかったカツヤマケイコさんもハマった「まちなか植物観察」の魅力について、お伺いしました。

監修/鈴木 純 漫画/カツヤマケイコ

ひょんなことから植物の観察会へ参加することに

植物にまったく興味のないカツヤマさんが、新たな世界への扉を開けることに……。

―――漫画にも描かれていますが、植物に興味がなく、これまでの人生では素通りしてきたのですよね?

「はい。子どもたちと公園に行っても「木があるなー」くらいにしか思っていませんでしたね。子どもたちに植物の質問をされても答えられないから、そのうち「うちの母は植物の知識がない」と認定されて、質問すらされなくなりましたよ(笑)」

―――そんなカツヤマさんが植物会に参加して、植物への印象はどんなふうに変わりましたか?

「植物って、生き残るための工夫がえげつないな、と(笑)。純先生もおっしゃっていますが、植物は根をはってその場から動かないから、「移動しないで生きる術」を持っているんです。だからそんな形をしているのか! とか、何その仕組み! 賢すぎ! みたいな驚きがたくさんありましたね。植物の名前や見分け方を知ると、これまで通ってきた近所の道の見え方が変わってくるんですよ。うちの近所は畑も多いのですが、植物どころか畑に植えられている作物まで気になるようになって。四季を意識できるようになったかもしれません」

―――取材に1年かけたそうですが、思い出深いエピソードはありますか?

「純先生の観察会は1年を通じて同じ場所を徹底的に観察するんですよ。最寄り駅の植え込みから始まり、メインの公園に行くまでの住宅街の道、路地、川沿いなど、同じ場所なのに毎月異なる植物との出会いがあるのが衝撃的でしたね。あるときは駅前のロータリーの街路樹の観察をしていたら、1時間で移動距離がたった数メートルなんてこともありました。そのくらい濃密な観察会なんです。濃密すぎて、最後のほうは意識が朦朧として、ものすごく疲れるんですけど(笑)。

たいていの植物を「雑草」とひとくくりにしていた私でも、楽しく学べる観察会でしたね。個人的に思い出深いのは、ヒガンバナです。みなさんも、あの赤い花は思い浮かぶと思うのですが、花が終わったあとに出てくる葉は、すごい地味なんですよ。花が咲いていないと絶対にわからないと思います。花が咲いているからわかるけど、咲いていない時期の姿って全然知らないんだなと。そもそも、花が終わったあとに葉が出てくることにも驚きました。

学校の授業も教科書よりフィールドワークがメインだったら、私も植物に関心が高い大人になれたのに、と思いましたね」

―――まちなかで植物を観察できるメリットはなんでしょうか?

「日常に発見と感動をもたらしてくれることだと思います。私も植物=雑草で、ただの『背景』だったのに、急に街の解像度が上がって植物が視界に入ってくるようになりました。大人になると、毎日にそんな感動がなくなってくると思うのですが、植物を知るようになると、日々に感動が生まれるんですよ。こんなところに可愛い花が、この草が生えてきたからもう春だな、見たことない植物だから調べてみよう、とか。それをわざわざ山に行かずに、通勤や買い物の途中に、手ぶらで楽しめるのがいいですよね」

―――カツヤマさん同様、植物を「素通り」してきた方々にメッセージをお願いします。

「本書は漫画でわかりやく解説して、さらに植物観察家の鈴木純さんがコラムで植物の魅力を紹介しています。そのうえ図鑑としての役割もあるので、私のような植物ビギナーも安心です。ぜひ手軽な趣味として、まちなか植物観察を始めていただけるとうれしいです。きっと、素通りできなくなるはずです。これから夏に向かっての注目は『つる植物』ですよ。巻きつき方もいろいろなので、壁やフェンスにからまるのを見つけたら、立ち止まって観察してください」

各章に漫画で出てきた植物などの図鑑付き。

* * *

『まちなか植物観察のススメ』(監修 鈴木純、漫画 カツヤマケイコ)
小学館

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鈴木純(すずき・じゅん)
植物観察家、植物生態写真家。1986年、東京都生まれ。東京農業大学で造園学を学んだのち、青年海外協力隊に参加。中国で砂漠緑化活動に従事する。帰国後、国内外の野生植物を見てまわり、2018年にフリーの植物ガイドとして独立。野山ではなく、街中をフィールドとした植物観察会を主催している。2021年に第47回東京農業大学「造園大賞」を受賞。著書に『そんなふうに生きていたのね まちの植物の世界』『種から種へ 命つながるお野菜の一生』(ともに雷鳥社)、『ゆるっと歩いて草や花を観察しよう! すごすぎる身近な植物の図鑑』(KADOKAWA)他、雑誌等への寄稿多数。
https://beyond-ecophobia.com/

カツヤマケイコ
漫画家、イラストレーター。1975年京都府生まれ。 百貨店勤務を経て漫画家&イラストレーターに。女性誌を中心に活躍中で、プライベートでは一男二女子のママ。著書に自身の子育てを描いた『ごんたイズム』シリーズ(双葉社)、『まるごとわかる保育園』(自由国民社)、『産婦人科医宋美玄先生が娘に伝えたい 性の話』(小学館/共著)、『東京アンティークさんぽ』(双葉社)などがある。アンティーク好きが高じて、東京・三鷹で古道具とアクセサリーの店「BROCCA」を営む。
https://www.instagram.com/brocca1352/

 


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