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文・写真/君田亜礼(海外書き人クラブ/オーストラリア在住ライター)

オーストラリア・クイーンズランド州トゥウンバ(Toowoomba)。州都ではなく、またグレートバリアリーフを要するリゾートシティーのケアンズのように日本からの直行便があるわけではないので、名前を聞いてどこだかわかる方のほうが少ないと思います。

でもこの小都市、毎年9月になると少なくともオーストラリア中からたくさんの観光客を集めるのです。その理由は「トゥウンバカーニバルオブフラワーズ」という花の祭典が開かれるからです。

花壇に植えられた鮮やかな花々を見て回ります。

その祭典の前に、少しこの街について説明しましょう。このトゥウンバはクイーンズランド州の州都ブリスベンからほぼ真西に約120キロ。ハイウェイを走る長距離バスに乗って1時間45分で着きます。約120キロというと、東京からなら宇都宮市や前橋市・高崎市くらいの距離。つまり大都市の都市圏の一部というよりは、地方の中核都市といった位置づけです。

人口は約17万3000人(2021年度の国勢調査)。じつは内陸部にある市では首都キャンベラに次いで2番目に人口が多い場所でもあります。

そのトゥウンバのもう一つの特徴が、標高691メートルの高原都市である点。州都ブリスベンからハイウェイにのるとずっとほぼ平坦なのですが、直前で急にうねうねと曲がる急坂になります。

そんなふうに急に周辺との高度が変わるからか、朝は霧がよく発生することでも有名。そしてその朝霧の水分がもしかしたら草花の成長を促すのか、この街は「ザガーデンシティー」(美しい庭の街)の異名をとっています。

「ゴージャス系」の花々も。
「可憐系」の花々もどちらも素敵です。

そんなトゥウンバで毎年9月いっぱい開催されるのが、今回紹介する「カーニバルオブフラワーズ(花の祭典)」です。2023年の会期は9月1日~30日。そう本当に1か月丸々、この祭典で街がさらに彩られます。

見どころの1つが、普段にも増して鮮やかな花々で彩られる市内各所の公園。ちなみにこの街には150以上の公園があります。特に大きくて有名なのは「クイーンズパーク」(Queens Park)と「ローレンバンクパーク」(Lauren Bank Park)です。

主要会場の一つクイーンズパークには多くの人々が訪れます。

ただほかにも現在は観光列車で使われるスプリングブラフ駅脇のスプリングブラフレールウェイステーションガーデン(Spring Bluff Railway Station Garden)や、断崖絶壁からの180度の絶景が楽しめる「ピクニックポイント」(Picnic Point)など、それぞれ特徴がある公園が数多くあります。そしてなんとなんと「寿楽園」(Ju Raku En)という日本庭園もあるので、お見逃しなく。ちなみにトゥウンバは大阪府高槻市の姉妹都市です。

「寿楽園」に咲く梅なのか桃なのか桜なのか。いずれにせよ、9月は南半球の春。9月の花見もオツなものです。

また9月15日(金)~17日(日)、22日(金)~24日(日)は公園だけでなく、「ガーデニング自慢の一般家庭」の庭も公開され、地元の新聞社主催のガーデンコンテストが開催されます。

さらに会期中頃の9月15日(金)~17日(日)にはクイーンズパークに移動遊園地が登場し、花火大会も行なわれます。移動遊園地は日本ではなかなか楽しむ機会がないと思いますが、妙に幻想的で、しかも即席感あふれる分だけスリルも満点(当然のことながら政府が定める安全基準などは満たしているはずだとは思いますが……)。

最大のイベントは16日の午前中に開催される「グランドセントラルフローラルパレード」(Grand Central Floral Parade)。花々でディスプレイされたフロート(山車)や大道芸人たちが街の中心部を進み、沿道にはたくさんの見物客がつめかけます。

パレードでは沿道を人々が埋め尽くします。フロートが「手作り感」満載なのもご愛敬です。
パフォーマーたちも登場。

他にもフード&ワインフェスティバルなど、日替わりのイベントが盛りだくさん。ここではとても紹介しきれないですし、直前に各イベントの日時や場所の変更もあるかもしれないので、ぜひ本文一番下の公式サイトでご確認を。

空気の澄んだ高原都市で、花につつまれる1か月。日本からの直行便もあるブリスベンから高速バスで1時間45分。花好きのみなさんも、ゆるやかな時間を楽しみたいみなさんも、この南半球の春の訪れを祝う祭典にぜひ参加してみてください。

トゥウンバカーニバルオブフラワーズ(Toowoomba Carnival of Flowers)公式サイト https://tcof.com.au/

文・写真/君田亜礼(オーストリラア在住ライター)
世界100ヵ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」(https://www.kaigaikakibito.com/)の創設者兼お世話係。「ビズリーチ」や「Bizコンパス」といったビジネス系から、「エクスペディア」といった旅行系や「日刊SPA!」といったトレンド系まで様々な媒体で執筆。

 

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