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消化器内科医、美腸・美肌評論家の工藤あき先生

「食べるもので見た目の年齢は変わります」と話すのは、消化器内科医であり美肌評論家の工藤あき先生。実年齢は同じでも、肌がみずみずしく若く見える人もいれば、シミ、肌荒れ、くすみなどが目立つ人もいます。

そこで、著書『老けない人が食べているもの』(アスコム)で、「老ける人と老けない人の差は、遺伝やスキンケアの問題だけでなく、肌をつくる食事の内容にある」と語る工藤先生に、「食べもの」で見た目年齢をグッと若くする要点を伺いました。

1回目では、「見た目の年齢を変える食べもの」についてお話いただきました。2回目の今回は「老けない体のためのベース作り」の方法と、そのために意識したい食生活についてご紹介します。

取材・文/前川亜紀

糖化は老化。食後血糖値の上昇を抑える

——老化を早めるポイント4つのうち、1回目では「胃腸の不調」の改善方法を伺いました。ここでは、「糖化=体の焦げ」、「酸化=体の錆び」、「細胞のターンオーバーの乱れ」の改善方法をお願いします。

工藤先生(以下敬称略) まずは、甘いものの食べ過ぎを見直すことです。食事や間食で摂り過ぎた糖は、皮膚のタンパク質と結びついて硬くなり褐色に変質します。すると、「AGEs」という、老化を促進する物質が体内で作られ、シミやくすみになります。

これが「糖化=体の焦げ」の正体。年齢を重ねるたびに肌の透明感が失われて、弾力もなくなり、たるんでくるのはこの「AGEs」が原因なのです。

また、この物質は、疲れやすくさせたり、やがては動脈硬化や心筋梗塞の原因になるとも言われています。「糖化は老化」と心得てください。

この糖化対策には、食後の血糖値が上がりにくい食べ物を取り入れるといいですよ。

主食なら、そば、玄米、全粒粉のパスタやパンなど。間食にりんご、いちご、チーズ、ヨーグルト、高カカオチョコレートなどです。

間食がやめられないという人は、まずはそれを見直してはいかがでしょうか。手軽に甘いものを食べるのではなく、時間と量を決めるだけでも、摂取量は減らせるはずです。ただ、これは「言うは易し」で、なかなか難しいとは思うので、無理しない範囲で改善を。

増え続ける活性酸素は、抗酸化作用の高い食べ物で撃退

——「体の錆び」という言葉も、かなりインパクトがあります。年齢とともに錆びを意識することは増えました。「疲れた?」と言われることが増えるのは、肌が錆びてくすんだからだと思いますし、体も思うように動かなくなることも自覚します。

工藤 錆びの原因は「活性酸素」です。これは酸素と物質が結びついて、酸化することで発生します。ピンとこない人は、りんごを切った断面を想像してみてください。断面を放置すると、茶色く変色していきます。あの原因は酸化で、活性酸素が発生している状態なのです。

あのような変色が私たちの体内で起こっていると考えると、ゾッとする人も多いです。加齢に伴い体内の抗酸化作用は弱くなっているので、活性酸素は蓄積する一方とも言えるのです。

体内に活性酸素が増えていくと、見た目年齢が老けるのみならず、がんなどの病気の原因に結びつくと考えられています。

この活性酸素対策のために避けたい生活習慣は、過度な飲酒、喫煙、酸化した油を食べること、日焼け、過労、ストレスなどです。

積極的に摂取したいのは、抗酸化作用が強い食材……例えば、ブルーベリー、クランベリーなどのベリー類、トマトやパプリカなどの緑黄色野菜、サーモン、ナッツ類など。これらの食品には、活性酸素と結びつき、体内の酸化を防いでくれるポリフェノールを多く含んでいるからです。 自分の体と相談しつつ、適量を取り入れることで、「錆び」対策になります。ぜひやってみてください。

「良質なたんぱく質」と「オメガ3」を組み合わせて肌細胞を作る。次ページに続きます

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