
アストンマーティン史上、最も速く、最もパワフルなフラッグシップ「ヴァンキッシュ」のオープンモデルがリリースされた。唯一無二の存在感を放つ、ハイパフォーマンススポーツカーを紹介する。
文/竹井あきら
その魅力はウルトラ・ラグジュアリー
3月25日、アストンマーティンはフラッグシップコンバーチブル「ヴァンキッシュ ヴォランテ」を発表した。
アストンマーティンが初めて「ヴォランテ」の名を冠したのは、1965年に台数限定で制作された「ショートシャシーヴォランテ」だという。同じく1965年にはボンドカーとして『007/ゴールドフィンガー』に登場した「DB5」のオープンモデル「DB5ヴォランテ」が登場し、今年2025年はヴォランテ60周年に当たる。

「ヴァンキッシュ ヴォランテ」は、最新の3代目ヴァンキッシュのクーペモデルと同じ、最高出力835PS、最大トルク1000Nm、最高速度345km/h(214mph)を発揮する新型ツインターボチャージャー付5.2リッターV12エンジンを搭載。60周年を祝うにふさわしく、アストンマーティン史上、最も速く、最もパワフルなオープントップシリーズの量産モデルであり、クーペモデルと並んで、最速、最強のフロントエンジン車となる。

アストンマーティンのビークルパフォーマンス・アンド・アトリビューツ担当取締役であるサイモン・ニュートンは、「ヴォランテがクーペと同じクラストップレベルの性能を発揮できるよう、エンジニアリング部門は当初からクーペとヴォランテの両方を同時に開発し、ルーフを取り外した場合の性能への影響に対して妥協をすることなく、クーペの動的性能と個性を維持することができました。ボディ構造の最適化と独自のシャシーチューニングを組み合わせたことで、ヴォランテはクーペと同様に、驚異的な性能と能力だけでなく、ルーフを開けて走るオープンエア・ドライビングという新たな楽しみでも関心の的となるはずです」と語っている。

ソフトトップ「Kフォールドルーフ」は14秒で開き、16秒で閉じ、時速50km/h以下であればセンターコンソールのエレガントなメタルスイッチで開閉操作が可能。さらに、ルーフの開閉は半径2メートル以内であればスマートキーで遠隔操作が可能となっている。また、この断熱性、遮音性を高めたファブリックルーフは、シームレスに流れるボディのラインを損なうことなく、シート後方のトノー下に格納される。

独特な形状のクアッドテールパイプを有する、新開発のステンレススチール製エキゾーストシステムを搭載し、歴代ヴァンキッシュの代名詞であるV12の咆哮が乗員を包む。また究極のサウンドを求める人のために、明瞭で大音量の魅力的なV12サウンドを実現しながら、10.5kgの軽量化を実現したチタン製エキゾーストシステムもオプションで用意される。


2シーター構成のインテリアには精密なクラフツマンシップが貫かれ、究極のラグジュアリー感が味わえるだろう。インフォティメントシステムには10.25 インチの最新タッチスクリーンテクノロジーと触感重視のリアルなスイッチギアが備わり、ディスプレイのカスタム設定も可能となっている。

アストンマーティンのオーディオパートナーであるBowers & Wilkins の最高のシステムを標準装備。シームレスに統合した15個のスピーカーとダブルアンプのサラウンドサウンドシステムは、「ヴァンキッシュ ヴォランテ」専用にチューニングされている。

フラッグシップモデルらしく、ホイールリムやブレーキキャリパーからインテリアトリムに至るまで、エクステリアとインテリアは柔軟な組み合わせが可能。また、熟練のクリエイティブなデザイナーと直接相談できるカスタマイズサービス「Q by Aston Martin」による、オーダーメイドのカスタマイズも可能としているから、心ゆくまで唯一無二の1台を追求することもできる。

2025年第3四半期に最初の納車を予定し、現在、台数限定で受注を開始している。クーペ、ヴォランテ合計の総生産台数は年間限定1000台以下となる。
アストンマーティン ジャパン https://www.astonmartin.com/ja