
マツダロードスターの特別仕様車「35周年記念車」が発表された。デビューから愛され続けてきたライトウェイトスポーツカーの、熟成された魅力が詰まった1台となっている。
文/竹井あきら
熟成極まるモデルにふさわしいヴィンテージ感
「だれもが、しあわせになる。」という、初代ユーノスロードスター(NA)のカタログコピーを記憶しているひとも多いのではないだろうか。その初代がデビューしたのは1989年のこと。以来NB、NC、そして現行のND系まで4代にわたって進化を続けながら、2人乗り小型オープンスポーツカーとしては異例の120万台以上の販売実績を積み上げてきた。2000年には、「世界で最も多く生産された2人乗り小型オープンスポーツカー」としてギネスにも認定されている。
このロードスターが2024年に誕生35周年を迎えたことを記念し、2024年12月25日より、「マツダロードスター(ソフトトップモデル)」、「マツダロードスター RF(リトラクタブルハードトップモデル)」の特別仕様車「35周年記念車」の予約受付が開始された。マツダ曰く「1989年に初代ロードスターが誕生してから35周年を迎えることに対するお客さまへの感謝の気持ちを込めた特別仕様車」のリリースとなる。
35年の歴史で培った「熟成」と「ヴィンテージ」をテーマにし、熟成されたフルボディのワインをイメージさせる「アーティザンレッド」のボディカラーと、ワインに合うチーズのようなベージュ幌と上質なスポーツタンのインテリアを組み合わせた、熟成を極めた大人のためのロードスターに仕上げられた。チーフデザイナーの岩内義人氏によれば、ロードスターにおけるタンカラーの内装は1989年NAロードスターの「Vスペシャル」が起源。“V”はヴィンテージの頭文字で、シックで大人なヴィンテージ仕様は2000年NBロードスターの「NRリミテッド」以来23年振りの復活なのだという。

「35周年記念車」は、「ロードスターS Leather Package V Selection(6MT)」と「ロードスターRF VS(6MT)(6EC-AT)」をベースとし、ボディラインの造形美を際立たせるマツダ独自の塗装技術「匠塗TAKUMINURI」による特別塗装色「アーティザンレッドプレミアムメタリック」のボディカラーをロードスターとして初採用。シリアルナンバー付きの専用オーナメントや高輝度塗装のアルミホイールが備わる。

また専用インテリアとして、床やフロアマットもタンカラーで統一し、エンボス加工が施されたヘッドレストや、ダークレッドのエアコンルーバー加飾が追加されている。

さらに推薦ショップオプションとして用意される、35周年記念車の専用外板色「アーティザンレッドプレミアムメタリック」のセレクティブキーシェルは、タン内装に映えるオーナー心をくすぐるアクセントになりそうだ。

「35周年記念車」の注文受付期間は3月3日までを予定。国内向けの生産計画台数は「マツダロードスター(ソフトトップモデル)」、「マツダロードスター RF(リトラクタブルハードトップモデル)」合わせて1000台を見込んでいるという。
価格は、SKYACTIV-G1.5エンジン搭載の「マツダロードスター(ソフトトップモデル/6MT)」が3,753,200円。SKYACTIV-G2.0エンジン搭載の「マツダロードスター RF(リトラクタブルハードトップモデル」の6MT仕様が 4,354,900円、6AT仕様が4,382,400円(いずれも税込)となる。
初代NAの「だれもが、しあわせになる。」というコピーの前には、「このクルマを手に入れるほんの少しの勇気を持てば」という一節がある。2人しか乗れなくて、荷物もたいして積めなくて、幌を開ければ髪が乱れる2シーターオープンスポーツは、ちょっと勇気がいる選択だ。ライフステージによっては、どうにも許されないこともあるかもしれない。でももし“ほんの少しの勇気”で手に入れることができるなら、便利とか効率とかいう尺度では計れない、「走る歓び」を超えた「生きる歓び」をもたらしてくれるに違いない。
「ロードスター35周年記念特設ページ」: https://www.mazda.co.jp/cars/roadster/35th-anniversary/
「マツダロードスター」に関する情報サイト:https://www.mazda.co.jp/cars/roadster/