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老舗の技と矜持が光る伝統工芸品の「べっ甲細工」

べっ甲は日本に古くから伝わり珍重されてきました。奈良の東大寺・正倉院にもべっ甲細工の宝物が多数納められています。この度訪れた『江戸べっ甲屋』は、江戸時代の享和2(1802)年に日本橋馬喰町で創業しました。江戸時代から受け継がれてきた高い技術によって作られる同社のべっ甲細工は、東京都の伝統工芸品の指定を受けています。

現在は7代目の石川浩太郎さんがその技を受け継ぎ、経営者でありながら、職人、アーティストとして新しい時代の作品作りに取り組んでいます。

7代目の石川浩太郎さん。技術の保存・継承に努めながら、作家として現代的作品にも挑む。

べっ甲は、ウミガメの一種であるタイマイの甲羅や爪を加工したもの。甲羅は1~5mmほどと薄く、目的に応じて数枚重ね合わせ、厚みを出す必要があります。そのために、まず色合いや模様の似た甲羅を探して重ね合わせ、水と熱を加えて重しをかけて圧着します。その際、接着剤は一切使いません。

「べっ甲を作るうえで一番難しいのは、この“地作り”という作業です。地味ですが何十という工程すべてに、経験とカン、手作業による微妙な調整が必要で、機械化することは難しいのです」と石川さんは言います。

タイマイはワシントン条約により取引が禁止されている絶滅危惧種。
さまざまな色や柄を使い分けます。重ねる際に、模様が合うようにそろえる作業が最も重要です。

今回『花人日和』オリジナルとして同社に製作してもらったルーペネックレスは、こうした工程を経た後にカットや磨きなどの加工を施したもの。まさに丁寧な手仕事から生まれた逸品です。

過去に確保した貴重な原料だけを用いて、伝統の技術で加工したべっ甲細工は、これからますます入手が困難になります。この機会にぜひ手にしてみてはいかがでしょう。

『花人日和』オリジナル ルーペネックレスの製作過程(一部工程抜粋)

1.デザイン画をおこす

イメージデザインを描いたら、それをもとにアクリルやプラスチックで型紙を作る。

2.型紙に合わせて糸鋸で切る

べっ甲は貴重な材料ゆえ、無駄のないように計算しながら糸鋸などを使い、手作業でカットする。

3.同じような模様を選び、重ね合わす

斑(ふ)という柄の配置を計算してカットし、重ねて厚みを出す。ルーペネックレスの厚さは約3mm。

4.熱で圧着し、厚みを出す

水に浸けて浸透させた材料を、熱した鉄板の上で温め、油圧機で加減しながらプレスする。

5.圧着したものを成形する

重ね合わせたべっ甲の水分量を数日かけて調整し、右のルーペの形にカットして加工していく。

『花人日和』オリジナル「べっ甲のルーペネックレス」

ストラップのカラー:ダークブラウン

こちらは『江戸べっ甲屋』と『花人日和』がコラボしたルーペネックレス。勾玉(まがたま)形の真ん中に倍率3倍のルーペをはめ込み、手もとが見えにくいときすぐに使うことができます。牛革に瑪瑙(めのう)の付いたストラップは、長さの調節が可能。ストラップのカラーはダークブラウンとオレンジがあり、ルーペは共通です。

ストラップのカラー:オレンジ。おしゃれで実用的なアクセサリー。

※べっ甲部分は天然素材のため、色柄は1点1点異なります。
※受注生産品のため、ご注文からお届けまでは約30日ほどかかります。

べっ甲のルーペネックレス

『花人日和』×江戸べっ甲屋
各33,000円(消費税込み)

 

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