奈良時代、日本の首都「平城京」として栄えた奈良県奈良市。東大寺、興福寺などの名だたる古刹が点在する歴史的な地に、「井上企画・幡」(以下「幡」)は本社を構えています。同社は、奈良を拠点に活動していた写真家・井上博道氏と妻・千鶴氏の2人によって、1987年に設立。日本古来の伝統美とその精神性を現代に生かすもの作りを目指して創業されました。
社名の「幡」とは、仏教の法要の際に寺院の境内に立てられる飾り布の名称。古の時代から奈良の寺院にはためく美しい「幡」のごとく、奈良の象徴的な存在となれるよう、願いを込めて名付けられました。
地場産業「かや」衣類のヒット
現在、代表取締役を務めるのは、創業者・井上夫妻の長女である林田千華さん。
「日本人の美意識を大切にしながら、素材のよさと使い勝手にこだわった商品作りをしています」。そう語る林田さんは、最初は手織り麻のテーブルウェアやポーチなどの雑貨を中心に手がけていましたが、奈良の地場産業である目の粗い生地「かや」(蚊帳)の通気性や吸水性に着目。2012年、「かや」の衣類をリリースしました。
洗うたびに柔らかくなり、体になじんでいく「かや」の衣類は、人気アイテムとなっています。
素材と向き合うもの作り
「幡」のもの作りを支えるのは、熟練の職人や社内のベテランスタッフたち。企画、デザイン、製造などさまざまな工程がありますが、特に手織りの麻生地の裁断は生地がよれやすく機械では困難なため、すべて手作業となります。染色や縫製は、奈良や京都などの技術力の高い職人に依頼。林田氏の美意識や素材へのこだわりを形にする強力なチームワークが、「幡」の真摯なもの作りを支えています。
大人の女性に合うリボンモチーフのバッグ
「大人の女性が日常で持てる上質なバッグ」を作りたいと、「幡」と共同開発を始めて約半年。ついに自信作が完成しました。素材は艶つやのある上質なリネンで、前面に大きなリボンをあしらった、品のあるかわいらしいデザイン。持ち手には丈夫な牛革を採用し、耐久性にも配慮。肩掛けにも手持ちにもなります。
A4判ファイルが収まるサイズで、型崩れを防ぐ底板を内蔵するなど細部まで使い勝手にこだわっています。重さは約430g と軽量。色は読者アンケートで人気を集めたネイビーや定番のブラック、上品なグレーパープルがあります。ブラックはフォーマルバッグとしてもお使いいただけます。
『花人日和』オリジナルリネンリボンバッグ
『花人日和』×井上企画・幡
10,450円(消費税込み)
動画/一瀬立子