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更年期障害、円形脱毛症……君島十和子さんが「56歳現在の自分」を赤裸々につづった7年ぶりの新刊『アラ還十和子』(講談社)が話題です。美のカリスマとして知られる君島さんが、年齢を重ねた過程での等身大の悩みや、今すぐ始められる美の秘訣を網羅しているとあり、発売前から重版が決定。

君島さんは執筆の背景を「子育て、家族、老い……経験を重ねて来た、ありのままの自分を伝えたくて」と語ります。前編では老化対策ほか美容を中心に、後編では夫婦や親子の関係についてお話を伺いました。

【前編の記事はこちら

結果を出すには地道に続けることが一番早道

――前編では「美に一発逆転はない」と伺いました。人生に一発逆転はありましたか?

「……(しばらく考えて)ないですね。ここでラッキーかつハッピーなことを言いたいのですが(笑)、やっぱりありません。

やはり、美容も人生も、これまでの自分が積み重ねてきたことの先に未来があります。一発逆転のように見えても、その背景には、相応の努力や経験、試行錯誤があります。もちろん、ショートカットができることもありますが、それにはある程度の代償を払わねばならないと感じます。

やはり、結果を出すには、地道に続けること。これが一番早いと思います。肌の状態については、年齢を重ねるほど、結果が如実に表れます。

例えば、 20 代のうちは、スキンケアを熱心にする人としない人の差はあまり出ませんでした。それは、元が若いので変化が出にくいからです。でも、50 代になると明らかに違いが出てくる。手をかけた分だけ、答えが返ってくるので、やりがいがあります」

――50代の女性は、薄毛や白髪を気にしている人も多いです。対策方法を教えてください。

「血行を促すために、頭のみ、温水と冷水を交互にかけるといいですよ。私はこれを始めてから髪がいきいきとして、今だに白髪が少ないんです。

温・冷の刺激で、毛細血管が収縮と膨張を繰り返し、栄養や酸素が毛根まで運ばれるからでしょう。頭皮マッサージもいいと思います。頭皮のみに温水と冷水を交互にかけての刺激は毎日できますので、ぜひ試してみてください」

演じる部分がそぎ落とされフラットな自分に

――心の若さについてもお聞かせください。『アラ還十和子』では、アイドルの推し活、読書などについても紹介していました。

「好きなこと、興味があることに夢中になるのは心の若返りに有効です。ただ、そのベースには心の豊かさがあると感じています。

心の豊かさの根源は、相手の痛みや苦しみがわかることだと感じます。私はまだまだだと思いますが、私なりに不器用に人生を歩んできたことは無駄ではないとは思っています。

学生時代からモデルの仕事をいただき、なんとなく社会に出てしまいました。社会人になる覚悟もできていませんし、基本の教養も身につけていません。ですから、30代で起業をしたときも、名刺交換、ビジネス上の挨拶や電話応対などが全くできておらず、恥をかきながらも社会人としてのマナーや心がけを学んできたのです。だからこそ、悩んでいる人、迷っている人に、寄り添いたいと思っています。

私達の年代は、見守る気持ち、寛容な心を育てることが、必要ではないかと思っています。 子育ても迷いの連続でした。出産して、母になった自覚もないまま、手探りの状態から、試行錯誤するしかないのですから。なんでもそうですが、正解はないと感じます」

――とはいえ、君島さんは、美のカリスマであり“完璧な母”として取り上げられることが多かったと記憶しています。正解を求められることもあったと思うのですが……。

「なるべく正直に思いを伝えるようにしていましたが、やはり、“君島十和子”という人物を演じている部分はありました。ただ、私の本質である、美容は十人十色だという考え方はメディアを通じても、届くとは感じていました。

年齢とともに、演じている部分は少なくなっていき、今回の本で、丸裸になったかもしれません(笑)。

そのひとつが、YouTubeやInstagramなどのSNSを積極的に行なうようになったことです。SNSで発信を続けるということは、自分の存在意義を問い続けることでもあります。私の場合、それにより自ずと鎧や装飾がそぎ落とされていき、フラットな状態の自分になることを感じていました。

また、感想やご意見をダイレクトにいただけるからこそ、臆せずに世界の隅々とつながることができるようになったとも感じています」

――メッセージの受け手との信頼関係を築くようなコミュニケーションは、まず、相手を信じることから始まります。運営するSNSが、平和で温かな雰囲気なのは、君島さんの心持ちに寛容と信頼、信念があるからだと感じました。そこでお伺いしたいのは、遠慮がないからこそ悪化してしまう家庭の平和について。特に夫婦関係で悩む人は多く、アドバイスをお願いします。

「私が申し上げるのもおこがましいのですが……もうまず大前提として相手を変えようと思わないことです。それでいて、我慢をしないこと。やってほしいこと・やめてほしいことがあれば、言葉にして伝えるのです。“我慢は美徳”と言われていますが、家庭では“我慢は百害あって一利なし”と心得たほうがいいです。

ただ、相手に伝えるときは、タイミングと言い方に気をつけます。大人の知恵があれば、それは自ずとできると思いますよ。

私も結婚30年近くなり、お互いのことをよく知っています。“何を大事にしているか”“何を大事にすべきか”はもうわかっていますから、その理解を踏まえて、言葉を組み立てていくのです。

私たち夫婦は、朝同じ場所に出勤し、夜は同じ時間に退勤して帰宅します。ずっと一緒なんです。かつて、仕事の帰り道に夫から“ご飯どうする?”と聞かれたときは、イライラして“食べますけど(怒)”と答えたことがありました。でもそのうちに、“疲れたから外で食べよう”とか“あるもので適当に”などと言うようになりました。

そういう日々があったから、コロナ禍に夫が料理を始めたときは驚きました。夫は動画を観ながら1品ずつ作ります。

例えば、サラダを作って、その30分後にお味噌汁ができて、メインディッシュが出るのは夜9時近くになることもあるのですが、作ってくれることをありがたいと思っています。 一部始終を夫に任せ、出されたものを“おいしいね”といただくのみです」

――「見ていられない」と手を出してしまいたくなってしまいそうです。加えて、キッチンに余計なものが増えそうです。例えば、日常的に使わないスパイス、使い道が限定された調理道具などなど……。

「それもまた、変化の一部です。相手の行動をそのまま受け取ると、相手に敬意として伝わると感じています。家族で大切なのは“手出ししない勇気”でしょう。これは夫に限らず、娘たちも同じです。“迷ったり悩んだりしているんだろうな”と思っても、本人が言い出さない限り見守っています。

アラ還になり、“しないこと”の大切さに気付くことが増えました。美容も健康も余計なことをしないほうが、いい結果が出ることは確信しています。

余計なことをしなければ、自分の時間も増えていくんです。読者さんには私と同世代が多いと聞きました。私たちは経験を重ね、心も強くなってきたのではないかと思います。 これからは、自分の時間と強いメンタルを味方に、いろんな挑戦を続けたほうが、人生はより輝くと思います。自分を愛し、受け入れて、人生100年時代を朗らかに生きていきましょう」

君島十和子
美容家/FTCクリエイティブディレクター
1966年、東京都生まれ。モデル、女優として活躍したのち、君島誉幸(たかゆき)氏と結婚。現在は、二人の娘の母として家事や育児をこなしながら、君島インターナショナルのスーパーバイザーを務め、「フェリーチェ青山」のディレクションにも携わっている。https://lit.link/towakokimijima Instagram:@ftcbeauty.official

***

『アラ還十和子』君島十和子著 講談社

君島十和子さんの美しさを支える考え方やメソッド、“おうちごはん”のレシピや愛用の掃除グッズなどを紹介。仕事や家族、友達への思い、生き方などが飾らない言葉で綴られており、年齢を重ねてさらに輝く秘訣がわかる一冊。

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取材・文/前川亜紀 撮影/横田紋子(小学館) ヘア&メイク/黒田啓蔵(Iris) スタイリング/後藤仁子

 


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