
クラシックなスタイルからスポーティなデザインまで幅広く揃うコート。はじめてのスタイルに挑戦するのか、慣れ親しんできたスタイルを踏襲するのか……。着丈に注目することも、選択のヒントにしてほしい。
ロングなデザイン
クラシック&モダンなバルカラーのスタイルで


フロントの仕様は、ボタンが隠れる比翼仕立て。すっきりとしたスタイルに見えるほか、わずかなボタンホールから抜ける寒風も防ぐ。

ヘリンボーンをベースに、色糸の細い窓枠柄を織り込んだ、英国伝統のハリスツイードを採用。大ぶりのシルエットに懐かしさが宿る。
肉厚で、しっかりとした生地感のツイード素材を使ったバルカラーコート。ラグランスリーブの仕立て。脇ポケットは斜めにデザインしたスラントポケット、左右の袖口には袖の絞りを調整できるストラップを配す。どっしりとした着用感は、このコートの持ち味だ。着丈はLサイズで106cm。
●コート28万6000円/アスペジ eトヨダトレーディング プレスルーム 電話:03・5350・5567
クラシックなバルカラーコートをあえてスポーティに着こなす技
色彩と素材の対比によるアクティブなコートスタイル

ツイード素材を使ったバルカラーコートを、あえてスポーティに着こなすことでスタイルの愉しみが広がる。クラシック=正統という一般的な考えから、クラシック<スポーツにアレンジすれば、旅でも心地のよいコーディネートになる。
●コート28万6000円/アスペジ eトヨダトレーディング プレスルーム 電話:03・5350・5567 ニット4万8400円/スローン eインターナショナルギャラリー ビームス 電話:03・3470・3948 Tシャツ1万2100円/ナイジェル・ケーボン eアウターリミッツ 電話:03・5413・6957 パンツ9900円/ラングラー eエドウイン・カスタマーサービス70120・008・503 靴3万800円/クラークス×シップス eシップス 銀座店 電話:03・3564・5547 帽子1万3200円/テクネ eカナル 電話:03・6661・6190
ハーフなデザイン


すっぽりと頭を包むフードの喉元に、首回りを覆うチンストラップをデザイン。さらに寒さを凌ぐ場合、マフラーを巻ける余裕もある。

伝統ある英国のダッフルコートメーカー、グローバーオールとのコラボで誕生。生地はなんと、限定的に復活したムーアブルックだ。
目が覚めるような冴さえたブルーが印象的
落ち着いた色合いのダッフルコートが多い中、鮮やかなロイヤルブルーの厚いウール生地で表現した一着。ダッフルを象徴するフロントの4つのトグルは、すべて水牛の角つのを使う。いかにも本格的なダッフルのスタイルをモダンな色彩で仕上げている。着丈はサイズ42で100cm。
●コート17万6000円/ベイカー・ストリート eSANYO SHOKAI カスタマーサポート 電話:0120・340・460
湾岸作業の防寒着由来のダッフルに軽やかなスーツを合わせる洒落心

存在感あるブルーを活かし、軽くしなやかなスーツで
コートの美しい色を活かすために、スーツはモノトーンでコーディネート。ジャケットの下に黒の薄手のニットを合わせ、仕上げはスカーフと黒のジョッパーブーツ、ニットのグローブで。
●コート17万6000円/ベイカー・ストリート eSANYO SHOKAI カスタマーサポート70120・340・460 スーツ17万6000円/ブリッラ ペル イル グスト、グローブ1万4080円/アルポ e共にビームスF 電話:03・3470・3946 ニット3万8500円/フィリッポ デ ローレンティス eトヨダトレーディング プレスルーム 電話:03・5350・5567 靴12万6500円/ボードイン&ランジ eコロネット 電話:03・5216・6521 スカーフ1万9800円/ヴィンセンツォ ミオッツァ eシップス 銀座店 電話:03・3564・5547
基本の形をおさえて、生地の表情で遊んでみる
新作コートを見渡すと、クラシックなタイプからスポーティなスタイルまで今季も多彩だ。暖かなウールや機能的素材など生地も多様化している。
そこで、厳選して旅の相棒に相応しいコートを紹介したい。選ぶ基準としたのが、コートの着丈の長さ。ロングとハーフとに分類した。コートは、ロングとハーフのデザインで捉えると、着た時のシルエットがわかりやすいうえ、用途も明確になるからだ。ロングは王道のコートスタイルを作り、ハーフはより活動的な場と相性がいい。
言わずもがな、多くのコートは防寒目的で発祥したため、必然的にシルエットが長くなる。伝統的なスタイルを継承する、ロングのデザインこそコートの王道といえる。バルカラーコートやトレンチコートなどが代表的なデザインだ。
着丈105cm以上をロングなデザインとし、今回は各商品説明に着丈を明記(すべて編集部調べ)してある。
着丈に関して、もうひとこと加えておきたい。コートの裾の位置は、膝をポイントにして見る。コートの裾が、膝上にあるのか、膝下にあるのかで、着た時の印象が格段に変わる。膝上の方が軽快かつ美しく、さりげなく今っぽいバランスになる。
一方、ハーフなデザインはお尻が隠れる程度の長さが目安となる。ダッフルコートやピーコートなどが親しみのあるデザインであろう。先にも触れたように活動的で、その軽快さからスポーティなイメージを表す。
最後に、生地の種類や質感の見極めで、より一層コートの持ち味が愉しめることを伝えたい。
手応えのある昔ながらのしっかりとしたツイード素材や、肉厚のウール生地を使ったコートは、趣のあるクラシックなスタイルを演出してくれる。軽快かつモダンなシルエットを表現したい時には、ナイロンや化学繊維を織り込んだ生地を選ぶといいだろう。
そんな目安を頼り、旅の相棒となるコートを探し出したい。
ロングなデザイン
化繊素材を取り入れたモダンなトレンチ


今季注目のテロテロとした化繊混生地を使った、本格派のトレンチ。柔らかい生地は、流れるようなドレープ感があり、エレガントなスタイルとなる。ベルトや袖口のストラップなど、細部の仕上げも見事。着丈はLサイズで110㎝。
●コート11万円/ポール・スミス eポール・スミスリミテッド 電話:03・3478・5600
生地はデッドストック、別注ライディングコート


ラベンハム社のデッドストックから選んだ生地は、伝統ある英国ムーン社のチェック柄。ライディングコートを基本としながらも、1970〜80年代のシングルのラグランコートがデザインの源だ。着丈はMサイズで114cm。
●コート13万7500円/ラベンハム eエディフィス新宿店 電話:03・5366・5481
ハーフなデザイン
カシミア混の生地を使う、正統派ピーコート


英国海軍の艦上用の防寒着を発祥とするピーコートを、イタリアブランドが洗練されたスタイルで形作る。ダブルの前身と大きな襟が持ち味で、完成された着丈のバランス。着丈はサイズ50で78cm。
●コート29万9200円/スローウエア モンテドーロ eコロネット 電話:03・5216・6521
モッズコートを基に、奈良墨で染めた生地


高密度に織り上げたナイロン生地とライナーともに、糸から設計したオリジナル。奈良墨を用い、洗いを掛けた味のある風合いが絶妙だ。シワが気にならないため、持ち運びにも便利である。着丈はLサイズで85cm。
●コート15万4000円/エイトン eエイトン青山 電話:03・6427・6335
構成・文/矢部克已(UFFIZI MEDIA) 撮影/池田 敦(CASK)スタイリング/武内雅英
(サライ2026年1月号より)





