
タグ・ホイヤーから、モータースポーツファンの心を熱く沸き立たせる特別なタイムピースが登場しました。「タグ・ホイヤー モナコ クロノグラフ ストップウォッチ」は、同社がF1モナコGP史上初のタイトルパートナーとなることを記念して製作された世界限定970本の特別なモデル。1960年代から70年代にかけてサーキットで活躍したホイヤーのストップウォッチに着想を得たデザインが大きな話題となっています。
文/土田貴史
F1史上初のタイトルパートナーシップを記念した限定970本の傑作
この新作の最大の魅力は、レーシング計時の黄金時代を現代に蘇らせたデザインにあります。当時、タイムキーパーたちが首にかけて使用していた計時機器の高い視認性と精確性を、現代の技術で見事に再現しているのです。
シルバーオパーリンの下地にブラックの円形レイアウトを重ねることで生まれる鮮やかなコントラスト、そしてダイヤル外周を囲む鮮烈なレッドのミニッツトラック。これらの要素が織りなすビジュアルは、クロノグラフならではの美しさを際立たせています。

1969年に登場した初代「ホイヤー モナコ」は、世界初の角型自動巻クロノグラフとして時計業界に衝撃を与えました。左側に配されたリューズ、シグネチャーのブルーダイヤル、大胆なプロポーションなど、すべてが伝統を打ち破る革新的なデザインでした。新作では、軽量で耐久性に優れたブラックDLCコーティングを施したチタンケースを採用し、このアイコニックなフォルムにモダンな解釈を加えています。ケース径39mmという絶妙なサイズ感は、現代の腕元にも自然にフィットします。

1971年、スティーブ・マックイーンが映画『栄光のル・マン』で「ホイヤー モナコ」を着用したことで、この時計はモータースポーツの黄金時代と永遠に結びつく存在となりました。新作もまた、そのレーシングDNAを色濃く受け継いでいます。ブラックのパンチング加工を施したカーフレザーストラップは、世代を超えて多くのドライバーに愛用されてきたレーシンググローブを想起させます。細部に至るまで、モータースポーツへの深い愛情とリスペクトが込められているのです。

この時計が970本の限定生産である理由は、ブランドとモータースポーツとの関係性を形作った1970年代への明確なオマージュです。心臓部には、オリジナルの「ホイヤー モナコ」とメカニカルにつながる「キャリバー11」が搭載され、その精神と精度を現代に継承しています。
デジタル全盛の時代だからこそ、クロノグラフの持つ物理的な美しさと機械的な精密さが、時計愛好家の心を強く惹きつけます。針の動き、ダイヤルのレイアウト、プッシュボタンの操作感——これらすべてが織りなすアナログ時計ならではの体験は、まさに時を刻む芸術品と呼ぶにふさわしいものです。
「タグ・ホイヤー モナコ クロノグラフ ストップウォッチ」は、極限の状況でこそ真価を発揮する計時のレガシーを現代に蘇らせた、真のタイムピースです。コレクター、モータースポーツ愛好家、そして過ぎゆく時の価値を理解するすべての人々にとって、心を熱く沸き立たせる特別な一本となることでしょう。

自動巻き(キャリバー11)、グレード2チタンケース(39✕39mm)、ブラックDLCコーティング、100m防水、パンチング加工ブラックカーフレザーストラップ、世界限定970本、147万4000円(税込)。問い合わせ/LVMHウォッチ・ジュエリー ジャパン タグ・ホイヤーTel.03-5635-7030
https://www.tagheuer.com