スペイン、バルセロナにそびえるサグラダ・ファミリア聖堂は、長らく「未完の聖堂」と呼ばれてきました。設計者は、バルセロナを中心に活躍した建築家、アントニ・ガウディ。バルセロナには、サグラダ・ファミリア聖堂をはじめカサ・ビセンス、カサ・バッリョ、カサ・ミラ、グエル公園などのガウディの建築が点在し世界遺産に登録されています。
これらの建築群は、一度見たら忘れることのできないユニークな造形で世界中の人々を魅了しています。
東京国立近代美術館の「ガウディとサグラダ・ファミリア展」は、完成の時期が視野に収まってきたことで、近年関心が高まっているサグラダ・ファミリア聖堂に焦点を絞り、ガウディの建築思想や造形原理に迫る展覧会です。(6月13日~9月10日)
本展の見どころを、広報担当者にうかがいました。
「見どころの1つめは、ガウディの創造の源泉を探ることです。
ガウディは、西欧建築の歴史、異文化の造形、自然が生み出す形の神秘を貪欲に吸収し、そこから独自の法則を生み出しました。「歴史」「自然」「幾何学」の3つをポイントとして発想の源泉を探ります。
見どころの2つめは、聖堂の建設のプロセスを追います。
この聖堂建設のプロジェクトは誰の発案で始まり、その後どう変遷したのか。さらに、模型を使って聖堂の形と構造を探ったガウディ独自の制作方法にも注目し、140年を超える長い建設の過程で、ガウディ没後にプロジェクトを引き継いだ人々の創意工夫にも光を当てます。
見どころの3つめは、総合芸術としてのサグラダ・ファミリア聖堂の豊かな世界をひもときます。
ガウディは、聖書の内容を表現する彫刻に取り組むほか、外観・内観の光と色の効果や建物の音響効果にも工夫を凝らし、諸芸術を総合する場として聖堂を構想しました。本展ではガウディの彫刻術にも焦点を当てることで聖堂の豊かな世界に迫ります。
見どころの4つめは、サグラダ・ファミリア聖堂の壮麗な空間を、映像を通して空中散歩できるところです。
NHKが撮影した高精細映像やドローン映像を駆使して、肉眼ではとらえられない視点で聖堂を散策。いよいよ最終段階に向かう聖堂の現在の姿を最新の映像で伝えます」
サグラダ・ファミリア聖堂のすべてが分かる圧巻の展覧会!! ぜひ会場に足をお運びください。
【開催要項】
ガウディとサグラダ・ファミリア展
会期:2023年6月13日(火)~9月10日(日) ※会期中一部展示替えあり
会場:東京国立近代美術館 1階企画展ギャラリー
住所:東京都千代田区北の丸公園3-1
電話:050・5541・8600(ハローダイヤル)
展覧会公式サイト:https://gaudi2023-24.jp/
開館時間:10時から17時まで、金・土曜日は20時まで(いずれも入館は閉館の30分前まで)
休館日:月曜日(ただし7月17日は開館)、7月18日(火)
料金:公式サイト参照
アクセス:公式サイト参照
巡回:佐川美術館(2023年9月30日~12月3日)
名古屋市美術館(2023年12月19日~2024年3月10日)
取材・文/池田充枝