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「気がきく人」とはどんな人でしょうか? さりげなくフォローできる、細かなところまで心配りされているなど、相手のことを考えて行動している人ではないでしょうか。「気がきく人」は人間関係をとても心地よくしてくれます。1000人以上を指導した元JALのトップキャビンアテンダントであり、現在は人材育成コンサルタントとして活躍している七條千恵美さんも、そんな気がきくたくさんの人に助けられてきたそうです。

そこで今回は、七條さんが自身の経験をもとに「真似したい」「やるとよくない」と感じたことを余すところなく詰め込んだ著書『「気がきく人」が大事にしている、ちょっとしたこと』から、「気がきく人」が大切にしてる贈り物を選ぶ際のポイントをご紹介します。

文/七條千恵美

本当に喜ばれるものを贈る

相手が善意だからこそ、「NO!」と言えずに困ったことはないでしょうか?

たとえば、好みでないものを何度もプレゼントされたり、食べきれない量の生鮮食品をもらったりしたときに「気持ちは嬉しいけれど……」と複雑な心境になった経験をしたことがある人は少なくないように思います。

私の知り合いの女性は、義理のお母さまが孫に何着も同じような高価な服を買ってきてしまうことにストレスを感じていました。はたから見れば、「もらっておけばいいじゃない!」とうらやましいとさえ感じます。

しかし、すぐに体が大きくなってしまう幼少期にそのようなものをたくさんもらっても、着る機会を失ってしまうことも多かったそうです。

また、いただきものなので処分にも気を使ってしまい、もっと有意義にお金を使ってほしいというのが本音のようでした。実母であれば、正直な気持ちを伝えられたのかもしれませんが、相手が義母の場合には事情が違うという人も多いでしょう。

ビジネスの場でもそれと似たようなことがあります。取引先やお客さまは身内ではなく、少し距離のある相手です。そのような人が、よかれと思って贈ってくださったものや、手土産として持参してくださったもの。遠慮したい事情があったとしても、わざわざ本音を打ち明けて関係がギクシャクするよりは、建前でも「ありがたく頂戴します」と受けとるほうが無難だということはよくあります。

しかし、せっかくであれば相手が心から喜んで受けとってくれるものに限りなく近づけたくはありませんか?

このようなとき、気がきく人は想像力をはたらかせて贈り物を選びます。

常温で日持ちするような個包装のお菓子であれば保管しておくのも便利ですが、冷凍庫や冷蔵庫での保管が必要になる場合は、相手の会社にそのための十分なスペースがあるかどうかを考えます。

会社によっては小さな冷蔵庫しかなく、それもすでに中がいっぱいということもあります。自分が渡したもののために、保管スペースを捻出する労力をかけるのは避けたいことです。

また、新鮮な果物は私も大好きではありますが、誰かが洗って皮をむいてカットして……ということが必要ならば、そのようなことを誰かができる余裕のある職場かどうかも、少し頭の片隅においておくといいかもしれません。「仕事が立て込んでいて猫の手も借りたいほど忙しい!」となると、果物をカットすることですら負担に感じるものです。

特にここ数年であれば、感染症拡大防止という側面からも、切り分けの手間もなく他人の手が触れない個包装のものが喜ばれるのではないでしょうか。それであれば、その日は在宅勤務で会社にいないスタッフのデスクに置いておくこともできます。

……といっても、あくまでもこれは「私の想像」です。すべての相手に当てはまるわけではありません。

ですが、こういった「想像力」をはたらかせることが何より大事なのです。あなたが手土産を選ぶ先は、どのような会社でどのようなオフィスでどのようなスタッフがいますか?

せっかくお持ちしたものが、わずかでも先方にとってストレスになることがないように、職場の人数や出勤形態、保管スペースがあるかないかなど、いろいろなことを想像し、皆さんに本当に喜んでもらえる手土産が選べるといいですよね。

【ポイント】
贈り物は相手がもらって手間にならないか、喜んでくれるかを考えよう!

* * *

「『気がきく人』が大事にしている、ちょっとしたこと」(七條千恵美 著)
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七條千恵美(しちじょう・ちえみ)
元JAL CA/人材育成コンサルタント。お客さまから多くの賞賛をいただき、際立った影響力を持つ客室乗務員として「Dream Skyward優秀賞」を受賞、取締役から表彰を受ける。また、TOP VIPフライトの中でも最上級ハンドリングのフライトであった皇室チャーターフライトのメンバーに抜擢された経験を持つ。2010年より2年間は教官として訓練生を指導。会社評価Sを獲得。マインドの授業に定評あり。2013年JALを退職後、人材育成コンサルタント/研修講師/ビジネス書作家として活動。パナソニック、コーセー、ポーラなどの大手企業から中小企業、商工会、教育機関など多岐にわたり講演や研修を行っている。接客マナー、職場内コミュニケーション、チームワーク、安全従事者としての心がまえなどを多くの人に広めていくことを使命とする。受講者からは「おもしろい!わかりやすい!背筋が伸びる!熱い!」という声が寄せられている。著書に『礼節を磨くとなぜ人が集まるのか』(青春出版社)、『接客1年生』(ダイヤモンド社)、『ザ・チームワーク』(アルファポリス)、『接客の一流、二流、三流』(明日香出版社)、『人生を決める『ありがとう』と『すみません』の使い分け』(アルファポリス)。
公式サイト:https://glitterstage.com

 

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