シニア層に向けたスマホ教室がさまざまなキャリアなどで開催されているなど、近年のシニアの方々によるスマホの普及率は非常に高くなっています。
MMDLabo株式会社が運営するMMD研究所は、予備調査では60歳~79歳の全国の男女10000人、本調査ではスマートフォンメイン利用者500人、スマートフォン利用検討者358人、スマートフォン利用未検討者500人を対象に2023年8月25日~8月28日の期間で「2023年シニアのスマートフォン・フィーチャーフォンの利用に関する調査」を実施しました。調査結果をご報告していきます。
シニアのモバイル端末所有率は94.5%。そのうちメイン利用端末がスマートフォンなのは91.9%
まず初めに、60歳~79歳の全国の男女10000人を対象に、モバイル端末の所有について聞いたところ、モバイル端末の所有率は94.5%となりました。
メインで利用しているモバイル端末の内訳を見ると、「スマートフォン」が91.9%、「フィーチャーフォン」が5.0%、「ガラホ(4G LTEケータイ)」(※以下、ガラホ)が3.1%という結果になっています。
スマートフォンとフィーチャーフォンの利用割合について、2012年から行なっているシニア調査を元に2023年までの推移を集計したものが上のグラフです(※1)。2023年のスマートフォン利用者は、2022年の89.0%から2.9ポイント増加し、91.9%に。2012年12.7%から見てみると79.2ポイント増加となっています。
一方、2023年のフィーチャーフォン利用者は、2022年の7.3%から2.3ポイント減少し、5.0%という結果に。2012年の87.3%と比べると82.3ポイント減少となっています(※2)。
(※1)過去調査の一部は50歳~59歳を含んでいるため、本推移は比較のために60歳未満を切り捨てて集計
(※2)2018年、2019年調査は複数回答で利用しているモバイルデバイスについて聞いているため、スマートフォン利用・フィーチャーフォン利用の推移は、比較のためにスマートフォンとフィーチャーフォンの2台持ちをしている対象者は除外して集計
フィーチャーフォン・ガラホ利用者のうち38.2%がスマートフォンへの乗り換え意向
次に、フィーチャーフォンもしくはガラホのみ利用している710人を対象に、スマートフォンへの乗り換え意向を聞きました。「いますぐにでも乗り換えたい」が2.5%、「いますぐにではないが、乗り換えを検討している」が35.6%と、スマートフォンへの乗り換え意向は合わせて38.2%。「乗り換えは検討していない」が61.8%となりました。
フィーチャーフォン・ガラホ利用者の約3割が月間のデータ容量を把握。そのうち、「1GB以下」が83.1%で最多
フィーチャーフォンもしくはガラホをメイン利用している738人を対象に、直近で利用している月間のデータ容量について聞いたところ、32.1%が「把握している」と回答。
さらに、直近で利用している月間のデータ容量を把握している237人を対象に、利用しているデータ容量について聞いたところ、「1GB以下」が83.1%と最も多く、次いで「2~3GB」が7.6%、「4~5GB」が6.8%となりました。
シニアが契約している通信会社は「docomo」も、乗り換えを検討している通信会社は「楽天モバイル」が最多
スマートフォンメイン利用者8685人を対象に、現在契約している通信会社を聞いたところ、「docomo」が27.4%と最も多く、次いで「Y!mobile」と「MVNO」が13.0%、「au」が12.7%となりました。
次に、スマートフォン利用検討者358人を対象に、契約を検討している通信会社について聞いたところ、「現在と同じ通信会社のままスマートフォンに乗り換えたい」が27.4%、「乗り換えを検討している通信会社がある」が26.0%、「特に決めていない」が46.6%という結果になりました。
乗り換えを検討している通信会社がある93人を対象に、契約を検討している通信会社を聞いたところ、「楽天モバイル(最強プラン)」が18.3%と最も多く、次いで「docomo」と「Y!mobile」が14.0%、「au」が11.8%となりました。
スマートフォン利用者の通信会社契約理由は「通信料金が安い」「ちょうどよい料金プランがある」
スマートフォンを持っている8643人を対象に、現在利用しているスマートフォンの通信会社を選んだ理由について聞いたところ(複数回答可)、「通信料金が安いから」が31.5%と最も多く、次いで「ちょうどよい料金プランがあるから」が24.9%、「家族が同じ通信会社を利用しているから」が23.6%となりました。
次に、フィーチャーフォンもしくはガラホを持っているスマートフォン利用検討者790人を対象に、スマートフォンの契約を検討している通信会社を選んだ理由を聞いたところ(複数回答可)、「家族が同じ通信会社を利用しているから」が20.4%と最も多く、次いで「安心できる会社だから」が17.6%、「以前から利用していた通信会社と同じだから」が15.3%という結果になりました。
※ ※ ※
シニア層のスマートフォン利用率は約92%と高い数字になっています。フィーチャーフォン・ガラホ利用者のうち38.2%がスマートフォンへの乗り換え意向があるように、シニア層のスマートフォン利用率は今後さらに上昇していくことが予想されます。
■調査概要
調査期間:2023年8月25日~8月28日
有効回答:<予備調査>10000人<本調査>1358人
※スマートフォンメイン利用者(n=500)、スマートフォン利用検討者(n=358)、スマートフォン利用未検討者(n=500)
調査方法:インターネット調査
調査対象:<予備調査>60歳~79歳の全国の男女/<本調査>スマートフォンメイン利用者、スマートフォン利用検討者、スマートフォン利用未検討者
設問数:<予備調査>16問<本調査>15問
※本調査レポートは小数点以下任意の桁を四捨五入して表記しているため、積み上げ計算すると誤差がでる場合があります。
文/ふじのあやこ