4月で気温が30度を超える地域もあるなど、数年前から異常気象のニュースを頻繁に目にするようになってきました。日本だけでなく、世界でも大雨による洪水、熱波や寒波など、毎年のように起こっています。その原因のひとつとも言われているのが、大量生産、大量廃棄というかつての経済活動です。
MMDLabo株式会社が運営するMMD研究所は、GMOリサーチ株式会社が提供する海外パネルを利用し、日本(東京)、アメリカ(ニューヨーク)、フランス(パリ)に住む20歳~49歳の男女を対象に2023年2月15日~2月20日までの期間で「日米仏3か国比較:都市部消費者の食の意識・動向調査(※)」を実施しました。環境問題や消費について、日本は世界と比べてどのような意識を持ち、取り組んでいるのでしょうか。調査結果をご報告します。
(※)日本(東京)在住者(以下、日本)は430人、アメリカ(ニューヨーク)在住者(以下、アメリカ)は406人、フランス(パリ)在住者(以下、フランス)は406人に調査を実施。本調査レポートは小数点以下任意の桁を四捨五入して表記しているため、積み上げ計算すると誤差がでる場合があります
米仏に比べ、日本の環境問題への意識が低いものが明らかに
まず、「環境問題や倫理的な消費への意識から取り組んでいること・心がけていること(複数回答可)」をうかがいました。日本、アメリカ、フランスともに、上位3項目は「買い物時にマイバッグを持つようにしている」「食品ロスがでないように心がけている」「外出時にマイボトルを持つようにしている」となりました。
続いて、3か国間で他国に対し20.0%以上の取り組みに差がある回答を確認したところ、日本-フランス、日本-アメリカ間に20.0%以上の差がある項目がありました。日本の「動物福祉が考えられた商品を購入するようにしている(放し飼い卵、動物実験なしなど)」がフランスに対し-30.4ポイントで最も差が大きく、次いで「有機農産物・無農薬農産物を購入するよう心がけている」がフランスに対し-26.8ポイント、「コンポストや生ごみ処理機等を使い、家庭ごみを減らしている」がフランスに対し-25.4ポイントという結果が出ています。
日本-フランス、日本-アメリカ間に20.0%以上の差がある上位3項目を年代別でみると、「動物福祉が考えられた商品を購入するようにしている(放し飼い卵、動物実験なしなど)」は、フランスの20代の割合が最も高く36.9%でした。フランスは20代~40代すべての年代で同程度の割合が取り組んでいることがわかりました。
「有機農産物・無農薬農産物を購入するよう心がけている」は、フランスの40代の割合が最も高く39.8%。「コンポストや生ごみ処理機等を使い、家庭ごみを減らしている」も、フランスの20代の割合が最も高く33.8%という結果になりました。
食品ロス削減を目的としたアプリの利用経験は、アメリカ36.9%、フランス53.7%に対し、日本は8.4%
続いて、「食品ロス削減を目的としたアプリの認知~利用・興味」について聞いたところ、認知している割合は日本が24.2%、アメリカが54.9%、フランスが84.0%という結果になりました。利用経験で見ると、日本は8.4%に対し、アメリカは36.9%、フランスは53.7%と大きな差がありました。
一方、「知らなかったが説明を見て興味を持った・利用してみたい」という割合では日本は31.6%となり、アプリを知れば興味を持つ層が日本も一定層いることがわかりました。
「食品ロス削減を目的としたアプリの認知~利用・興味」のアンケートにて、知っているもしくは利用しているエシカル消費の推進や環境問題に取り組むスマートフォンアプリを自由に記載してもらったところ、上記のような回答を得られました。
※アプリ説明の欄では、アプリ名をもとにApp StoreやGoogle Playでの説明文などから引用・作成しています。
いかがでしたか? 日本はマイバッグやマイボトルの持参などの意識はあるものの、まだまだ食品ロスに関したものの認知は低いようです。食品ロスは一人ひとりが「もったいない」という意識を持って取り組むことが大切です。こちらで紹介した食品ロス軽減を目的としたアプリに興味がある方はぜひチェックしてみてください。
■調査概要
調査期間:2023年2月15日~2月20日
有効回答:日本430人、アメリカ406人、フランス406人 ※人口構成比に合わせて回収
調査方法:インターネット調査
調査対象:日本(東京)、アメリカ(ニューヨーク)、フランス(パリ)に住む20歳~49歳の男女
設問数:20問
文/ふじのあやこ