40代・50代の女性の約半数が更年期による仕事への影響を実感中!
リアルな悩みは? 対策や職場に求める支援は?
「更年期ロス」とは、更年期症状によって仕事に何らかのマイナスの影響があった状態をいいます。
pluskampo株式会社が展開する、オンライン問診 漢方サービス「+kampo(プラス漢方)https://www.pluskampo.jp/」は、この度、5月28日の「女性の健康のためのアクション」国際デー(※)に合わせ、更年期世代である40代~50代女性を対象に、2022年4月13日~14日の期間で400名を対象にネットアンケートによる実態調査を実施しました。
※「女性の健康のためのアクション」国際デーとは、1987年に中米コスタリカで開催された「国際女性の健康会議」から始まりました。世界中のアクティビストたちが、毎年この日を共に祝い、声を上げ、連帯して様々な課題に挑戦し、活動を続けています。
約半数が更年期症状による仕事への影響を感じている!
更年期症状が仕事に影響があったと感じたことがありますか?、という質問に対し、約半数の49.3%が「仕事に影響があったと感じた」と回答し、約1/2の確率で、更年期症状による影響をなんらかの形で感じていることが判明しました。
更年期症状を感じている人にとっては、高い割合で仕事への影響を感じていると言えそうです。
仕事に関連する更年期症状の悩みに関しての1位は自信喪失
仕事に関連する更年期症状の悩み1位は「パフォーマンス低下による自信喪失」でした。2位は「感情がコントロールしにくいことによる人間関係への影響」、3位は「症状を理解してもらえない」が続きました。主な悩みの内容に関しては、“自分のせい”と考えている人が多数と言えそうです。
(※更年期症状を感じていない人の回答を含む/あてはまるものはないを除く)
対策による改善余地があるかも!? 症状への対策をしていない人が4割
1位は「何もしていない」で42.2%。2位が「睡眠や食事など生活習慣の改善」が17.3%、次に「気分転換をする」が15.9%と続きました。
(※更年期症状を感じていない人の回答を含む)
根本解決できていた人は4割未満の結果に
「改善しなかった」「一時的に改善した」を足すと64%。一時的な改善も含めると約6割の人が対策による改善を感じてはいるものの、根本的な改善につながった人は4割未満の36%に留まりました。
欲しい支援制度は休暇制度が1位の結果に。しかし必要なのは根本的な不調緩和の解決策!?
1位は「休暇制度」が29.6%、2位は「職場の同僚の理解」が22.3%、3位は「福利厚生による漢方などの支援」が22.1%という結果となりました。
また、アンケートから「婦人科受診紹介」や「相談窓口」の合計が23.5%あり、更年期症状にどう対応していいかわからず困っている人が約1/4いることが見受けられます。
「休暇制度」が最も多い結果となりましたが、休暇は不調を改善するためではなく不調時に一時的に休める環境を作ることであり、一般的には、根本的な解決にはならないともいえます。
休暇中に他の人が業務を行う必要があるため、周りの理解がより求められますが、妊娠・出産のように明確な期間がわからず、かつ更年期は長期にわたります。周囲へ負担をかけることによって、人によっては罪悪感を感じ、悪循環につながる可能性もあります。
優秀な人材の獲得が難しいと言われている中で、休暇制度の導入を実現するべく、雇用主は人事・組織づくりを広く検討する必要がありそうです。
約22%が求めている周囲の理解を深めながら、休暇という対症療法的措置ではなく不調を緩和するための解決策を探ることも必要かもしれません。
<調査概要>
調査概要:更年期ロスに関する調査
調査方法:WEB定量アンケート(クロス・マーケティング QiQUMOを利用した調査)
調査期間:2022年4月13日~2022年4月14日
調査対象:40代・50代女性
調査人数:400名
産婦人科医の高尾美穂先生に更年期と更年期ロスについてインタビュー
本調査を出すにあたって、高尾先生にも更年期ロスについてご意見をいただきました。
Q. 先生が更年期ロスについて課題を感じていらっしゃることをお伺いさせてください。
更年期の話題が世の中で語られ始めてから、まだ1年半ぐらいだと思います。
社会的な課題としては、人口が減少し、労働者数の減少が見込まれたなかで、女性にも活躍の場が広がってきており、働く女性を支援する具体的な方法が社会的に求められるようになりました。20年、30年前とは違い、社会も“更年期世代の女性が働かなければいけない”状況に変わってきており、日本の社会として、ようやくそこを支えましょうという時代になってきましたね。
政府が当初2020年までにと掲げた「女性管理職登用比率3割」の目標を達成するためには、この更年期世代を手厚くサポートし、不調を理由に仕事を辞める女性を減らすということが、具体的な課題になってきました。女性が望むというより社会が望んでることと考えたら、社会が準備すべきこと、という考え方もできるでしょう。
更年期世代の女性の健康を支援するには、仕組みやルールを作っていくことが必要だと思っています。更年期で困っているということに対し、周りの理解、不調に対して休みやすい環境などが必要だと思います。
また、私は産業医なので、辞める前に相談されるケースも多いです。ただ、大企業には産業医の先生は多くいらっしゃいますが、産業医学や内科が専門の、男性の産業医が多い傾向があります。そうなると相談先が保健師さんになり、保健師さんは社内にソリューションがなく、相談されたご本人が限界を感じて辞めてしまうケースが少なくないようです。働く女性が、専門的な知識を持つ医療職に相談できる仕組みが必要だと考えています。
Q.先生は「すべての女性によりよい未来を」というメッセージを発信されていますが、更年期に悩まれる女性へのメッセージはありますか?
更年期症状については、難しいことを考えず、平均的な状態より-60点もしくは-20点程なのか、くらいの違いをイメージしていただけるとよいのではないかと思います。
更年期症状がない人、わずかに不調がある人、不調がひどい人たちもいる。冷静にそういうグループ分けをして、自分がどこに位置するのかといった考えを持っていただけるといいなと思いますよ。
また、手に入れた情報を行動に移すかどうかは結局ご本人にかかっています。まずは正しい情報にアクセスし、”我慢”という思考停止に至らずに、何かできることはないか、探してみてくれたらといつも思っています。今の時代もっと楽に過ごしていける方法があることを含め、正しいことを粛々と伝え続けていきたいですね。
高尾 美穂/MIHO TAKAO 先生 プロフィール
医学博士・産婦人科専門医/日本スポーツ協会公認スポーツドクター/日本医師会認定産業医/女性のための統合ヘルスクリニック イーク表参道 副院長
東京慈恵会医科大学大学院修了後、慈恵医大病院、東京労災病院 女性総合外来などを経て現職。得意分野は女性スポーツ医学、婦人科内分泌。イーク表参道では女性それぞれのライフステージ・ライフスタイルに合った治療法を提示し、選択をサポートしている。現代のストレス社会に生きる女性が抱える不調を、産婦人科医として西洋医学的見地から、また産業医としての見地からとらえ、“楽に生きていける方法”をそれぞれの方に合わせて提案することをライフワークとしている。