レクサスのBEV(バッテリー式電気自動車)専用モデル「RZ」がマイナーチェンジを受け、併せてステアバイワイヤを搭載した新グレードが追加された。従来の機械式に代わって電気信号で運転制御を行うドライブバイワイヤは、どんな未来を見せてくれるのだろうか。

文/竹井あきら

電気自動車に操縦する歓びを

電気自動車は、私たちの生活の中で身近なものになりつつある。とくに近距離移動を担う軽EVは、エンジンの振動や音がないことに加え、ストップアンドゴーが快適な出足のよさ、そしてガソリンスタンドに寄る面倒もないとあって日常の足として浸透してきた。一方で、長距離移動や趣味性も求められるタイプのクルマでは、航続距離や充電インフラ、そしてドライビングプレジャーという点で、まだ様子見という向きも少なくない。

そんなBEVを取り巻く状況の中でレクサスが提示したのは、電動化はただ便利で無味乾燥なものではなく、クルマを操る歓びを次の次元へと引き上げる可能性があるということ。新型RZ、とりわけ2025年12月のマイナーチェンジに合わせて追加されたグレード「RZ550e“F SPORT”」は、クルマを操縦する楽しさを堪能したいこだわり派をターゲットにしたもので、内燃機関とマニュアルトランスミッションが好きだという人にこそ味見してもらいたいモデルだ。

今回のマイナーチェンジで、RZはBEVシステムを全面刷新。高出力モーターの採用により動力性能を高めながら、航続距離の伸長と充電時間短縮を実現している。

システム最高出力は、前輪駆動のRZ350e“versionL”が165kW、四輪駆動のRZ500e“versionL”が250kW、同じく四輪駆動で新たに設定されたRZ550e“F SPORT”は300kWとなっている。

一充電航行距離は、RZ350e“versionL”の18インチタイヤ装着車で733kmに達する。ちなみに同じ車格にあたるレクサスのSUV「RX」のガソリン・FFモデル「RX350“version L”」の燃費はWLTCモード11.8km/L。単純計算ではあるが、燃料タンクいっぱいの67Lのガソリンを使い切るまで走ったとして790.6kmだから、ほぼ同等まで伸長できたというわけだ。

そのほかBEV専用プラットフォームの改良や、四輪駆動力制御システム「DIRECT4」の進化も図られる大幅改良となっていて、一目で最新型とわかるようなエクステリアの変更がされていないのが不思議なほどだ。

そして最大のトピックは、RZ550e“F SPORT”に搭載されたレクサス初採用となるステアバイワイヤシステムだ。ステアリング操作を電気信号で前輪に伝えるこの仕組みは、従来の機械的な制約から操舵を解放する。

目にも新しい航空機の操縦桿のようなヨーク型のハンドルの、ロックトゥロックは約200度。手を持ち替えて360度以上くるくる回す必要がないからこその形状だ。走行状況に応じてステアリングギア比を最適化することで、ワインディングでの直感的な操作フィールや低速域での取り回し性を追求しているという。

RZ550e“F SPORT”のもうひとつの見どころが、「インタラクティブマニュアルドライブ」。無段階加速がデフォルトでワンペダルで完結できてしまうBEVでありながら、あえて疑似的なシフト操作を取り入れ、ドライバーに操作するひと手間とそれに呼応するクルマの息吹を感じる歓びを用意した。シフトチェンジとアクセル操作に呼応する音と加速の変化が、走りにリズムと高揚感をもたらす。そのサウンドには、天使の咆哮とも呼ばれるレクサスのスーパーカー「LFA」のエッセンスが感じられる。

同時に、RZ550e“F SPORT”をベースとしたより刺激的な特別仕様車「RZ600e“F SPORT Performance”」が3月2日から発売されることも発表された。開発にあたっては、エアレースパイロットの室屋義秀選手、レーシングドライバーの佐々木雅弘選手の力も借りて、空力と走りの性能を極限まで磨き上げたという。

RZ550e“F SPORT”から全高を20mm低くすることで、空気抵抗を軽減し、安定感のある走りを実現。システムトータル最高出力は313kWと13kW引き上げられた。加えて20インチ大型ブレーキローターを採用して制動力を向上させ、スポーツ走行に適したブレーキフィーリングを提供している。

エクステリアには、マットクリア塗装を施した「特別仕様車 ブラック&HAKUGINⅡ(白銀Ⅱ)」と「ブラック&ニュートリノグレー」の全2色を用意。インテリアには一体成型を用いた“F SPORT Performance”スポーツシートを採用し、スポーティで上質な室内空間をつくり出した。

メーカー希望小売価格(消費税込)は、RZ350e“versionL”が790万円、RZ500e“versionL”が850万円、RZ550e“F SPORT”が950万円。特別仕様車「RZ600e“F SPORT Performance”」の「特別仕様車 ブラック&HAKUGINⅡ(白銀Ⅱ)」が1244万円、「ブラック&ニュートリノグレー」が1216万5000円となる。

全国どこでも充電の不安なくドライブできるように、全国190店舗のレクサス販売店には50kW以上の急速充電器が設置されているが、より利便性を高めるために150kW以上の充電器の設置も進められているという。またレクサス販売店には、車両説明だけではなく、BEVにまつわる疑問や不安に応え、サポートしてくれる「BEVコンシェルジュ」も配置されているそうだ。

おもてなしに定評のあるレクサスで、BEVの可能性を体験してみるのも一興ではないだろうか。

レクサスRZ https://lexus.jp/models/rz/

 

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