
テスラ・モデルX、BMW iXやメルセデスベンツEQE SUV、アウディQ8 e-tronといった競合がひしめく中、ゼネラルモーターズが満を持して投入した電動ラグジュアリーSUV「キャデラック LYRIQ(リリック)」。高級BEV市場に新たに加わった選択肢の魅力を紹介する。
文/竹井あきら
日本市場に本気の右ハンドル仕様
キャデラックといえばアメリカ大統領専用車「ビースト」を手掛けることでも知られる、アメリカを代表するプレミアムブランド。3月8日から発売が開始された「キャデラック リリック」は、120年以上の歴史を誇るキャデラック初の電気自動車だ。2023年の米国販売以来、米国はもとより、ドイツの「ラグジュアリーカー・オブ・ザ・イヤー」ではアメリカ車初の受賞を果たすなど高い評価を受けている。
日本導入モデルはすべて右ハンドル仕様で、急速充電はCHAdeMOに対応することからも見て取れるように、日本市場をしっかり見据えた、満を持しての導入だ。このことは、日本導入発表会にGMジャパン代表取締役の若松格氏に加え、グローバルキャデラック・バイスプレジデントのジョン・ロス氏とGMアジアパシフィック・プレジデント&マネージングディレクターのヘクター・ヴィラレアル氏が登壇したことからも察することができるだろう。
リリックは、理想値といわれる50:50の前後重量配分の電気自動車専用プラットフォームを採用し、全輪を駆動する前後2モーターからのシステムトータル最高出力は384 kW・最大トルクは610 Nm。容量95.7 kWhのバッテリーを搭載し、一充電走行可能距離は510 kmを達成している。
回生ブレーキ機能により、アクセルペダルだけで加速から停止まで行えるスムーズなワンペダルドライブも可能。また、ステアリングのパドル操作だけでも完全停止まで制御することもできる。

エクステリアは、3mを超えるロングホイールベースがもたらす圧倒的なプロポーションに、流れるようなルーフラインの流麗なシルエット。21インチのホイールが標準装備され、ラグジュアリーSUVにふさわしい風格をまとう。

フロントフェイス中央に飾られる、王冠と月桂樹のリースが輝く紋章「キャデラッククレスト」は、新世代を感じさせるクリアタイプ。キャデラックの象徴ともいえる縦長のLEDヘッドランプが、上部のスワイピングLEDウィンカーとともに、存在感あるワイド&ローのフロントスタイリングを際立たせている。
高剛性ボディは静粛性にも貢献し、フロント・サイドの二重ガラスはもちろん、リアガラスには5mm厚の強化ガラスを採用。次世代型アクティブノイズキャンセレーションも備わる静粛な室内では、マイクとヘッドフォンの世界的なブランド「AKG」の全19個のスピーカーによる立体的でナチュラルな音響が享受できる。


インテリアのハイライトは洗練された、シンプルかつダイナミックなコクピットデザイン。直感的な操作でスマートなドライビングをサポートする湾曲型33インチアドバンスドカラーLEDディスプレイ、宙に浮いているかのようなセンターコンソール、リアルなウッドパネル、そしてローレット加工が施されたロータリーコントローラーが、上質さと未来的な印象を両立する。

ドアパネルには業界初のレーザーエッチングバックライトによってきらめくような光の動きを生み出す「KOMOREBI(こもれび)」があたたかみのある空間を演出。シート表皮にはレザーに代わるサステナブル素材「Inteluxe(インタラックス)」を、シートのクッション材にはロングドライブでも快適に過ごせる新開発の高密度フォームを採用し、後席レッグルームはクラス最高レベルを誇る。

寒冷地での走行にも対応し、フロントシートはヒーター&ベンチレーションを標準装備し、リアにもシートヒーターを備える。ワイパーパーク部に内蔵されたヒーターが雪や氷を解かす「ワイパーヒーター」や、空調には「ヒートポンプシステム」を採用するなど、厳しい冬においてもロングドライブの快適性が確保されている。
安全面も充実し、高度なレーダーやカメラ、超音波センサー技術によって周囲の交通を感知及び監視。アダプティブクルーズコントロールやレーンキープアシストなどの運転支援システムと連動して、事故リスクを低減する。また、リアカメラミラーはズーム機能や明るさ調整に対応し、視界や視認性を向上させている。
20km/h以下で走行中、歩行者や自転車に車両の接近を知らせる車両接近通報音には、感情に響くように設計された長音と完全五度の音程、そして世界最古の管楽器といわれるオーストラリアの古代楽器「ディジュリドゥ」の音を組み合わせているという。先進的で都会的なキャデラックが、人間味のある心地よさを追求した独自の警報音を採用しているのもおもしろい。

価格は、11,000,000円(税込)。デリバリー開始は、2025年5月以降となる。
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