70年以上の歴史を持つアメリカンスポーツカー「コルベット」に、初代コルベットをオマージュした2タイプ40台の日本限定モデルが登場した。
文/竹井あきら
エンジンルームに、初代からの魂が宿る
2023年の大ヒット映画『バービー』に登場し、主人公バービーのかわいい愛車として観客も魅了したオープンスポーツカーが、初代シボレー・コルベット(C1)だ。映画の中では4シーターのEV仕様という設定だったが、実際の初代コルベットは2シーターのフロントにV8エンジンを搭載する。
初代がデビューした1953年以来、70年以上が経った現在の現行型は、2019年7月にアメリカで発表され、2020年1月の「東京オートサロン2020」で国内初公開された8代目(C8)。502馬力を発揮する6.2ℓ V8エンジンをコルベット史上初のミッドシップレイアウトとしたことで話題を呼び、「2020年北米カー・オブ・ザ・イヤー」および「2021-2022日本カー・オブ・ザ・イヤー パフォーマンス・カー・オブ・ザ・イヤー」を日米でダブル受賞するという評価を得ている。
9月18日に発売された「シボレーコルベットシルバーフレイムシリーズ」は、初代コルベットのラジエーターサブタンクが特徴的なシルバーだったことへのオマージュとして、スターリングシルバーのエンジンカバーをまとった「LT2」V8エンジンを搭載した日本限定モデルだ。
その存在感を際立たせる特別装備として「エンジンアピアランスパッケージ」を採用し、クーペモデルではビジブルカーボンファイバーの装飾パネルがエンジンを囲うように施され、コンバーチブルモデルではクリアウィンドウ付エンジンベイパネルを備え、美しい輝きを放つシルバーフレイムエンジンをルーフ開閉時に垣間見ることができる。
エクステリアカラーはコルベットのレーシングカラーを彷彿とさせる「アクセラレートイエローメタリック」と、シルバーのレーシングストライプが映えるブラックカラーの「カーボンフラッシュメタリック」の2タイプをラインナップ。あわせて、コルベット史上最速のハイパフォーマンスモデル「E-Ray」を除き、コルベットでは初となる「クロームエクステリアバッジパッケージ(エンブレム/ネームプレート)」を装着し、特別な一台であることを主張する。
インテリアには、「スカイクールグレー」を採用し、アルミパーツをブラックで仕上げた「ステルスインテリアトリムパッケージ」を全タイプに導入し、スポーティな室内空間を演出している。
2タイプ共にクーペとコンバーチブルを揃えた計4バージョンの各10台、合計40台限定で販売され、全て右ハンドル仕様の日本専用モデルとなる。
価格は、2タイプ共にクーペ3LTが1770万円(税込)、コンバーチブルが1920万円(税込)。
初代コルベットの丸みを帯びたボディライン、大きな円形のヘッドライト、そして優雅なフィンテールは、50年代のアメリカンデザインの象徴とも言えるものだった。一方、現行の8世代目コルベットは、鋭角的なボディラインと攻撃的なフロントマスクを持つ。外観だけではなく、FRからMRへとエンジンレイアウトも変更されるという大変革も行われている。
初代モデルとはまったく異なる印象を与えるが、そのハートが宿るエンジンルームには、初代からの魂が受け継がれていることを表しているかのような限定車の誕生だ。
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