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占星術研究家・水晶玉子さん 撮影/伏見早織(世界文化ホールディングス)、ヘア&メイク、着付け/瑳峨直美、衣装協力/創作きもの にしお(帯)

上がる物価、終わらないコロナ禍や戦争、英国や日本で国を代表する人が相次いで亡くなるなど、「ひとつの時代が終わった」という印象が強い2022年がフィナーレを迎えます。そこで、来る2023年について、「当たる」と評判の占星術師・水晶玉子さんにお話を伺いました。1回目は「2023年はどんな年になるのか」を中心に、開運の方法を教えていただきます。

取材・文/前川亜紀

コロナ禍からの世の中の流れとは……

水晶玉子さん 2023年は、旧来の競争社会や、富や権力が人を支配するような価値観が終わり、本格的な多様性の時代を迎える年になります。その序章として、2022年はさまざまな汚職が明るみに出て、権力者が失墜していきました。これは、旧来の社会にあった「多少の卑怯なことをしても、誰よりも富を握り、人よりも優位に立とう」という考えが、通用しなくなったことも意味しています。

2023年は、個人がもっと自分で考えて動くことで、自由に才能を発揮しやすい時代になるでしょう。

これは和暦に用いられる十干十二支(じっかんじゅうにし)でも示されているんですよ。私の新刊『水晶玉子 開運・和暦ダイアリー2023』では、この和暦を利用し、開運するヒントを詰め込みました。

コロナ禍以降の1年を、十干十二支の考え方から解説していきましょう。動物モチーフの十二支はおなじみですが、十干はあまりなじみがありませんよね。

十干とは、「甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸」のことです。

甲・乙(きのえ・きのと)が「木」、丙・丁(ひのえ・ひのと)が「火」、戊・己(つちのえ・つちのと)が「土」、庚・辛(かのえ・かのと)が「金」、壬・癸(みずのえ・みずのと)が「水」というそれぞれ性質を持っています。

2020年は、庚子(かのえね)という年でした。「庚」は“金の陽気”の年ですから、大きな隕石が当たったかのように、それまでの世界が細かく砕かれ、世界も人々も「子(ねずみ)」のように、小さく分断されました。まさにコロナ禍のステイホームがこの状態を示しています。

2021年は、辛丑(かのとうし)という年です。丑を使う漢字に「紐(ひも)」があるように、丑年は散っていたものが結びつくという意味があります。新たなコミュニケーションが始まり、人々の絆も強くなりました。

そして、2022年は壬寅(みずのえとら)です。海を司る“水の陽の気”の年。結びついたものが、変容した混沌の海の中から寅が飛び出していくようなイメージの年でした。

一気に時代の空気が変わり、新たなビジネスや才能がたくさん見出されましたが、多くの人は大海を漂流するような不安に包まれている1年でした。

2023年は、小さな挑戦の積み重ねが大切

――では、2023年、癸卯(みずのとう)はどうなるのでしょうか。

水晶玉子さん 癸は雨や小川など“こまかな水”をという意味があります。このことから、穏やかな雨が降り注いで生まれた清らかな清流が新しい芽を育んでいくというイメージがあります。

これまでの濁流がろ過されて、ゆっくりと清らかな水になっていく時ともいえます。

また「癸」は、十干のサイクルの最後の年。物事が終わったり、世代交代がされたり、生活習慣なども大きく変わる年です。こういう年は何事も時間がかかるので、開運行動は、「小さなことをコツコツと続けること」です。失敗を恐れず、周囲を気にせず、小さなトライアルを始めてみることが大切。やりたいことが特にないという人は、料理や筋トレ、ダイエット、片づけなどを始めるといいでしょう。行ってみたい国の料理を作ったり、少しずつ筋肉を鍛えたり、家の片づけを続けるうちに、気が付けば大きな変化が自分の中で起こっていることに気付くはずです。

大きな目標を決め、全力で努力するのではなく、毎日少しずつ行なうことが大切なのです。まさに、「雨垂れ石を穿(うが)つ」という言葉通り、継続は力になるはずです。

水晶さんが身に着けていた帯は干支の卯が織り込まれたもの。干支モチーフも開運に有効。

目標を決め、自信を育てて行こう

――毎日少しずつ、行動していくことが大事なのですね。

水晶玉子さん 開運行動でおすすめなのは、若い頃に試みて、道半ばになってしまったことを復活させること。

バレエ、ピアノ、和裁、洋裁、ワイン、着物、茶道……勉強や仕事、育児などで中断してしまったことがあると思います。そういうことにトライをしてみてください。昔やってみたかったけれど、できなかったということも、始めるのにいい年です。

現在は、ネット上でも学ぶ場はたくさんあり、始めるハードルは昔に比べて低くなっていますよ。この時におすすめしたいのは、小さな目標を作ること。「3回教室に通う」「予習を10分してから行く」「先生に質問する」「隣の席の人に挨拶をする」など毎回、小さな目標を設定するのです。目標を設定すると、達成しようという気力が湧き、自分の立ち位置が見えるようになります。なぜなら、目標は己を知り、先を見通さないと設定できないから。目標を立て続けると、やがて自分を俯瞰して捉えられるようになります。

すると、自分が何を求め、どういう人生を歩みたいかも見えてくる。これが定まると、運がとてもよくなることに気づくでしょう。

どんな時も、開運のために大切なことは“悲観的にならない”ということです。不安を抱えて過ごしていると、物事のよい面が見えにくくなります。不平不満があるなら、その環境をどう変えるかを考えて、具体的に動き出してみてください。お金に不安があるなら仕事や節約を始めたり、将来に不安があるなら資格取得の勉強を始め、いろいろな制度を調べるなど、今、できることから行動を。

ただ、「どの日」に始めるかは、とても大切です。『水晶玉子 開運・和暦ダイアリー2023』には、何かを始めるのに適している一粒万倍日などの吉日と、避けたほうがよい不成就日を紹介しています。和暦を上手に使い、開運していってくださいね!

2回目では、具体的な開運日や、心構えを紹介していきます】

水晶玉子(すいしょう・たまこ)

占術研究家。 西洋・東洋の枠を超え、多様な占術を研究し執筆、多くの連載を持つ。空海が伝えた宿曜経を元にした独自の「オリエンタル占星術」で人気を博す。有名人の結婚、オリンピックの混乱、新型コロナによる意識や生活の変化などを的中させ話題に。近著に『水晶玉子 開運・和暦ダイアリー2023』(世界文化社)がある。Twitter:@Suisho_Tamako

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『水晶玉子 開運・和暦ダイアリー2023』(水晶玉子 著)
世界文化社

一粒万倍日、天赦日、寅の日…開運日がすぐわかるダイアリーは、開運の参考書としてもお役立ち。ほかにも、「大安、仏滅」「二十四節気」など、運気の波がわかったり、物事のはじめ時なども網羅している。生年月日から診断する「十二支占い」や、自分の天中殺(※)が簡単に調べられ、天中殺期間中の賢い過ごし方も紹介。スケジュール管理をしながら、自然に運がよくなる1冊。

※天中殺とは東洋占術で使われる用語で、運気の切り替え時で不安定になる時期。

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