「人生100年時代」。人生の後半をどのように過ごしていくか考えている女性が多いことでしょう。
ホーユー株式会社が、50~70代の「白髪染めをしている女性(白髪染め層)」「グレイヘアに移行中の女性(グレイヘア移行期層)」「グレイヘアの女性(グレイヘア層)」「50~70代の母親または祖母がいるZ世代(16歳~26歳)」を対象に、意識調査を行いました。「年相応に見られたい」と回答した女性は約7割という結果に。
女性たちの美意識に変化が生まれているようです。
50~70代女性の間では「若く見えるね」は褒め言葉ではなくなってきている
現在「白髪染めをしている」「グレイヘアに移行している」「グレイヘアにしている」と回答した50~70代の女性と、50~70代の母親または祖母がいるZ世代16~26歳のZ世代を対象に、「美意識」について調査を実施。自身の見た目や美意識について、50~70代女性で「年齢よりも若く見られたい」と回答した人が約3割程度だった中、約7割近くが「年相応に見られたい」「年齢など関係なく自分相応でいたい」と回答したことが明らかになりました。
その理由として「老いに抗う事なく自然のままが良い(60代・女性)」、「見る人ではなく、自分の人生だから(50代・女性)」などの意見が多く上がりました。現在は、「若く見える」ことよりも、自分の年齢や自分のスタイルに合った見た目でいたいと思う人が多いようです。また、16~26歳のZ世代に関しても、約4人に1人は「自分相応でいたい」と回答し、自分らしさを重視する傾向にあることが見えてきました。
7割以上の女性が「グレイヘアは素敵」と肯定的だが、「老けて見えそう」などのマイナスイメージも
「グレイヘア」の好感度について聞いてみると、「グレイヘアは素敵だと思う(とても思う+まあ思う)」と回答した人は74.8%に上り、多くの女性が「グレイヘア」に肯定的であることが明らかになりました。その理由として、「おしゃれ(39.5%)」「かっこいい(24.5%)」「センスがある(24.5%)」など前向きな意見が多数見受けられました。
また「グレイヘア」のイメージについては、約3割が「一般的なヘアスタイルの一種(29.7%)」と回答し、「グレイヘア」が一般的なヘアスタイルとしても受け入れられ始めていることが明らかに。
一方、「老けて見える(24.7%)」、「タレントなどおしゃれな人がやるヘアスタイル(18.7%)」など依然として「グレイヘア」に対する抵抗感やハードルの高さを感じている女性が多いことも分かります。
白髪染めをしている女性の約3人に1人が「グレイヘアにしてみたい」と回答するも、「老けて見えそう」という理由から敬遠
「白髪染め層」の50~70代の女性に「グレイヘアにしてみたいと思うか」を聞いたところ、約3人に1人が「してみたいと思う(とても思う+まあ思う)」と回答。その理由として、「白髪のストレスから解放され、自然体でいたいと思うから(53.1%)」、「著名人のグレイヘアを見て素敵だと思ったから(53.1%)」に半数以上の回答が集まりました。
「グレイヘア」への意欲はありながらも、なかなか踏み切れない理由としては、「老けて見えそうだから(31.3%)」が最も多い結果に。「グレイヘア」に憧れはありつつも、見た目への不安から躊躇してしまう人が多いようです。
また、「どのようなきっかけがあればグレイヘアにしようと思えるか」については、4割以上が「グレイヘアをお手入れする商品が発売される(46.9%)」と回答し、最も多い結果となりました。
グレイヘアにしてよかったと感じている人は8割以上だが、6割以上がケアに悩んでいる
50~70代の女性に「グレイヘアにしようと思った理由」について調査。結果、「自分らしくいたいと思った(45.0%)という回答が最も多く、次いで「白髪を染め続けることが面倒だった(31.0%)」、「髪のダメージが気になった(27.0%)」と続く結果となりました。
また「グレイヘアにした満足度」を聞いてみると、約82.5%が「グレイヘアにしてよかった(とてもよかった+まあよかった)」と回答し、8割以上の人がグレイヘアに満足していることが明らかとなりました。その理由としては「自分らしくいられるようになった(58.2%)」が最も多く、グレイヘアで“自分らしさ”を楽しんでいる人が多いことが分かりました。
一方、「グレイヘアにして困っていること」については、「身だしなみを整えていないように見える(37.1%)」「似合う服・メイクが分からない(37.1%)」が同率で1位。次いで「白髪が黄ばんで見える(22.9%)」「髪がパサついて見える(22.9%)」がランクインする結果に。
「グレイヘアのケア」に関しては、6割以上が「ケアをしていない」と回答し、適切なお手入れを行なっている人が半数以下であることが明らかになりました。認知としても、約3割の人が「ケアしなくてもグレイヘアだと思う」と回答していたように、白髪の黄ばみやパサつきの悩みを感じながらも、グレイヘアにケアが必要なことを知らない人が多いようです。
グレイヘア移行中の女性6割がストレスを感じている理由は「色の差がみっともない」「白髪隠しが面倒」
続いて、「グレイヘア移行期層」「グレイヘア層」の方に、白髪と白髪染めの髪色の差に対するケアを何か実践しているか(していたか)聞いたところ、約7割が「特に何もしていない(69.2%)」と回答。
現在グレイヘアに移行中の「グレイヘア移行期層」の中で「何らかのストレスを感じる」と回答した人は全体で64.0%に上り、感じるストレスとして 「白髪と以前染めた部分との色の差がみっともない(20.0%)」、「伸びかけの白髪を隠すのが面倒くさい/伸びかけの白髪を上手くごまかせない(14.0%)」など髪色の変化に関する悩みが回答の上位に。髪色の差にストレスを感じていながらも、何も対処できていない人が多いことが判明しました。
グレイヘア移行期層の5人に1人が挫折経験あり
「グレイヘア」の挫折経験についても調査。「白髪染め層」「グレイヘア移行期層」「グレイヘア層」の50~70代の女性にこれまで「グレイヘア」を断念・挫折してしまった経験について聞いてみると、「グレイヘア移行期層」の中で過去にも「グレイヘア」へのチャレンジ経験がある27名は、22.2%が挫折経験があることが分かりました。
また「グレイヘア挫折経験者」28名にその理由を聞いてみると、約半数が「伸びかけ白髪への対処法が分からなかった(46.4%)」と回答したことが明らかに。その他、「伸びかけの白髪を隠すのが面倒くさい/伸びかけの白髪を上手くごまかせない(14.0%)」等の意見も上位に上がり、「グレイヘアにしたい」という意思があったとしても、白髪の伸ばし方や白髪と以前染めた部分の色の差のケア方法を知らないことから挫折してしまうケースが多いことが分かりました。
まとめ
調査を通し、「グレイヘア」という言葉の認知度は7割を超え、さらに全世代を通して7割以上の女性が「グレイヘアは素敵だと思う」と肯定的な意見を持っていることから、「グレイヘア」に対して関心の高い女性が多いことが明らかになりました。
一方で、「グレイヘア」への移行期に「伸びかけ白髪への対処法が分からなかった」という理由から挫折をしてしまう人や、「グレイヘア」への憧れはあるものの、「老けてしまうのではないか」「タレントやモデルだから似合うケアスタイルなのではないか」という不安から、「グレイヘア」に踏み出すこと自体にハードルを感じている人が多いこともわかりました。
「グレイヘア」は、ケアすることでキレイに、おしゃれに楽しむことができるヘアスタイルです。グレイヘアの女性の8割が「グレイヘアにしてよかった」と回答し、半数以上が「自分らしくいられるようになった」と、心からグレイヘアを楽しんでいることからも、好きな髪を楽しむための選択肢を増やすこと、白髪だけでなく、自分の心にも寄り添うことが、女性が自分らしく生きることへの後押しとなると考えられます。
【調査概要】
・調査方法:インターネット調査
・調査時期:2022年9月21日~9月22日・対象地域:全国
・対象者
「白髪染めをしている」「グレイヘアにしている」と回答した50代~70代女性 各200人
「グレイヘアに移行している途中」と回答した50~70代女性 50名
50~70代の母親または祖母がいるZ世代(16歳~26歳) 150名
※グラフの構成比(%)は小数第2位以下を四捨五入しているため、合計が必ずしも100%にならない場合があります。