
秋になると、旅に出たくなる。そんな気分の背中を押してくれるのが、アウディA6だ。アウディ史上もっともエレガントなアッパーミディアムクラスと謳われる、セダンとステーションワゴンを紹介しよう。
文/竹井あきら 写真提供/アウディジャパン
旅へと誘うエレガンス
季節が変わり、空気が少しずつ澄んでくると、どこか遠くへ出かけたくなる。そんな旅の相棒に選びたいのが、アウディA6だ。
A6は、アウディのアッパーミディアムクラス、いわゆるEセグメントに属するセダン/ステーションワゴン。2026年6月に日本に導入された新型A6は、A6を名乗るようになってから6代目にあたり、前身となるアウディ「100」から数えると9代目になる歴史あるモデルでもある。
これまでと同じく、セダンの「A6」とツーリングワゴンの「A6アバント」という2つのボディスタイルで展開され、本国ではアバントが先行して発表されたものの、日本には同時に導入された。
パワートレインは、最高出力150kW(204PS)を発生する2ℓ直列4気筒ディーゼルターボの「2.0 TDI quattro」と、最高出力200kW (272PS)の2ℓ直列4気筒ガソリンターボ「 2.0 TFSI quattro」の2種類を設定。いずれも7速のデュアルクラッチ式オートマチックトランスミッション「Sトロニック」とアウディ独自の4WDシステム「クワトロ」が組み合わされる。
また最新の48Vマイルドハイブリッドシステム「MHEV plus」の採用で、最大18kW(24PS)の電力アシストと230Nmのトルクを追加するとともに、減速時には最大25kWのエネルギーを回生することもできる。マイルドハイブリッドながら、微低速では電動走行も可能だ。
ちなみに昨年7月に導入された100%電動の「A6 e-tron」は、電気自動車専用プラットフォームを採用しているから、同じA6を名乗るものの成り立ちとしては独立した別のクルマということになる。

新型A6のサイズは、セダン/アバントともに全長5000mm、全幅1875mmで、先代よりも50mm長く、10mmスリムになった。全高はセダンが先代よりも15mm高くなって1465mm、アバントは先代と変わらず1485mm。ホイールベースはいずれも先代同様の2925mmだ。
サイドビューは、ロングノーズとロングホイールベース、そしてルーフラインの流れるようなカーブが伸びやかなプロポーションを描く。ボクシーになりがちなツーリングワゴンであっても、クーペライクな色気をまとっているのが初代アウディ100以来受け継がれる美点だ。
リアエンドがわずかに上向きに跳ね上げられているのも特徴的。このリアエンドの形状は、アウディの十八番ともいえる空力性能を最大限に引き出し、セダンのCd値はアウディの内燃機関モデルで最も優れた0.23、アバントでも0.25を実現している。
フロントフェイスには低くワイドな大型のシングルフレームグリルとすっきりとスリムなヘッドライト、そしてアウディのフォーリングスエンブレムが精悍な表情を与え、両サイドに大きく口を開けるサイドエアインテークが力強さを強調する。

インテリアは、ナビゲーションに加え、オーディオ・ビジュアルプレーヤー、ハンズフリーテレフォン、車両設定機能などを集約したアウディ独自の「MMI(Multi Media Interface)」パノラマディスプレイを中心とした、ハイテク感のある上質な雰囲気。運転席には11.9インチのバーチャルコックピット、センターには14.5インチMMIタッチディスプレイ、助手席用の10.9インチMMIパッセンジャーディスプレイまで全車に標準装備される。



VDA値での荷室容量は、セダンが452ℓ、アバントが466ℓと、どちらも十分な容量を確保している。無駄になる凹凸もなく、スペースを隅々まで有効に使える。セダンとアバントで数値上の差がそれほど大きくないのは意外だが、セダンもリアシートが40:20:40の分割可倒式となっており、長尺物にも対応する。一方で、背の高い荷物の積載や荷物の出し入れのしやすさでは、やはりアバントに分がある。実用性をしっかり備えたセダンか、より荷物を積みやすいアバントか。ここはスタイルの好みで選んでいいだろう。


本国ではアバントが先行して発表されたことからもわかるように、ドイツではツーリングワゴンが人気だ。A6アバントの全世界の販売台数の内、8割がヨーロッパに集中し、その半分をドイツが占めているという。
ドイツというお国柄を考えると、それもそうかと腑に落ちる。長期休暇を過ごすための大荷物が積めて、家族が快適に過ごせて、超が付くほどの高速道路を長距離走っても疲れず、山岳地帯を走る運動性能も備えるとなると、ツーリングワゴンを選ぶのも頷ける。
本国にならって、アバントのディーゼルモデルを試乗した。オプションの「S lineパッケージ」に含まれるアコースティックガラスのおかげもあってか、車内ではエンジン始動から加速までとても静かだ。それでいてディーゼルならではの力強さにモーターのサポートも加わり、余裕たっぷり。不快な音や振動は気にならず、いたってパワフルだから、ディーゼルの“いいとこ取り”といったところだ。
試乗車にはオプションのアダプティブエアサスペンションが装着され、路面の凹凸の角がきれいにならされたような快適な乗り心地。同時に、きちんと路面とタイヤの接地状況が把握できるから不思議だ。
アダプティブエアサスペンション装着車では、「ドライブセレクト」を選ぶことで、Comfort/Balanced/Efficiencyでは20mmの範囲で車高が調整され、Dynamicでは車高が10mm低くなる。峠に入る前にComfortからDynamicに変更すると、スーッと姿勢を低く構えていく様がはっきりとわかる。運動性能と同時にドライバーの気分も盛り上げる装置だ。また「ドライブセレクトアシスタント」を起動すれば、走行状況やドライバーの好みを学習して、最適な走行モードを自動で選択してくれるという。

大きなクルマは狭い道や駐車場などでは神経を使うものだが、試乗車にはオプションの四輪操舵システム「オールホイールステアリング」が装備され、最小回転半径は5.4mとプリウスと同等の取り回しができるのもありがたい。
また駐車スペースの検知からステアリング、アクセル、ブレーキの操作をシステムが自動で行う「パークアシストプロ」も搭載。直前に通ってきたルートを最大50m正確に戻る「リバースアシスト」や、過去の駐車操作を最長200m記憶し、クルマ任せで自動駐車ができる「メモリー機能」も含まれるので、狭いところで冷や汗をかくこともない。
ホテルのエントランスに停まっても、狭い住宅地や駐車場でも、高速道路や山道を駆けても、エレガントでスポーティなルックスと身のこなしでドライバーとパッセンジャーを楽しませる。新型A6は、きっと旅を豊かにしてくれるに違いない。
本体希望価格(税込)は、A6 200kW TFSI quattroが8,850,000円、A6 150kW TDI quattroが8,980,000円、A6 Avant 200kW TFSI quattroが9,270,000円、A6 Avant 150kW TDI quattroが9,400,000円。
アウディジャパン https://www.audi.co.jp/ja/
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