糸井重里さんが手掛けるWebサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」から生まれた『ほぼ日手帳』。手帳本体やカバーのバリエーションが多く、人気キャラクターやデザイナー、作家などとのコラボアイテムも好評です。2023年4月はじまり版の「ほぼ日手帳2023 spring」には、植物学者・牧野富太郎博士や工業デザイナー・水戸岡鋭治さんとのコラボアイテムが登場しました。植物をモチーフにした春らしい手帳や文具をご紹介しましょう。
モダンなボタニカルデザインが魅力。牧野富太郎博士の植物図デザイン
牧野富太郎博士の植物図デザインのラインアップは、週間手帳、手帳カバー、方眼ノート、下敷きの4アイテム。“日本植物分類学の父”として知られる植物学者の牧野富太郎博士が100年以上前に描いた精密で美しい植物図を、日常のアイテムとして採り入れることができます。実は『ほぼ日手帳』とのコラボは今回が4回目で、そのモダンでかっこいいボタニカルデザインは、毎回、ユーザーに好評なのだとか。
まず週間手帳の『weeks』ですが、『ほぼ日手帳』で「ヤマザクラ」の植物図を取り扱うのは2回目になります。1900年に出版された『大日本植物志』第1巻第1集の巻頭図でもある「ヤマザクラ」ですが、今回は桜の花ではなく、第2図版の実や葉のモチーフをデザインに採用。桜が咲くのを楽しみに待つような希望や期待感が込められています。
大きさは長財布と同じくらいで持ち歩きに最適。基本ページは週間予定とメモになっていて、月間カレンダーや巻末にはたっぷりの方眼ノートも付いています。
手帳カバーの『オリジナルサイズ(A6)』には、牧野富太郎博士が1901年に描いた「コウシンソウ」の植物図がプリントされています。「コウシンソウ」は関東北部の山地の湿った岩上に特産する多年生の食虫植物。その淡い紫色の花や花茎が反り返る様子が墨と水彩で描かれています。ただこの手帳カバーは現在、在庫切れで再販売が未定となっています。再販売の予定が立てば通知されるので、『ほぼ日手帳』のサイトをマメにチェックしておきましょう。
『ほぼ日手帳』と同じ薄くて丈夫な用紙「トモエリバー」を使い、同じ3.7ミリ方眼の『ほぼ日の方眼ノート』。こちらの牧野富太郎博士とのコラボノートには、「ヤマザクラ」の第1図版が描かれています。牧野富太郎博士の代表作でもあるだけに、生き生きとした花びらの表現は素晴らしいのひと言です。
ノートサイズは『ほぼ日手帳』のオリジナルサイズと同じA6と、カズンサイズのA5の2種類。方眼の色がまとまったページごとに赤→青→緑→紫と変わる仕様なので、1冊の中で複数のテーマを書き分けしやすくなっています。
最後は『ほぼ日の下敷き』です。手帳と一緒に使うことで、ページに凹凸ができにくくなり、書き心地が良くなります。weeksサイズ用には「タマアザミ」「ヤグルマギク」「草カミツレ」「トウキンセンカ」の墨画、オリジナルサイズ用には「カントウタンポポ」「ノアザミ」の彩色が施された植物画が描かれています。
いずれも長辺に1mm刻みの目盛りを付けているので、定規の代わりにも使えて便利。手帳にはさんだ時に「TODAY」のタブが見えるようになっていて、しおりとしても使えます。なおオリジナルサイズ用は現在、在庫切れで再販売が未定となっています。
牧野富太郎博士は4月から放送開始となるNHK連続テレビ小説「らんまん」のモデルとしても話題。そんな牧野富太郎博士のグッズを先取りしてみてはいかがでしょうか。
工業デザイナー・水戸岡鋭治さんの草木模様のテキスタイルデザインの手帳カバーも登場
「ほぼ日手帳2023 spring」には、JR九州の豪華寝台列車「ななつ星in九州」などの鉄道車両や駅舎などのデザインを数多く手掛けてきた水戸岡鋭治さんとコラボした手帳カバーもあります。様々な配色と形の草木の模様を描いた正方形のパーツが組子のように連なった手帳カバーで、A6のオリジナルサイズ用とA5のカズン用が用意されています。
カバーにはJR九州の特急列車「かわせみやませみ」の座席シートなどのために描いたテキスタイルのデザイン画を使用。内側の色は「かわせみやませみ」の内装に使われている白木をイメージした色で、表紙のデザインの一部分とロゴを空押ししているのもステキです。
植物をモチーフにした「ほぼ日手帳2023 spring」。春らしい手帳や文具をながめていると、心が浮き立ちますね。
ほぼ日手帳 2023 spring
https://www.1101.com/store/techo/ja/magazine/2023/y23_spring/
取材・文/綿谷禎子