スイスは、九州と同程度の大きさでありながら、国土の約6割をアルプスが占め、4000メートル級の山は48峰を越えるとう“山の国”。すぐに思い浮かぶのはマッターホルンやユングフラウなどの名峰だが、当然ながら他にも、知られざる魅力的なスポットが数多く存在する。
しかも夏は爽やかで、ヨーロッパの人々が保養のため訪れるのも納得だ。夏の旅先としては申し分ない。
そこで今回は、夏のスイスを優雅に楽しむならば是非とも訪れてみたい4つの街を、同地へのツアーを企画しているワールド航空サービス・スイス担当のお二方(桂 智洋さん、山口 亨さん)のコメントとあわせてご紹介しよう。
■1:サン・モリッツ

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サン・モリッツは、アルプスの南側、イン川が流れ込むサン・モリッツ湖のほとりに開けたエンガディン地方の中心地。世界中からスキー客が集まることでも有名な、ヨーロッパ最古のスキーリゾートでもある。
もちろん夏は避暑地としても人気が高く、鉱泉の湧き出る保養地としても親しまれている。数ある山岳リゾートのなかにあって、その優雅な佇まいは極上と呼ぶにふさわしいのである。
「サン・モリッツは実は長期滞在に適した街。周辺には気軽に訪ねられる展望台やハイキングルートがたくさんあります」(桂さん)
またサン・モリッツを訪れるなら、セガンティーニ美術館を忘れてはいけない。穏やかな山々に囲まれた谷間の風景を愛し、アルプス画家とも称されたセガンティーニの作品を常設した、贅沢な美術館だ。

セガンティーニ美術館 ©Switzerland Tourism.jpg
■2:ミューレン

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ベルナーオーバーラント地方は、スイス北西部、首都ベルンがあるベルン州南部の高地。グリンデルワルト、インターラーケン、ウェンゲンなどの有名山岳リゾートが居並ぶスイスの名所だ。アイガー、メンヒ、ユングフラウの三名峰を望むことのできる穴場、ミューレンもここに位置する。
他のリゾートと異なるのは、小さな村であり、ガソリン車の乗り入れが禁止されており大型ホテルがないこと。そのため、グループツアー客がほとんど見当たらないのである。
数少ない一軒である「ホテル・アルペン・ルー」は、けっして豪華ホテルではないが、スイスの家庭に招かれているような暖かい雰囲気が魅力。テラスから眺めることのできるユングフラウ山脈の美しさも、きっと心に残るはずだ。
「朝夕の静謐な時間、神々しい光を浴びるユングフラウの山々と向き合う。これは、この村に滞在した者の特権です」(桂さん)

ホテル・アルペン・ルーからの眺め。
■3:ウェンゲン

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ベルナーオーバーラント地方の中心に位置するウェンゲンは、標高1274メートルの村。19世紀以来、ユングフラウ観光の拠点として発展してきただけに、古き良き時代の雰囲気を残した木造のシャレー(スイス・アルプス地方の伝統的な、大きな屋根が突き出た住居)がそこかしこに点在する。
「ウェンゲンからロープウェーを使いメンリッヒェンへ。ユングフラウ3山を正面に見ながらの絶景ハイキングを楽しめます」(山口さん)

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外部からの車の乗り入れが禁じられているためツアー客も多すぎず、とても落ち着いた雰囲気だ。
■4:ツェルマット

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ツェルマットは、アルプスで最も人気の観光地。標高1620メートルで、環境保全のため電気自動車だけが走行できる。ホテルやカフェなどが充実している一方、500年以上の時を経てきた古民家も保存されており、落ち着いた村の雰囲気を味わえる。
「マッターホルンを真横から、しかも驚くほど間近にご覧いただける『クラインマッターホルン展望台』はとくにオススメのスポットです。時間に余裕があるのならば、是非訪れてみてください」(山口さん)
5ツ星ホテル「モン・セルヴァン・パレス」は1852年に創業した、ツェルマットのパイオニア的なホテルで、優雅さと高級感が魅力だ。大半の客室にバルコニーやテラスがあるため、マッターホルンの雄姿を望むこともできる。

モン・セルヴァン・パレス
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以上、夏のスイスを楽しみたいのなら外すことのできない4つの街をご紹介した。いずれも、ワンランク上の旅をお望みなら意識しておきたいところ。従来になかった、新鮮な体験ができるだろう。
【夏のスイスへのツアーについてのお問い合わせ】
ワールド航空サービス
電話/03-3501-4111(東京支店)
http://www.wastours.jp
【関連ツアー】
※スイス・アルプス滞在の旅
※ヘリコプター遊覧を2回楽しむスイス・アルプス絶景の旅
※マッターホルンを望む名門ホテルとコモ湖ヴィラ・デステの旅
※アルプス絶景の村ミューレン滞在の旅
文/印南敦史
写真提供/ワールド航空サービス
